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もはや、テロリスト②
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なのに名残惜しそうに俺を見つめるその表情は、いつものおっとりしていて可愛らしい雰囲気からは想像も出来ないほど凶悪なまでに艶かしくて。
......このまま続けたら本当に付き合い始めた初日に押し倒し、真面目な彼女に三行半を突き付けられる羽目に陥りかねないと思い、無理矢理余裕の笑みを浮かべてみせた。
......ホント日頃の演技力の訓練の、賜物だな。
そしてかなり残念ではあったけれど、わざとふざけた口調で告げた。
「可愛い、千尋さん。
でも残念ながら、時間切れ。
......これから俺、すぐにまた出掛けないと」
すると彼女は我にかえったのか、俺の体から手を離した。
それから本当に、予想外だったんだけれど。
彼女は照れ臭そうに笑い、とんでもない爆弾発言をしやがったのだ。
「......うん、私も残念だけど。
奏くん、行ってらっしゃい」
ヤバい、俺の彼女まじでめちゃくちゃ可愛い。
......もはやこんなの、テロリストだ。
今日はライブのための振り付けの確認があり、帰りはまたしても夜の遅い時間になる予定だった。
だけど意地でも速攻でマスターして、一秒でも早く帰宅してやると心に誓った。
***
ライブでの振り付けや、動線の確認中。
少しでも早く帰ろうとして集中し過ぎた結果、不機嫌なのだと勘違いされてしまったようだ。
本気で怯えたような表情で、メンバーの仁が聞いた。
「奏くん、どうしたの?
......なんか鬼気迫る感じで、ちょっと恐いんだけど」
......このまま続けたら本当に付き合い始めた初日に押し倒し、真面目な彼女に三行半を突き付けられる羽目に陥りかねないと思い、無理矢理余裕の笑みを浮かべてみせた。
......ホント日頃の演技力の訓練の、賜物だな。
そしてかなり残念ではあったけれど、わざとふざけた口調で告げた。
「可愛い、千尋さん。
でも残念ながら、時間切れ。
......これから俺、すぐにまた出掛けないと」
すると彼女は我にかえったのか、俺の体から手を離した。
それから本当に、予想外だったんだけれど。
彼女は照れ臭そうに笑い、とんでもない爆弾発言をしやがったのだ。
「......うん、私も残念だけど。
奏くん、行ってらっしゃい」
ヤバい、俺の彼女まじでめちゃくちゃ可愛い。
......もはやこんなの、テロリストだ。
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だけど意地でも速攻でマスターして、一秒でも早く帰宅してやると心に誓った。
***
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