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無駄なバトル④
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「いつもテレビなんかで見るのと、随分イメージが違うみたいだけど。
......でもこっちが、素なのよね?」
ニッと不敵に笑う、華月。
すると奏くんももう隠す気がないのか、フンと鼻で嗤って答えた。
「イメージと、違う?
知らねぇよ、そんなの。
つーか俺、千尋さんと大切な話があるんだけど?」
あぁ......こんなの絶対に、アイドルの顔じゃない。
しかもこれは初めて逢った日の、完全にバトルモードな奏くんだ。
「は?私の方が、先約なんだけど。
だって今日は、帰って来ない予定だったんでしょ?ハイ、お疲れ!」
華月は華月で、彼を追い出す気満々だ。
途方に暮れる私に向かい、奏くんはにっこりと優しく微笑み掛けた。
それを見た華月の眉間に、深いシワが寄る。
「あぁ、ごめんね?千尋さん。
ちょっと、怖がらせちゃったかな......。
大丈夫だから......ね?」
いつもするみたいに満面の笑みで、両手を広げて受け入れ体勢を取られた。
そのため反射的に、こんな状況だというのにうっかり彼の腕に飛び込もうとした瞬間。
グッとTシャツの首元を引かれ、華月に後ろから羽交い締めにされてしまった。
すると奏くんは、チッと思い切り舌打ちをした。
これまでも、もしかして舌打ちしたかなと思う事は度々あった。
しかし実際それを目の当たりにしたのは初めてだったから、驚き瞳を見開く私。
「全く、もう。ちょっと目を離すと、これなんだから。
こんな胡散臭い男に、この子は任せられない!」
胡散臭いって。......JOKERのファンだと言っていた癖に、本当に酷い言い草である。
......でもこっちが、素なのよね?」
ニッと不敵に笑う、華月。
すると奏くんももう隠す気がないのか、フンと鼻で嗤って答えた。
「イメージと、違う?
知らねぇよ、そんなの。
つーか俺、千尋さんと大切な話があるんだけど?」
あぁ......こんなの絶対に、アイドルの顔じゃない。
しかもこれは初めて逢った日の、完全にバトルモードな奏くんだ。
「は?私の方が、先約なんだけど。
だって今日は、帰って来ない予定だったんでしょ?ハイ、お疲れ!」
華月は華月で、彼を追い出す気満々だ。
途方に暮れる私に向かい、奏くんはにっこりと優しく微笑み掛けた。
それを見た華月の眉間に、深いシワが寄る。
「あぁ、ごめんね?千尋さん。
ちょっと、怖がらせちゃったかな......。
大丈夫だから......ね?」
いつもするみたいに満面の笑みで、両手を広げて受け入れ体勢を取られた。
そのため反射的に、こんな状況だというのにうっかり彼の腕に飛び込もうとした瞬間。
グッとTシャツの首元を引かれ、華月に後ろから羽交い締めにされてしまった。
すると奏くんは、チッと思い切り舌打ちをした。
これまでも、もしかして舌打ちしたかなと思う事は度々あった。
しかし実際それを目の当たりにしたのは初めてだったから、驚き瞳を見開く私。
「全く、もう。ちょっと目を離すと、これなんだから。
こんな胡散臭い男に、この子は任せられない!」
胡散臭いって。......JOKERのファンだと言っていた癖に、本当に酷い言い草である。
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