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告白
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息を切らせながら、店内に入ってきたのは柳瀬君だった。
「手、離してくれる? そいつ、俺のなんだわ」
それに驚き、彼の顔を凝視していたら、柳瀬君は男の手を掴み振り払った。
「なんだよ、それ……。そんなに大事なら他のやつとふらふら遊んでないで、首輪でも着けとけよ」
吐き捨てるようにそれだけ言うと、男はそそくさと店を出ていってしまった。
「太郎、大丈夫? なんもされてない? 怪我は?」
心配そうに問うその表情に、嘘はない気がする。だけど、なぜ……?
彼はあの男の子と、ホテルへ行ったはずじゃなかったのか?
疑問が完全に、顔に出てしまったのだろう。
柳瀬君は苦笑して、僕の頭をくしゃりと撫でた。
「ちょっと色々あって、自棄になってた。なのに君が他の男に抱かれるのも、やっぱり嫌だなんて。……まじで自分勝手だよな、本当にごめん」
心からの、謝罪の言葉。だけど店内の客たちの視線が気になり、僕は彼の言葉を止めた。
「ストップ! 聖、場所を変えよう。……ここだと、落ち着かない」
柳瀬君は困ったように笑い、小さくうなずいた。
***
いつものようにホテルに連れて行かれるのかと思ったけれど、今日はそうじゃなかったらしい。
案内されたのは、マンションの一室。これまで自宅に招かれたことはなかったから、また少し戸惑った。
部屋に入ると彼は、再び謝罪の言葉を口にした。
「本当にごめんな、太郎。……あの男の言うように、ふらふら他のやつと」
心底悔いるように言われたけれど、僕と彼の関係はただのセフレなのだ。
だからこんな風に、謝られる筋合いはない。
でもそれを言えば、きっとまた僕らの関係は拗れてしまうに違いない。そのため左右に小さく首を振った。
「……俺さ、ずっと好きな人がいるんだ」
その言葉を聞き、心臓を鷲掴みにされたみたいに苦しくなった。
でもこれはきっと彼にとって、大切な話なのだろう。
真剣な表情からそれが伝わってきたから、そのまま言葉の続きを待つことにした。
「でも彼は俺のことなんか、全然眼中になくってさ。それでも側にいられるだけでいいって、ずっと思ってたんだけどね……」
いつも自信に満ち溢れた彼の、弱々しい声。
彼のことを抱き締めて、優しく頭を撫でながら無言で話の続きに耳を傾けた。
「でもその人も、ゲイだって分かって。しかも彼の好きな相手が、彼のことをセフレ扱いしてるって偶然知って。……それにムカついて、無理やりキスしちゃったんだ。ほんと、サイテーだろ?」
たしかに彼のしたことは、最低だと思う。でも、その相手って……。絶対に、僕のことじゃないか!
だけどそんな僕の反応に気付くことなく、まるでひとりごとのようにポツポツと彼は語り続けた。
「でも彼からしてみたらあんなのは、野良犬に噛まれた程度のことだったんだろうな。謝罪は受け入れてくれないくせに、全然態度は変わらなくて。……本当に俺は彼に相手にされてないんだって、改めて思い知らされただけだったよ」
眼中になかったからでも、相手にしていなかったからでもない。大好きだからこそ、あんなにも腹が立ったのだ。
でも今僕がそれを言ったところで、彼はきっと理解出来ないに違いない。
「ならなんでさっき、僕を助けに戻って来てくれたの? 聖はその人のことが、今でも好きなんだよね?」
「うん、好き。たぶんずっと、忘れられないと思う。……でも同じくらい、太郎のことも好きだし大切なんだ」
その言葉に驚き、思わず息を呑む。
だってこれはいわゆる、精神的な二股宣言だと思うから。それに呆れ、思わず本音が零れた。
「聖……。今すごい最低な発言してる自覚、ある?」
ビクッと彼の肩が、大きく震えた。
「……ある。でもちゃんと君には、伝えておきたかったんだ」
はじめて目にする、情けない表情。だけどそれを前に、愛しさで胸がいっぱいになった。
「けど、それが正解。……それこそ僕が、一番欲しかった言葉だから」
不思議そうに僕を見上げる、柳瀬君の瞳。
それがおかしくて、思わず吹き出した。
「それって、いったい……」
「うーん……。たぶん口で言っても、うまく伝わらないんじゃないかな。だから明日の朝、実際に見てもらうのが一番いいと思う」
しっかりと目線を合わせ、それから彼の唇に口付けを落とした。
「……許してくれるの? こんなにも俺、不誠実な発言してんのに」
「それに関しては、ある意味僕のせいというか。だから、もういいよ。ちゃんと僕のことを、愛してくれるなら。……だから今は謝罪の言葉より、大好きな聖が欲しい。ダメ?」
甘えた声でねだるように聞き、じっと顔を見つめた。
「……ダメじゃない。俺も、太郎が欲しい」
そのままやや乱暴に、床へと押し倒された。
「ごめん、太郎。今日は、全然我慢出来そうにない。シャワーも待ってやれない」
「うん。家で浴びてから来たから、このまましよう?」
お互いの服を脱がせ合いながら、荒々しいキスを交わす。
これまではずっと、これは心の伴わない行為だと自分に言い聞かせてきた。
……だけど、そうじゃなかった。
僕を求める彼の息遣いが、視線が、手の動きが、すべて嬉しくてたまらない。
だから僕も、いつも以上に大胆に柳瀬君を求めた。
僕が上になり、下着を脱がせると、すでに大きく隆起した彼のモノに口付けた。
思いを込めて何度もキスをするたびに、彼の体が小さく震える。
それがあまりにも可愛かったから、夢中でその大きなモノを口に含み、グチュグチュと上下に頭を揺らした。
「太郎……。それ、ヤバいって。もう出るから、口を離して」
だけどその言葉には従うことなく、さらに激しい口淫を続ける。
すると彼は僕の頭を強く押し付けるようにして、そのまま口の中で果てた。
口いっぱいに広がる、雄の匂い。でもそれすらも、僕を興奮させる材料のひとつでしかない。
まだ硬さを保ったままなのを確認するみたいに今度は手でゆっくりとしごきながら、煽るように聞いた。
「まだ、イけるよね?」
家で既にほぐしてから来ていたから、彼のモノをあてがい、そのまま焦らすみたいにゆるゆると腰を動かした。
「当然。太郎のことも、何回だってイかせてやるよ」
ニッと意地悪く、柳瀬君の口角が上がる。
それにゾクゾクしながら僕はにっこりと笑みを返し、そのまま腰を下ろした。
「手、離してくれる? そいつ、俺のなんだわ」
それに驚き、彼の顔を凝視していたら、柳瀬君は男の手を掴み振り払った。
「なんだよ、それ……。そんなに大事なら他のやつとふらふら遊んでないで、首輪でも着けとけよ」
吐き捨てるようにそれだけ言うと、男はそそくさと店を出ていってしまった。
「太郎、大丈夫? なんもされてない? 怪我は?」
心配そうに問うその表情に、嘘はない気がする。だけど、なぜ……?
彼はあの男の子と、ホテルへ行ったはずじゃなかったのか?
疑問が完全に、顔に出てしまったのだろう。
柳瀬君は苦笑して、僕の頭をくしゃりと撫でた。
「ちょっと色々あって、自棄になってた。なのに君が他の男に抱かれるのも、やっぱり嫌だなんて。……まじで自分勝手だよな、本当にごめん」
心からの、謝罪の言葉。だけど店内の客たちの視線が気になり、僕は彼の言葉を止めた。
「ストップ! 聖、場所を変えよう。……ここだと、落ち着かない」
柳瀬君は困ったように笑い、小さくうなずいた。
***
いつものようにホテルに連れて行かれるのかと思ったけれど、今日はそうじゃなかったらしい。
案内されたのは、マンションの一室。これまで自宅に招かれたことはなかったから、また少し戸惑った。
部屋に入ると彼は、再び謝罪の言葉を口にした。
「本当にごめんな、太郎。……あの男の言うように、ふらふら他のやつと」
心底悔いるように言われたけれど、僕と彼の関係はただのセフレなのだ。
だからこんな風に、謝られる筋合いはない。
でもそれを言えば、きっとまた僕らの関係は拗れてしまうに違いない。そのため左右に小さく首を振った。
「……俺さ、ずっと好きな人がいるんだ」
その言葉を聞き、心臓を鷲掴みにされたみたいに苦しくなった。
でもこれはきっと彼にとって、大切な話なのだろう。
真剣な表情からそれが伝わってきたから、そのまま言葉の続きを待つことにした。
「でも彼は俺のことなんか、全然眼中になくってさ。それでも側にいられるだけでいいって、ずっと思ってたんだけどね……」
いつも自信に満ち溢れた彼の、弱々しい声。
彼のことを抱き締めて、優しく頭を撫でながら無言で話の続きに耳を傾けた。
「でもその人も、ゲイだって分かって。しかも彼の好きな相手が、彼のことをセフレ扱いしてるって偶然知って。……それにムカついて、無理やりキスしちゃったんだ。ほんと、サイテーだろ?」
たしかに彼のしたことは、最低だと思う。でも、その相手って……。絶対に、僕のことじゃないか!
だけどそんな僕の反応に気付くことなく、まるでひとりごとのようにポツポツと彼は語り続けた。
「でも彼からしてみたらあんなのは、野良犬に噛まれた程度のことだったんだろうな。謝罪は受け入れてくれないくせに、全然態度は変わらなくて。……本当に俺は彼に相手にされてないんだって、改めて思い知らされただけだったよ」
眼中になかったからでも、相手にしていなかったからでもない。大好きだからこそ、あんなにも腹が立ったのだ。
でも今僕がそれを言ったところで、彼はきっと理解出来ないに違いない。
「ならなんでさっき、僕を助けに戻って来てくれたの? 聖はその人のことが、今でも好きなんだよね?」
「うん、好き。たぶんずっと、忘れられないと思う。……でも同じくらい、太郎のことも好きだし大切なんだ」
その言葉に驚き、思わず息を呑む。
だってこれはいわゆる、精神的な二股宣言だと思うから。それに呆れ、思わず本音が零れた。
「聖……。今すごい最低な発言してる自覚、ある?」
ビクッと彼の肩が、大きく震えた。
「……ある。でもちゃんと君には、伝えておきたかったんだ」
はじめて目にする、情けない表情。だけどそれを前に、愛しさで胸がいっぱいになった。
「けど、それが正解。……それこそ僕が、一番欲しかった言葉だから」
不思議そうに僕を見上げる、柳瀬君の瞳。
それがおかしくて、思わず吹き出した。
「それって、いったい……」
「うーん……。たぶん口で言っても、うまく伝わらないんじゃないかな。だから明日の朝、実際に見てもらうのが一番いいと思う」
しっかりと目線を合わせ、それから彼の唇に口付けを落とした。
「……許してくれるの? こんなにも俺、不誠実な発言してんのに」
「それに関しては、ある意味僕のせいというか。だから、もういいよ。ちゃんと僕のことを、愛してくれるなら。……だから今は謝罪の言葉より、大好きな聖が欲しい。ダメ?」
甘えた声でねだるように聞き、じっと顔を見つめた。
「……ダメじゃない。俺も、太郎が欲しい」
そのままやや乱暴に、床へと押し倒された。
「ごめん、太郎。今日は、全然我慢出来そうにない。シャワーも待ってやれない」
「うん。家で浴びてから来たから、このまましよう?」
お互いの服を脱がせ合いながら、荒々しいキスを交わす。
これまではずっと、これは心の伴わない行為だと自分に言い聞かせてきた。
……だけど、そうじゃなかった。
僕を求める彼の息遣いが、視線が、手の動きが、すべて嬉しくてたまらない。
だから僕も、いつも以上に大胆に柳瀬君を求めた。
僕が上になり、下着を脱がせると、すでに大きく隆起した彼のモノに口付けた。
思いを込めて何度もキスをするたびに、彼の体が小さく震える。
それがあまりにも可愛かったから、夢中でその大きなモノを口に含み、グチュグチュと上下に頭を揺らした。
「太郎……。それ、ヤバいって。もう出るから、口を離して」
だけどその言葉には従うことなく、さらに激しい口淫を続ける。
すると彼は僕の頭を強く押し付けるようにして、そのまま口の中で果てた。
口いっぱいに広がる、雄の匂い。でもそれすらも、僕を興奮させる材料のひとつでしかない。
まだ硬さを保ったままなのを確認するみたいに今度は手でゆっくりとしごきながら、煽るように聞いた。
「まだ、イけるよね?」
家で既にほぐしてから来ていたから、彼のモノをあてがい、そのまま焦らすみたいにゆるゆると腰を動かした。
「当然。太郎のことも、何回だってイかせてやるよ」
ニッと意地悪く、柳瀬君の口角が上がる。
それにゾクゾクしながら僕はにっこりと笑みを返し、そのまま腰を下ろした。
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