暴食の冒険者〜あ、もう少し魔力濃いめで〜

赤井水

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プロローグ

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 2030年、世界のパンデミックは鳴りを潜め貧富の差を拡大し
先進国ですらスラムを出す様になっていた。

グルグルキュ~

「あー……腹減った、しゃーねぇ盗むか」

俺はド田舎の畑の近くの茂みに身を潜め、今回のターゲットを狙う。

最近は、どこに行っても監視カメラがあるしド田舎ですら警戒されていて山に篭っていた。

俺は狙いをつけダッシュし素早く大根を抜いた

パンッ

「!!!?」

俺はびっくりしてダッシュで逃げた。

「こんのぉークソガキッ誰か捕まえろ」

40~50代のおっさんが怒鳴りながら追いかけられる。

「クソっ罠か!」

センサー式の罠で畑に侵入すると音が鳴るのだろう……

俺は大根片手にダッシュで拠点の山へと走っていった。

そんな後ろを振り返り逃げ切れると思ったその時だった。

おっさんの表情が変わった?

「クソガキッ!逃げろ!!」

「は?」

意味がわからんと思った瞬間

ドンッ鈍い音が聴こえたと同時に俺は痛みも体の感覚も消えた。

「あ、え?」


それはゆっくりと見えた。
自分の体が吹き飛んで尚且つ俺を吹き飛ばしたのは2mを超える大きさの熊だった。

もう1つ残酷な情報が俺の視界には入っていた。

熊が見えた目の前に居たのは首が無い大根を持った子供の体がゆっくりと倒れかけていたからだった。

あー死んだのか?もう少し生きたかったなぁ……
腹いっぱい飯食いたかった。


俺が意識出来たのはここまでだった。




俺は目が覚めた。え?目が覚めた?

体を見ると多少透けていたと同時に恐怖感や孤独感に苛まれ体育座りでガタガタと震え泣いていた。

怖かった、一瞬の出来事とは言えめちゃくちゃ怖かった。


そんな時だった
誰かが頭を撫でて抱き締めてくれていた。

顔をそちらに向けると、凄く綺麗な金髪のお姉さんが微笑みながら俺の頭を撫でてくれていた。

ビクリと肩を跳ねあげるとお姉さんはクスクスと笑っていた。

『初めまして、私はーーー。あら?聴こえない?むー君は神様を信じてないのね……なら女神で良いです』

紙?あ、神様ね、そんな迷信……いや目の前に居るなら迷信では無いのか
そして口動いてないのに何でこの人喋れるんだろうか?神様だからか。

『貴方が泣いている間に少し調べさせて貰いました。貴方の運命が少し、いやかなり捻じ曲げられていました。本来なら有り得ない事なのです。貧困に喘ぐとは言え子供が山で隠れ住むなんて貴方の居た国では有り得ない所業なのです。貴方に1つ提案と言うよりお詫びの為私が管理する世界に来ませんか?』

俺は難しい話は分からなかった。
何故山に居たか?盗みを働いていたかって?
親に山に捨てられたからだ。

そして何故か誰も助けてはくれず煙たがられ酷い時は石を投げれた。

前にニュースで見た何か暮らせない人用のルール?があると役所に行ったが門前払いをくらった。
警察にも行ったけどイタズラ扱いにされてしまったのだ。

何故なら……俺ってこの国に戸籍が無かったのであった。
どの辺に住んでたといくら言っても戸籍が無いと跳ね除けられたのであった。

何となく分かってはいた。
学校に憧れてはいても通えず、放置されていたのだから。

それが13歳の夏の日だった。
そこから半年で俺は山を3つ越え狩猟と盗みを繰り返していた。

昔見たアニメの人を襲わない盗賊だった。
悪は悪だったろうな。

「それって行かないと俺どうなる?」

久々に会話してちょっとテンパっていた。
女神は微笑みながら一言告げた。

『魂が消滅します、貴方はどこかの神か悪魔かに魅入られ運命を捻じ曲げられました。つまり魂に何らかの力を加えられてしまいました。そのまま放置する事は難しいのです』

ちょっと悲しそうな表情をする女神のお姉さん。

『なので、私の管理する世界へ招待しようと思いました』

「その世界はお腹いっぱい食べれますか?」

その質問に一瞬苦悶の表情を見せたが、すぐに微笑み頷いた。

「なら行く」

『ありがとうございます。最後に……貴方は何を望み何を欲しますか?あ、この記憶は死ぬまで忘れます。気にせず答えて頂ければ良いですし私の方でも心が読めるので勝手に設定出来ます。今回は贖罪と言う形なので貴方にはそのまま5歳の時に前世を思い出す様な形にします』

「俺は……俺は〇〇と〇〇〇〇が欲しい」

『ふふふっ、貴方らしい答えになりますね』

そう言うと、俺の体が光だした

『では準備が出来た様です。「あ?俺どんな世界に行くんだろ?」え?あ!ちょっ!待ってぇぇ』

最後の最後にポンコツ具合を発揮する女神であった。

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