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短編集
エラーと呼ばれた男
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ーードカバキゴンッバタン
「はぁー本当に弱いよなぁ10歳に負けるってどんな気分ねぇ?エラー君ねぇ?」
周りから大爆笑する声が聞こえる。
俺は悔しくて立ち上がる。
「まだだ。まだいける」
「はぁーー?さっさと寝とけよくそエラーが!」
ーードカバキバコーンバタンッ
「「「「ギャハハハハハハハー」」」」
「稽古料は貰ってくぞー雑魚エラー10歳にカツアゲされる15歳とか情けねえーアーハハッハー」
「うぅぅ……クソ毎回折る事ないじゃないか」
この世界は理不尽だ。
努力が身を結び、才能が開花する。
その努力は 正しい手順で努力しなければ経験値を得られない。
俺の初期職業は剣士、そうありふれた剣士。
正しい手順で経験値を得る方法は研究し尽くされており本来なら5年もあれば2次職に転職出来るはずだった。
しかし、世界には正規の手順を行っても経験値が得られない人が居る。
エラーつまり俺の事だ。
「グーフィス君!大丈夫ですか?今治しますね。《大いなる癒しを ヒール》」
俺の体が光に包まれる。
「ありがとうステラ助かったよ」
この子はステラ幼なじみだ。
一緒に冒険者になったのだが……
「おーい、ステラ!エラー野郎にお前の大事な大事な魔力なんて勿体ないから早く来いよ!」
ビクッ!ステラの肩が跳ねる
「ステラありがとう。早く行った方が良い。
俺と関わってステラの評価が下がる方が心配だ」
「え?うん……グーフィス君無茶しないでね?」
「あぁ、わかった」
ステラは赤い髪のお下げを揺らしながら走って行った。
ステラとは最初にパーティーを組んでいたがエラーである事が発覚し。
冒険者ギルドが俺にどんどん冤罪をかけて素行不良冒険者と断定しパーティーは強制的に解消された。
それでも諦めなかったステラと俺達に個別に冒険者ギルドは条件を出した。
ステラ側
パーティーを解消しないとグーフィスを冒険者ギルドから除名再登録禁止処分にする。
再度パーティーを組める条件はステラがBランク冒険者になるかグーフィスが条件を乗り越えられるか。
グーフィス側
職業レベルを上げる事。
最低限の戦力を保有する事(奴隷は禁止)
だった。
ステラは見目麗しい治癒魔法使いだった為。
パーティーのスポット参戦で大人気だ。
スポット参戦でステラに暴行や犯罪を犯した場合極刑にされる。
監視用魔道具や防御用避難用魔道具も貸与されている。
人気があるという事はギルドにとっても美味しい稼ぎ子な訳だ。
という事で人間からの悪意や害意からは護られている。
しかしスポット参戦にもデメリットはある。
ギルドが良条件で尚且つ少しリスクを減らした依頼しか回さない。
つまり冒険者ランクが上がりにくいのだ。
冒険者ランクとはFは初心者や試用期間で
そこからE~Sと駆け上がる事に依頼の難易度や報酬金額が上がって行く。
ステラはDランクで俺はエラーの為Fランクだ。
史上最弱の冒険者とよく揶揄される。
因みに先程ボコボコにされていたのも、Fランク依頼の子供の遊び相手になって欲しいという訳だ。
財布はカツアゲされケガはさせられる。
毎回赤字だ。
わかっているこれはギルドの嫌がらせだと。
あの子供達はギルド職員の子供が多い。
1ヶ月に1回で断れない。
断ろうとすると他の依頼を受けさせてくれないのだ。
「クソっ。だが、ステラのおかげで赤字は免れた」
毎度毎度、カツアゲされるんだ対策位考えるさ。
俺は悔しさを胸に立ち上がり、ギルドに依頼達成の報告に向かう事にした。
◇
冒険者ギルドの扉を開け、入ると早速小馬鹿にされる。
「10歳に負けてカツアゲされる最弱冒険者のグーフィス君じゃーん。惨めだから死ねよ?」
「「「「ギャハハハハハハハ」」」」
いつもこれだ。
完全に無視を決め受付に向かうと
「ちっ、だるいなぁ~」
何て嫌味言われるのは当たり前だ挨拶かな?って位慣れている。
俺はそれを無視して告げる
「依頼達成の報告に来た。報酬を」
書類を受け取り適当に見て銅貨1枚を机に無造作に放り投げた。
銅貨1枚でパン1つ位だ。
「は?報酬は銅貨5枚じゃ?」
「は~?依頼主から苦情来たんですよ~?
報酬があるだけマシだと思ってくださいね~ちっ、はい、次の方」
俺はもう心が折れかかっていた。
ギルドから出て街へ歩き出す。
こんな時は……
「あれま?グー坊どうしたんだい?」
薬草屋のチヨばぁに癒されに行く。
チヨばぁはこの街に来て最初に良くしてくれて俺がエラーとわかっても優しくしてくれた。
素晴らしい人だ。
ギルドでの事、依頼の事を話した。
いつもここに来ると自分が情けなくて泣いてしまう。
心の拠り所なのだ。
「んま~最近の若い子は!職業レベルが全てじゃないのにねぇ。
今の子達は心·技·体のうち技と体しか無いのかねぇ」
何て不思議な事を言ってくる。
チヨばぁの話によると職業とは心の願望や夢がそのまま類似の職業に分類され
2次職3次職になるにつれて心の願望の最適化されるらしい。
3次職になると多種多様の職業が現れるのはその為らしい。
「グー坊!それじゃあ今日の分だよほれ」
俺はチヨばぁから今日の生活費を貰う
「いつも預かって貰ってごめんね」
そう、対策とはチヨばぁにお金を預かって貰って毎日受け取りに来るというものだった。
決して集っている放蕩孫と祖母の関係では無い。
実は、常設依頼の薬草を持ち帰ってもあれこれ理由を作られ適正価格で買い取って貰えず
相談した時に明らかに対応がおかしいのでチヨばぁのお店で薬草買取と代金の貯金をお願いしたのだ。
なので最低限度の値段で薬草を買い取ってくれないのであればギルドには本当に最低限度の薬草しか納入しない様にしているのだ。
俺はチヨばぁのおかげで何とかこの街に居られる事が出来ており大変感謝していたのであった。
そんな時にふと、チヨばぁの仕草が気になった。
しきりに手を摩っているのである。
「ん?チヨばぁどうしたの?風邪ひいた?寒いの?」
俺はすぐに心配になり聞いてみた。
すると、チヨばぁは驚きつつもコロコロと笑い出し
「いんや、違うよ。体の魔力がおかしくてねぇ。
こういう時は良くない事が起きるからさっさとご飯食べて帰りな?グー坊」
チヨばぁは昔、高名な魔法使いだったという。
そのチヨばぁが良くない事と断言したので。
「わかったよ!んじゃまた明日来るからじゃーねー!」
俺は手を振りながら店を出て。
何時もの屋台で飯を買い、1人がギリギリ寝れる程度の部屋を貸している安宿に泊まった。
◇
朝は、いつもの屋台が休みだったので良い匂いがする屋台へと向かうが箸を使う屋台だった為、夕方まだあれば買う事を誓う。
俺は、人前で箸を扱う事が出来ないのだ。
理由は左利きだからである。
この世界では多くの人と逆の事をやる人は屍人であり忌避される。
屍人とは都市伝説の様な物で彼らは鏡の中からこちらの世界にやって来るという。
その為、人々と逆の行動をするという。
そんな話が古くからずっと残り、飲食店や人前で左手を扱い飯を食べると良くて出禁。
酷いと食べてる最中に追い出された上に2倍の値段と塩をぶっかけられる。
右手を扱いスプーンで食べる事も一応出来るが不器用らしくポロポロと落としてしまい。
テーブルマナーが悪いと怒られてしまって嫌な顔をされるのが煩わしいのだ。
なので俺は、人前で食べ物を食べる時は必ず手で食べれる物しか食べない。
やっとお目当ての屋台を探し購入して食べながらギルドへと向かう。
朝早くに行くと絡まれる為、少し時間をズラして行く。
扉を開き適当に依頼書を見てFランクが受けるような緊急性の雑用がない事を確認したら。
薬草採取の常設依頼を遂行する為にダンジョンへと向かう。
ダンジョン。
ーーそれは誰が作ったとか、神だ、邪神だ、星だの
ーー色々言われているが未だに誰も知りえない存在だ。
大量の魔素を保有し魔物や資源を量産する場所である。
俺の蒙昧な見解ではこの世界の何かしらの存在が作った多重世界なのでは無いか?と。
ダンジョンは外から見ると洞穴や竪穴。
塔の形と色々な外見がある。
そして入口に入ると別世界の如く広いのだ。
人間を誘い入れて力を蓄えている、そしてそれが最終段階に入るとダンジョン崩壊が起きて魔物が外に顕現出来るのだ。
魔物が外に出る事例は2つ。
スタンピードかダンジョン崩壊だ。
スタンピードはここにダンジョンがありますよーという告知に見えてならないのだ。
ダンジョン崩壊はこの世界からの独立に際して祭りの始まりに見えるのだ。
多分ダンジョンの主と人間の知恵比べをしているのでは? とどうしても思ってしまうのだ。
その世界を後々、管理するダンジョンマスターが人間を管理出来るかの試練なのではないか? と思ってしまうが。
そんな物は冒険者でもSランクの人達が踏み入れる領域なんだろうと思う。
最低最弱の冒険者の俺は小規模ダンジョンで細々とどうしたら職業レベルが上がるのかを考察しなければならないのだから。
努力と才覚が必要な状況なのだ。
世界初の職業はユニーク職業と言うがこのユニーク職業は初期職業で既に3次職なのだと言う。
その代わり何が経験値になるのかは手探りである。
2・3次職で世界初の職業に就いた者は先駆者と呼ばれる。
エラーはある意味最弱のありふれた職業で先駆者と同じ事をしないといけないのだ。
100mを走るのにユニーク職業は平坦な道、先駆者達は多少起伏のある土地。
エラーは崖を100m走れと言われている様な物だ。
但しエラーは超えれば破格の職業を得れるともずっと客観的希望を言われている。
大概、死ぬかいつの間にか居なくなっているのがエラーだ。
エラーは崖を超えても多分周りに言う人も居ないのだろう。
この待遇で尚且つ邪険にいつもされているのだから。
そんな事を考えていると小規模ダンジョン群に着いた。
ここはF~Dランク冒険者の狩場だ。
入口の脇に立て札が立っており白・青・黄色に別れており
それぞれ白がFで黄色がDランクって事だ。
冒険者の中には字が読めない人も多い為この様な仕様になっている。
立て札のないダンジョンは調査中か、新規で出来たばかりのダンジョンだ。
俺は白の立て札の入口付近を見て、地面を探る。
誰かが立ち入った様子も無い為ここに入る事を決めた。
すぐに水を軽くまき、足跡をわざと4人分付ける。
こうする事によってダンジョン探索中を誇示し、人数を見せかける事によって
ソロで入ってる事を悟らせずに襲撃の対象にならない様に策を練るのだ。
これはチヨばぁに教えて貰った技術だった。
新人潰しや手柄の横取りを防ぐ為でもあった。
「よし、装備確認と道具確認もOKダンジョンに潜ろう」
俺は背嚢を背負いダンジョンへと向かうのであった。
グーフィスはこの後ダンジョンに入り初めて自分だけの経験値の入手法を得る事になる。
努力とルート開拓さえ出来れば積み重ねが物を言う世界に降り立つ不屈の子はどうなる野であろうか。
「はぁー本当に弱いよなぁ10歳に負けるってどんな気分ねぇ?エラー君ねぇ?」
周りから大爆笑する声が聞こえる。
俺は悔しくて立ち上がる。
「まだだ。まだいける」
「はぁーー?さっさと寝とけよくそエラーが!」
ーードカバキバコーンバタンッ
「「「「ギャハハハハハハハー」」」」
「稽古料は貰ってくぞー雑魚エラー10歳にカツアゲされる15歳とか情けねえーアーハハッハー」
「うぅぅ……クソ毎回折る事ないじゃないか」
この世界は理不尽だ。
努力が身を結び、才能が開花する。
その努力は 正しい手順で努力しなければ経験値を得られない。
俺の初期職業は剣士、そうありふれた剣士。
正しい手順で経験値を得る方法は研究し尽くされており本来なら5年もあれば2次職に転職出来るはずだった。
しかし、世界には正規の手順を行っても経験値が得られない人が居る。
エラーつまり俺の事だ。
「グーフィス君!大丈夫ですか?今治しますね。《大いなる癒しを ヒール》」
俺の体が光に包まれる。
「ありがとうステラ助かったよ」
この子はステラ幼なじみだ。
一緒に冒険者になったのだが……
「おーい、ステラ!エラー野郎にお前の大事な大事な魔力なんて勿体ないから早く来いよ!」
ビクッ!ステラの肩が跳ねる
「ステラありがとう。早く行った方が良い。
俺と関わってステラの評価が下がる方が心配だ」
「え?うん……グーフィス君無茶しないでね?」
「あぁ、わかった」
ステラは赤い髪のお下げを揺らしながら走って行った。
ステラとは最初にパーティーを組んでいたがエラーである事が発覚し。
冒険者ギルドが俺にどんどん冤罪をかけて素行不良冒険者と断定しパーティーは強制的に解消された。
それでも諦めなかったステラと俺達に個別に冒険者ギルドは条件を出した。
ステラ側
パーティーを解消しないとグーフィスを冒険者ギルドから除名再登録禁止処分にする。
再度パーティーを組める条件はステラがBランク冒険者になるかグーフィスが条件を乗り越えられるか。
グーフィス側
職業レベルを上げる事。
最低限の戦力を保有する事(奴隷は禁止)
だった。
ステラは見目麗しい治癒魔法使いだった為。
パーティーのスポット参戦で大人気だ。
スポット参戦でステラに暴行や犯罪を犯した場合極刑にされる。
監視用魔道具や防御用避難用魔道具も貸与されている。
人気があるという事はギルドにとっても美味しい稼ぎ子な訳だ。
という事で人間からの悪意や害意からは護られている。
しかしスポット参戦にもデメリットはある。
ギルドが良条件で尚且つ少しリスクを減らした依頼しか回さない。
つまり冒険者ランクが上がりにくいのだ。
冒険者ランクとはFは初心者や試用期間で
そこからE~Sと駆け上がる事に依頼の難易度や報酬金額が上がって行く。
ステラはDランクで俺はエラーの為Fランクだ。
史上最弱の冒険者とよく揶揄される。
因みに先程ボコボコにされていたのも、Fランク依頼の子供の遊び相手になって欲しいという訳だ。
財布はカツアゲされケガはさせられる。
毎回赤字だ。
わかっているこれはギルドの嫌がらせだと。
あの子供達はギルド職員の子供が多い。
1ヶ月に1回で断れない。
断ろうとすると他の依頼を受けさせてくれないのだ。
「クソっ。だが、ステラのおかげで赤字は免れた」
毎度毎度、カツアゲされるんだ対策位考えるさ。
俺は悔しさを胸に立ち上がり、ギルドに依頼達成の報告に向かう事にした。
◇
冒険者ギルドの扉を開け、入ると早速小馬鹿にされる。
「10歳に負けてカツアゲされる最弱冒険者のグーフィス君じゃーん。惨めだから死ねよ?」
「「「「ギャハハハハハハハ」」」」
いつもこれだ。
完全に無視を決め受付に向かうと
「ちっ、だるいなぁ~」
何て嫌味言われるのは当たり前だ挨拶かな?って位慣れている。
俺はそれを無視して告げる
「依頼達成の報告に来た。報酬を」
書類を受け取り適当に見て銅貨1枚を机に無造作に放り投げた。
銅貨1枚でパン1つ位だ。
「は?報酬は銅貨5枚じゃ?」
「は~?依頼主から苦情来たんですよ~?
報酬があるだけマシだと思ってくださいね~ちっ、はい、次の方」
俺はもう心が折れかかっていた。
ギルドから出て街へ歩き出す。
こんな時は……
「あれま?グー坊どうしたんだい?」
薬草屋のチヨばぁに癒されに行く。
チヨばぁはこの街に来て最初に良くしてくれて俺がエラーとわかっても優しくしてくれた。
素晴らしい人だ。
ギルドでの事、依頼の事を話した。
いつもここに来ると自分が情けなくて泣いてしまう。
心の拠り所なのだ。
「んま~最近の若い子は!職業レベルが全てじゃないのにねぇ。
今の子達は心·技·体のうち技と体しか無いのかねぇ」
何て不思議な事を言ってくる。
チヨばぁの話によると職業とは心の願望や夢がそのまま類似の職業に分類され
2次職3次職になるにつれて心の願望の最適化されるらしい。
3次職になると多種多様の職業が現れるのはその為らしい。
「グー坊!それじゃあ今日の分だよほれ」
俺はチヨばぁから今日の生活費を貰う
「いつも預かって貰ってごめんね」
そう、対策とはチヨばぁにお金を預かって貰って毎日受け取りに来るというものだった。
決して集っている放蕩孫と祖母の関係では無い。
実は、常設依頼の薬草を持ち帰ってもあれこれ理由を作られ適正価格で買い取って貰えず
相談した時に明らかに対応がおかしいのでチヨばぁのお店で薬草買取と代金の貯金をお願いしたのだ。
なので最低限度の値段で薬草を買い取ってくれないのであればギルドには本当に最低限度の薬草しか納入しない様にしているのだ。
俺はチヨばぁのおかげで何とかこの街に居られる事が出来ており大変感謝していたのであった。
そんな時にふと、チヨばぁの仕草が気になった。
しきりに手を摩っているのである。
「ん?チヨばぁどうしたの?風邪ひいた?寒いの?」
俺はすぐに心配になり聞いてみた。
すると、チヨばぁは驚きつつもコロコロと笑い出し
「いんや、違うよ。体の魔力がおかしくてねぇ。
こういう時は良くない事が起きるからさっさとご飯食べて帰りな?グー坊」
チヨばぁは昔、高名な魔法使いだったという。
そのチヨばぁが良くない事と断言したので。
「わかったよ!んじゃまた明日来るからじゃーねー!」
俺は手を振りながら店を出て。
何時もの屋台で飯を買い、1人がギリギリ寝れる程度の部屋を貸している安宿に泊まった。
◇
朝は、いつもの屋台が休みだったので良い匂いがする屋台へと向かうが箸を使う屋台だった為、夕方まだあれば買う事を誓う。
俺は、人前で箸を扱う事が出来ないのだ。
理由は左利きだからである。
この世界では多くの人と逆の事をやる人は屍人であり忌避される。
屍人とは都市伝説の様な物で彼らは鏡の中からこちらの世界にやって来るという。
その為、人々と逆の行動をするという。
そんな話が古くからずっと残り、飲食店や人前で左手を扱い飯を食べると良くて出禁。
酷いと食べてる最中に追い出された上に2倍の値段と塩をぶっかけられる。
右手を扱いスプーンで食べる事も一応出来るが不器用らしくポロポロと落としてしまい。
テーブルマナーが悪いと怒られてしまって嫌な顔をされるのが煩わしいのだ。
なので俺は、人前で食べ物を食べる時は必ず手で食べれる物しか食べない。
やっとお目当ての屋台を探し購入して食べながらギルドへと向かう。
朝早くに行くと絡まれる為、少し時間をズラして行く。
扉を開き適当に依頼書を見てFランクが受けるような緊急性の雑用がない事を確認したら。
薬草採取の常設依頼を遂行する為にダンジョンへと向かう。
ダンジョン。
ーーそれは誰が作ったとか、神だ、邪神だ、星だの
ーー色々言われているが未だに誰も知りえない存在だ。
大量の魔素を保有し魔物や資源を量産する場所である。
俺の蒙昧な見解ではこの世界の何かしらの存在が作った多重世界なのでは無いか?と。
ダンジョンは外から見ると洞穴や竪穴。
塔の形と色々な外見がある。
そして入口に入ると別世界の如く広いのだ。
人間を誘い入れて力を蓄えている、そしてそれが最終段階に入るとダンジョン崩壊が起きて魔物が外に顕現出来るのだ。
魔物が外に出る事例は2つ。
スタンピードかダンジョン崩壊だ。
スタンピードはここにダンジョンがありますよーという告知に見えてならないのだ。
ダンジョン崩壊はこの世界からの独立に際して祭りの始まりに見えるのだ。
多分ダンジョンの主と人間の知恵比べをしているのでは? とどうしても思ってしまうのだ。
その世界を後々、管理するダンジョンマスターが人間を管理出来るかの試練なのではないか? と思ってしまうが。
そんな物は冒険者でもSランクの人達が踏み入れる領域なんだろうと思う。
最低最弱の冒険者の俺は小規模ダンジョンで細々とどうしたら職業レベルが上がるのかを考察しなければならないのだから。
努力と才覚が必要な状況なのだ。
世界初の職業はユニーク職業と言うがこのユニーク職業は初期職業で既に3次職なのだと言う。
その代わり何が経験値になるのかは手探りである。
2・3次職で世界初の職業に就いた者は先駆者と呼ばれる。
エラーはある意味最弱のありふれた職業で先駆者と同じ事をしないといけないのだ。
100mを走るのにユニーク職業は平坦な道、先駆者達は多少起伏のある土地。
エラーは崖を100m走れと言われている様な物だ。
但しエラーは超えれば破格の職業を得れるともずっと客観的希望を言われている。
大概、死ぬかいつの間にか居なくなっているのがエラーだ。
エラーは崖を超えても多分周りに言う人も居ないのだろう。
この待遇で尚且つ邪険にいつもされているのだから。
そんな事を考えていると小規模ダンジョン群に着いた。
ここはF~Dランク冒険者の狩場だ。
入口の脇に立て札が立っており白・青・黄色に別れており
それぞれ白がFで黄色がDランクって事だ。
冒険者の中には字が読めない人も多い為この様な仕様になっている。
立て札のないダンジョンは調査中か、新規で出来たばかりのダンジョンだ。
俺は白の立て札の入口付近を見て、地面を探る。
誰かが立ち入った様子も無い為ここに入る事を決めた。
すぐに水を軽くまき、足跡をわざと4人分付ける。
こうする事によってダンジョン探索中を誇示し、人数を見せかける事によって
ソロで入ってる事を悟らせずに襲撃の対象にならない様に策を練るのだ。
これはチヨばぁに教えて貰った技術だった。
新人潰しや手柄の横取りを防ぐ為でもあった。
「よし、装備確認と道具確認もOKダンジョンに潜ろう」
俺は背嚢を背負いダンジョンへと向かうのであった。
グーフィスはこの後ダンジョンに入り初めて自分だけの経験値の入手法を得る事になる。
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