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4.迷宮都市ルグランジ(再び)
4-17.勇者の家にて
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「カロリーナちゃん、よく来たね!」
勇者の第一声だけでさぶいぼが出来ていた。
ここに来た理由は、勇者の魂胆と実力を知る為。
懸賞金までかけるくらいだ、もうどこに逃げてもダメなんだろう。
そして、俺の食堂の子達にいらぬちょっかいを掛けさせないようにする為だ。
「それで勇者様、懸賞金のお代を」
「そうだったな、持って行け」
ギルド長、もといゲルドが催促して、お金を受け取った。
中身を確認すると、確かにと言って袋を腰にぶら下げた。
そのお金は俺とゲルドで7:3で分けると言う話にしているから、俺の懐も温まる寸法だ。
ゲルドはそれでは、と言って退出する。
ギルド長とバレない内に退散した訳だ。
部屋には俺と勇者だけ。
最早ここから全力で逃げたい気持ちを押し殺し、店員の為に戦う事を決めたんだ。
「カロリーナちゃん」
「何でしょう」
俺は勇者の顎先を見る様にしていた。
魅了スキルというのは、目と目が合う必要があるからだ。
そこで顎先を見ていれば、相手はなんとなく目線が有っている様に感じるそうだ。
これは面接の時に緊張して相手の目を直視できない時のテクニックだ。
そして、勇者の方から何らかのスキルが使われた魔力を感じた。
今、まさに魅了を発動しているのだろう。
ここは一つ、魅了にかかった振りでもしとくか。
てか、魅了にかかったらどんな風になるんだ?
「俺と一緒に居てくれるかい」
「それはどういう意味でしょうか」
「俺は君を妻として迎えたい、君を愛しているんだ」
「まだ規定の年齢に達していないので結婚は出来ません」
ロリコンかよ!っと心の中でこっ酷くなじった。
この国じゃ10歳はまだまだ結婚できんぞ!
どういう神経をしているんだ。
ここまでの事をしでかして、見た目8歳程度の子供を手篭めにしたいのか?
それなら、そこらに居る孤児でいいじゃないか!
変なのはそれだけじゃない。
コイツの周りにいる女は、揃いも揃って胸が大きい。
所謂、大人の女性という奴だ。
だったら俺は守備範囲外の筈だろ?
「私は勇者様がどのような方か存じません、どれくらいお強いのでしょうか」
「そうだな、ここの地下迷宮なら、もうクリアしたも同然という程度には強い」
「ではそれを実証して見せてくれませんか?」
「ああ、それは今度な、今は俺の事を知ってほしいんだ」
今度っていつだよ。
「勇者様の何を知ればいいのでしょう」
「先ずは一緒に食事をしよう」
「お金はあるのでしょうか、わたくし、少々舌が肥えておりますので」
一応公爵令嬢だからな、あながち間違えてはないだろう。
平民の飯を食えないなんてのも通るだろう。
現実は全くそんな事はない。
「そ、そうだね、じゃあこの町で一番高い店に行こうじゃないか」
「楽しみですわ」
この町で一番高い店というと、市長が直営している店だ。
馬鹿高いだけで、サービスは下の下、料理も下の中という噂だ。
ちなみに、リーナ食堂はサービスも料理も上の下と言ったところだ。
実のところ、今のドレス姿。
この町では殆ど見せていないせいか、俺だと気づいてる奴は限られていた。
ギルドで騒めいたのも、どうやらドレスが場違いなせいらしい。
それで、誰一人として冒険者の俺という認識ではなく、どこかの貴族と思われている様だ。
まぁ、間違えではない。
店に入ると、店員が「しゃーしゃっせー」なんて意味不明な言葉を使ってくる。
ここは外国か?と聞き返したくなる。
勇者は店員に小声でひそひそと話しかけた。
ここの料金はコースなら1ゴールドもする。
普通に考えて客が付く訳がない。
ところが、勇者の奴、コースを注文しやがった。
どこからその金が湧いて来るんだと吐かせたくて仕方がない。
「ここのコースは美味しいのでしょうか」
「ああ、俺の行きつけの店だ、存分に食ってくれ」
「楽しみですわね」
最初に出て来たのは、肉料理。いきなり感が凄まじい。
一般的に前菜は軽めで食欲を増加させる物が出てくる。
それなのに、コッテリした味付けの肉に裏が焦げている目玉焼きが乗っていた。
最早嫌がらせなのか、それともこれがメインなのかと聞きたくなる。
「この目玉焼きのアイデアは俺が出したんだぜ」
「へぇ・・・」
もう、見た目だけでお腹いっぱいだ。
コメントする気も失せる。
ナイフで一口サイズに切り分け、口に入れるが見た目通り、脂身が多く、味が濃い、ぬっとりとした食感に俺の舌は拒絶感を露わにした。
どれだけ安い肉を使っているのだろうか、いや保存状態が悪いだけかもしれん。
次に出て来たのはスープ。
コーンポタージュの様だが、これがまた薄い!
貧乏貴族でもこんな物飲まんぞってレベルに薄い。
妻が食べたら、食卓をひっくり返すレベルだ。
ちなみに、嫁の元居た国では、不味い料理が出たら食卓をひっくり返すのがマナーだそうだ。
それで、次に出て来たのはまた肉料理。
同じ物出すなよと思いながら殺意を覚える。
流石にかなり気持ち悪くなってきた。
尚、勇者は喜んで食べている。
つぎにデザート。スプーン1杯分の駄菓子。
ザラメの甘さが際立つ、干し肉……。
本当にデザートか?普通に不味いのだが?
そして肉料理。もうやめろよ。
再びデザートで干し肉のザラメまぶし。
最後に水が出て来た。
なんで水?
*
「ここ、潰しましょう、料理店として失格です」
「なんでだ、美味しかっただろ!?」
「これを料理というのも烏滸がましい。勇者様はこれで良いというのですか?付き合い切れません」
「じゃあどんな料理なら良いと言うんだよ」
「それをわたくしから聞いてどうなさいますの?次にこんな不味い店に連れてきたら暴れますわ」
「ぐぬぬ、まぁいい、一度俺の家に来い」
「……」
勇者はそう言うと料金も払わずに店を出た。無料飲食では?
勇者の第一声だけでさぶいぼが出来ていた。
ここに来た理由は、勇者の魂胆と実力を知る為。
懸賞金までかけるくらいだ、もうどこに逃げてもダメなんだろう。
そして、俺の食堂の子達にいらぬちょっかいを掛けさせないようにする為だ。
「それで勇者様、懸賞金のお代を」
「そうだったな、持って行け」
ギルド長、もといゲルドが催促して、お金を受け取った。
中身を確認すると、確かにと言って袋を腰にぶら下げた。
そのお金は俺とゲルドで7:3で分けると言う話にしているから、俺の懐も温まる寸法だ。
ゲルドはそれでは、と言って退出する。
ギルド長とバレない内に退散した訳だ。
部屋には俺と勇者だけ。
最早ここから全力で逃げたい気持ちを押し殺し、店員の為に戦う事を決めたんだ。
「カロリーナちゃん」
「何でしょう」
俺は勇者の顎先を見る様にしていた。
魅了スキルというのは、目と目が合う必要があるからだ。
そこで顎先を見ていれば、相手はなんとなく目線が有っている様に感じるそうだ。
これは面接の時に緊張して相手の目を直視できない時のテクニックだ。
そして、勇者の方から何らかのスキルが使われた魔力を感じた。
今、まさに魅了を発動しているのだろう。
ここは一つ、魅了にかかった振りでもしとくか。
てか、魅了にかかったらどんな風になるんだ?
「俺と一緒に居てくれるかい」
「それはどういう意味でしょうか」
「俺は君を妻として迎えたい、君を愛しているんだ」
「まだ規定の年齢に達していないので結婚は出来ません」
ロリコンかよ!っと心の中でこっ酷くなじった。
この国じゃ10歳はまだまだ結婚できんぞ!
どういう神経をしているんだ。
ここまでの事をしでかして、見た目8歳程度の子供を手篭めにしたいのか?
それなら、そこらに居る孤児でいいじゃないか!
変なのはそれだけじゃない。
コイツの周りにいる女は、揃いも揃って胸が大きい。
所謂、大人の女性という奴だ。
だったら俺は守備範囲外の筈だろ?
「私は勇者様がどのような方か存じません、どれくらいお強いのでしょうか」
「そうだな、ここの地下迷宮なら、もうクリアしたも同然という程度には強い」
「ではそれを実証して見せてくれませんか?」
「ああ、それは今度な、今は俺の事を知ってほしいんだ」
今度っていつだよ。
「勇者様の何を知ればいいのでしょう」
「先ずは一緒に食事をしよう」
「お金はあるのでしょうか、わたくし、少々舌が肥えておりますので」
一応公爵令嬢だからな、あながち間違えてはないだろう。
平民の飯を食えないなんてのも通るだろう。
現実は全くそんな事はない。
「そ、そうだね、じゃあこの町で一番高い店に行こうじゃないか」
「楽しみですわ」
この町で一番高い店というと、市長が直営している店だ。
馬鹿高いだけで、サービスは下の下、料理も下の中という噂だ。
ちなみに、リーナ食堂はサービスも料理も上の下と言ったところだ。
実のところ、今のドレス姿。
この町では殆ど見せていないせいか、俺だと気づいてる奴は限られていた。
ギルドで騒めいたのも、どうやらドレスが場違いなせいらしい。
それで、誰一人として冒険者の俺という認識ではなく、どこかの貴族と思われている様だ。
まぁ、間違えではない。
店に入ると、店員が「しゃーしゃっせー」なんて意味不明な言葉を使ってくる。
ここは外国か?と聞き返したくなる。
勇者は店員に小声でひそひそと話しかけた。
ここの料金はコースなら1ゴールドもする。
普通に考えて客が付く訳がない。
ところが、勇者の奴、コースを注文しやがった。
どこからその金が湧いて来るんだと吐かせたくて仕方がない。
「ここのコースは美味しいのでしょうか」
「ああ、俺の行きつけの店だ、存分に食ってくれ」
「楽しみですわね」
最初に出て来たのは、肉料理。いきなり感が凄まじい。
一般的に前菜は軽めで食欲を増加させる物が出てくる。
それなのに、コッテリした味付けの肉に裏が焦げている目玉焼きが乗っていた。
最早嫌がらせなのか、それともこれがメインなのかと聞きたくなる。
「この目玉焼きのアイデアは俺が出したんだぜ」
「へぇ・・・」
もう、見た目だけでお腹いっぱいだ。
コメントする気も失せる。
ナイフで一口サイズに切り分け、口に入れるが見た目通り、脂身が多く、味が濃い、ぬっとりとした食感に俺の舌は拒絶感を露わにした。
どれだけ安い肉を使っているのだろうか、いや保存状態が悪いだけかもしれん。
次に出て来たのはスープ。
コーンポタージュの様だが、これがまた薄い!
貧乏貴族でもこんな物飲まんぞってレベルに薄い。
妻が食べたら、食卓をひっくり返すレベルだ。
ちなみに、嫁の元居た国では、不味い料理が出たら食卓をひっくり返すのがマナーだそうだ。
それで、次に出て来たのはまた肉料理。
同じ物出すなよと思いながら殺意を覚える。
流石にかなり気持ち悪くなってきた。
尚、勇者は喜んで食べている。
つぎにデザート。スプーン1杯分の駄菓子。
ザラメの甘さが際立つ、干し肉……。
本当にデザートか?普通に不味いのだが?
そして肉料理。もうやめろよ。
再びデザートで干し肉のザラメまぶし。
最後に水が出て来た。
なんで水?
*
「ここ、潰しましょう、料理店として失格です」
「なんでだ、美味しかっただろ!?」
「これを料理というのも烏滸がましい。勇者様はこれで良いというのですか?付き合い切れません」
「じゃあどんな料理なら良いと言うんだよ」
「それをわたくしから聞いてどうなさいますの?次にこんな不味い店に連れてきたら暴れますわ」
「ぐぬぬ、まぁいい、一度俺の家に来い」
「……」
勇者はそう言うと料金も払わずに店を出た。無料飲食では?
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