ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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5.モルバーン学園(一年生編)

5-30.ラミレス王国王都にて

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 正直、バーランド王国の連中には呆れてものが言えない。
 婚約式からの一カ月間、貴族の面会が相次いだ。
 それはオルドリッジ様に媚びを売りたい一心なのだろう。
 造船所の工事の一部でも受注したいとか、個人的に戦列艦を保持したいとか様々な申し出があった。
 それこそ、学業に影響する程ひっきりなしで、ノイローゼになるかと思う程だ。

 しかし、オルドリッジ様の顔に泥を塗る訳にも行かず、丁寧に対応する様にした。
 夜会に呼ばれれば淑女を振る舞い、娘と引き合わされ仲良くしてほしいと言われれば会って話し合った。
 中には、側室にと娘を差し出すヤツまでいたが、それはオルドリッジ様が不快感を見せたので撤回していた。
 そんな状況から逃げる様にラミレス王国に移動した。
 ラミレス王国での婚約式はまだ先だが、観光もさせてくれると言うのだから、それはそれで楽しみだった。

 真っ先にチェックしたのは市井におけるスイーツの種類だった。
 オルドリッジ様がロールケーキを知っていたおだから生クリームをふんだんに使った物があるのだろうと思っていたが、どうやらバーランド王国と似たような系統の物が並んでいた。
 距離的にもそれほど離れていないのだから、食文化についても変わらないのは道理である。
 だが、少しくらいの変化を期待しても良いだろう?なんて思ったりした。

 さて、綺麗な景色の場所や、美しい建築物は見応えがあったがそれ以上の場所にこれから移動するのだ。

 造船所───

 それもただの造船所ではない。
 浮遊軍艦の造船所という機密中の機密、俺が知って問題ないのだろうかと思う程の情報だ。
 その造船所に入ると船のサイズは海面上に見えてる分の戦列艦程のサイズだった。
 全長は変わらないが、高さが異なると言った所だ。
 魔導力学により浮いているらしく、そのエンジンは別の場所で製造、試験されているらしい。
 この造船所では、本体を作っているのだが、その光景は壮絶な物だった。
 こんなサイズのものが宙に浮くおかと思うと、少年心が刺激される。
 思わず、鼓動が早くなるというものだ。

「すごい・・・すごいです、こんな大きな物が浮くのですね」

「ああ、我が国の技術の集大成になる予定だ。甲板には竜を着艦できるスペースをいくつか用意する、これで竜騎士との連携も可能になるだろう、それこそバーランド王国との連携が大事でお互いの王国の強みを生かす事が出来るだろう」

 竜の飼育は早々出来るものではない、俺がヴァンデを懐かせてから竜騎士団というのが設立されたという事から分かる様に、バーランド王国でも竜騎士と言うのは近年設立されたものだ。
 そのヴァンデだが、寂しい事に大聖女に懐いたらしい。
 いや、大聖女なら当然だと言うべきだろうか。
 兎に角、ヴァンデは俺の手を離れる事になった。
 呼べば来てくれるが自主的には来ないという、まるで恋人同士の駆け引きみたいな状況になっている。

 造船所は機密だらけなので、程々にして王宮に移動しようとしていた。
 街中を通ってる最中に、周りが騒がしい事に気が付いた。
 外を見ると民衆が逃げ惑っていて、ときおり巨大な影が通り過ぎた。

 民衆の必死さからただ事ではないと感じたオルドリッジ様は馬車を止め、俺と一緒に上空を見上げた。

 そこにはヴァンデを遥に超える大きさの竜が居た。
 そして、その竜と俺と目が合った瞬間、鼓膜が破れるかと思う程の咆哮。
 俺としては慣れた事だったから気にならなかったが、オルドリッジ様が少し後方に弾け飛んだ。
 そのオルドリッジ様に目をやった瞬間、俺は竜の口に収まってしまった。

「おおおおお?」

「カロリーナ!!!」

「オルドリッジ様!!!」

 俺はそのまま食べられるのかと思いきや、俺を咥えたままエスカンビア山脈に向かっていた。

「おまえ、ファーヴニルだろ!なぜ誘拐の真似事をする!」

『お主が中々来ないからであろう!わざわざ迎えにきてやったのだ感謝こそされど、非難される謂れ無いわ!』

「あ・・・ああ、それは悪かった、だが、今は大事な身だ、元の場所に返してくれないか」

『ならん、お主はずっと我の巣で暮らすがいい』

「それは困る、少なくとも俺は人間だ、お前と食う物も違うんだぞ!」

『ならばお主の食事は人間の者に用意させれば良いではないか。奴らなど我に怯え震えるだけの存在、我の一言で何でも言う事を聞き、平伏すのだ』

「恐怖で人を従わせるのは間違えている、俺は共存したい!その人に嫁ぐためにここに来たのだぞ!」

『異なことを言う、共存?嫁ぐ?何をふざけた事を言っているのだ。理解できぬ。人間などゴミくずみたいな物であろう』

「話しにならん!兎に角、俺を降ろせ!」

『そう慌てるな、ようやく巣に着いたところだ』

 巣には光物の財宝が山になり一部がゴロゴロと転がっていた。
 ファーヴニルは伝承からして財宝を収集する癖があると言われているが、コイツも例に洩れない様だ。

「なぁ、ファーヴニル、お前、資産運用に興味はないか?」

『何・・・資産運用・・・だと!?』

 よし、喰らいついた!

 *

『それで、資産運用とは何なのだ?』
「この資産を元手にして増やすという話だよ、この規模になると国に貸して利息を貰うなんてどうだ?ここにある金貨なら問題ないだろう?何もしないでもお金が増える、こういうのを不労所得と言うんだぜ」
『ふむ、それは少し興味があるな、もっと詳しく教えるがいい』
「ああ、耳にタコができる程、教えてやるさ、人間も捨てたモンじゃないだろ?」
『ふむー』
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