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5.モルバーン学園(一年生編)
5-31.ラミレス王国王都にて
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翌日、俺はファーヴニルに連れられて、元の場所に帰って来た。
しばらく上空を旋回していたせいか、大勢の兵隊が広場に集まりこちらを牽制している。
ファーヴニルが着地出来る程のサイズというのは、例の浮遊戦列艦が着地する予定となっていた広場くらいしかなく、そちらの方に移動し着陸した。
「ファーヴニル、助かった、お前の背中の乗り心地、中々良かったぜ」
『ふっ、必要になれば呼ぶが良い、だが、例の件、忘れるでないぞ』
俺はファーヴニルの背中から飛び降りて着地する。
久しぶりに大暴れしたい気分だが、ここではそれも出来そうにない。
何せ、敵がいないのだから。
俺がファーヴニルから降りたのを見て、オルドリッジ様が駆け寄って来た。
「竜の巫女様!よくぞ帰って来た!」
「竜の巫女・・・?」
オルドリッジ様は片膝を地面につけ、俺に頭を下げた。
『お主が、こやつの番になろうという者か、こやつを裏切るような事あれば、分かっているであろうな』
「はっ、ファーヴニル様に誓います、その様な事は絶対にないと!」
『話がまとまった頃にまた来る。それではな』
ファーヴニルが飛び立とうとすると、風圧で押され周りの者が後退りする。
その中、俺とオルドリッジ様は微動だにしなかった。
奇しくも一瞬、二人だけの時間が出来た訳だ。
「竜の巫女様、もしや力を取り戻されたのですか」
「ああ、ファーヴニルにかかれば一瞬だった、お陰で長年の肩こりが取れた様な気分だよ」
「それはようございました」
「オルドリッジ様、その呼び名は止めてくれないか、今まで通りが良い」
「ですが、最早、貴女は伝説を従える存在、嫁に来いなどと恐れ多い話でございます」
「今まで通りが良いと言ってるじゃないか、俺は何も変わっていない!二度と言わないぞ」
「承知しました・・・」
「それより、夜通しファーヴニルを説得していたから、少し眠い、どこか眠れる所はないか」
「今すぐ王宮にお連れします!」
そこから馬車に乗る手前までは記憶にあるが、その後、すぐ眠ってしまった様だ。
オルドリッジ様の態度はこれまでと違う事が、少し嫌だった。
今まで通り、上の立場から接してくれれば俺は気が楽なのにな。
*
目が覚めると、とんでもなく高級そうな天蓋付きベッドの中だった。
広い部屋に、広いバルコニー。
開いていた扉が俺を外の景色に誘った。
そこからは城下町が一望できる絶景だった。
遠くに城壁が見える。それはこの王都の広さを示している。
更に遠くには農地、更に更に遠くには小さな町、もっと遠くには南エスカンビア山脈があった。
そこはファーヴニルの巣があった場所だ。
そんな遠くの場所を行き来したのだと感心する程だ。
「くしゅいっ・・・巣は寒かったから風邪でもひいたかな」
バルコニーへのドアを閉めて、再びベッドに潜りこんだ。
これまで使った事のあるどのベッドよりも寝心地が良い。
きっと最高級の物なのだろう。
もうひと眠りしようかと考えるが、その欲求と同じくらい体を動かしたいと思っている。
だが・・・、この国に来た途端、暴れたとなれば何と思われるか。
昨日の様子からすると、オルドリッジ様に手合わせしてもらっても絶対に手を抜くだろう。
何か手軽に体を動かせるものはないかと考えていた。
バルコニーは随分と高い所にあり、飛び降りればひとたまりもない。
魔操糸術を使った懸垂でもすればすっきりするかもしれないなんて考えた。
「もう体を動かす事を考えてるのかい?」
「ふぁ!?オルドリッジ様!いたのか・・」
「部屋に入ったら、飛び降りそうにしているから少し焦ったよ」
「はは・・・ばればれだな」
「だが、できたら、まだ力を取り戻したのは内密にして、深窓の令嬢で居てくれると嬉しいのだが」
「ああ・・・炙り出しの件か、そちらも大変だな」
「少しだけ危険な目に合うかもしれない。すまないね、これを機会にしないと後々どうしてもな」
「一枚岩になるには、致し方あるまい」
「そうだ、確認しておきたいのだがファーヴニル様はいつでもお呼びする事はできるのか?」
「たぶん来てくれる、今でも話そう思えば話せるからな。それよりちょっと相談があるんだ」
「どんな内容かな、大抵の事なら叶えてやれるが」
「これはファーヴニルから頼まれた話なんだ───」
ファーヴニルから預かった宝物の布袋から金貨類を取り出した。
すると袋の見た目を遥に超えた物量の金貨が目の前に山積みになる。
計算する事を考えれば頭を抱えるレベルの量がある上に、近年の物から太古の物まで様々だ。
特に太古の金貨は古物商に当たる為、どれだけの価値があるかなんて分かった物ではない。
*
「これを融資するので、資産を増やしてほしいとの依頼だ」
「ほぅ・・・こんな太古の金貨、歴史書でしか見た事がないぞ。こちらは伝説として語られる国の金貨、実在していたのか・・・、さすがファーヴニル様だ、どれもこれも価値が高い」
「魔導具類や武器防具類は、価値は不変だろうから持ってこなかったが、流石にそれを換金すると国が傾くだろう。金貨類だけでもこれで四分一以下だよ」
「凄まじいな・・・だが、今は仕舞っていてくれないか、腐敗を取り除いてからこれらの運用を始めよう」
「ああ、それがいいな」
しばらく上空を旋回していたせいか、大勢の兵隊が広場に集まりこちらを牽制している。
ファーヴニルが着地出来る程のサイズというのは、例の浮遊戦列艦が着地する予定となっていた広場くらいしかなく、そちらの方に移動し着陸した。
「ファーヴニル、助かった、お前の背中の乗り心地、中々良かったぜ」
『ふっ、必要になれば呼ぶが良い、だが、例の件、忘れるでないぞ』
俺はファーヴニルの背中から飛び降りて着地する。
久しぶりに大暴れしたい気分だが、ここではそれも出来そうにない。
何せ、敵がいないのだから。
俺がファーヴニルから降りたのを見て、オルドリッジ様が駆け寄って来た。
「竜の巫女様!よくぞ帰って来た!」
「竜の巫女・・・?」
オルドリッジ様は片膝を地面につけ、俺に頭を下げた。
『お主が、こやつの番になろうという者か、こやつを裏切るような事あれば、分かっているであろうな』
「はっ、ファーヴニル様に誓います、その様な事は絶対にないと!」
『話がまとまった頃にまた来る。それではな』
ファーヴニルが飛び立とうとすると、風圧で押され周りの者が後退りする。
その中、俺とオルドリッジ様は微動だにしなかった。
奇しくも一瞬、二人だけの時間が出来た訳だ。
「竜の巫女様、もしや力を取り戻されたのですか」
「ああ、ファーヴニルにかかれば一瞬だった、お陰で長年の肩こりが取れた様な気分だよ」
「それはようございました」
「オルドリッジ様、その呼び名は止めてくれないか、今まで通りが良い」
「ですが、最早、貴女は伝説を従える存在、嫁に来いなどと恐れ多い話でございます」
「今まで通りが良いと言ってるじゃないか、俺は何も変わっていない!二度と言わないぞ」
「承知しました・・・」
「それより、夜通しファーヴニルを説得していたから、少し眠い、どこか眠れる所はないか」
「今すぐ王宮にお連れします!」
そこから馬車に乗る手前までは記憶にあるが、その後、すぐ眠ってしまった様だ。
オルドリッジ様の態度はこれまでと違う事が、少し嫌だった。
今まで通り、上の立場から接してくれれば俺は気が楽なのにな。
*
目が覚めると、とんでもなく高級そうな天蓋付きベッドの中だった。
広い部屋に、広いバルコニー。
開いていた扉が俺を外の景色に誘った。
そこからは城下町が一望できる絶景だった。
遠くに城壁が見える。それはこの王都の広さを示している。
更に遠くには農地、更に更に遠くには小さな町、もっと遠くには南エスカンビア山脈があった。
そこはファーヴニルの巣があった場所だ。
そんな遠くの場所を行き来したのだと感心する程だ。
「くしゅいっ・・・巣は寒かったから風邪でもひいたかな」
バルコニーへのドアを閉めて、再びベッドに潜りこんだ。
これまで使った事のあるどのベッドよりも寝心地が良い。
きっと最高級の物なのだろう。
もうひと眠りしようかと考えるが、その欲求と同じくらい体を動かしたいと思っている。
だが・・・、この国に来た途端、暴れたとなれば何と思われるか。
昨日の様子からすると、オルドリッジ様に手合わせしてもらっても絶対に手を抜くだろう。
何か手軽に体を動かせるものはないかと考えていた。
バルコニーは随分と高い所にあり、飛び降りればひとたまりもない。
魔操糸術を使った懸垂でもすればすっきりするかもしれないなんて考えた。
「もう体を動かす事を考えてるのかい?」
「ふぁ!?オルドリッジ様!いたのか・・」
「部屋に入ったら、飛び降りそうにしているから少し焦ったよ」
「はは・・・ばればれだな」
「だが、できたら、まだ力を取り戻したのは内密にして、深窓の令嬢で居てくれると嬉しいのだが」
「ああ・・・炙り出しの件か、そちらも大変だな」
「少しだけ危険な目に合うかもしれない。すまないね、これを機会にしないと後々どうしてもな」
「一枚岩になるには、致し方あるまい」
「そうだ、確認しておきたいのだがファーヴニル様はいつでもお呼びする事はできるのか?」
「たぶん来てくれる、今でも話そう思えば話せるからな。それよりちょっと相談があるんだ」
「どんな内容かな、大抵の事なら叶えてやれるが」
「これはファーヴニルから頼まれた話なんだ───」
ファーヴニルから預かった宝物の布袋から金貨類を取り出した。
すると袋の見た目を遥に超えた物量の金貨が目の前に山積みになる。
計算する事を考えれば頭を抱えるレベルの量がある上に、近年の物から太古の物まで様々だ。
特に太古の金貨は古物商に当たる為、どれだけの価値があるかなんて分かった物ではない。
*
「これを融資するので、資産を増やしてほしいとの依頼だ」
「ほぅ・・・こんな太古の金貨、歴史書でしか見た事がないぞ。こちらは伝説として語られる国の金貨、実在していたのか・・・、さすがファーヴニル様だ、どれもこれも価値が高い」
「魔導具類や武器防具類は、価値は不変だろうから持ってこなかったが、流石にそれを換金すると国が傾くだろう。金貨類だけでもこれで四分一以下だよ」
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