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5.モルバーン学園(一年生編)
5-45.
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二カ月ぶりの学園は妙に慌ただしい雰囲気である事以外、特に変化はなかった。
双子はいないし、カレンは疎遠になったままだ。
昼は生徒会のメンバーで集まって食事を摂るようになったくらいで、授業も問題なく追いついた。
二カ月まるまる授業に出なくても追いつけとなると、俺の出席は必要なのかと疑問に思ってくる。
木々が色付き始めた今日この頃、そろそろ学園祭が始まろうとしていた。
この学園祭、クラスで何かをしようという感じではなく、グループを作って何かするというルールでとなっている。
掛け持ちはOKなのだが、俺としては生徒会の仕事を手伝いたいと思っている。
その根底にはオルドリッジ様と行動を共にしたいという気持ちがあるのだが、それ以上にこの学園祭が、オルドリッジ様の最後の仕事であるのだから、より良い学園祭にしなくてはならないという使命感を持っていたのだ。
ところがだ、生徒会の一年生の中で何かしようじゃないかと言う話が持ち上がる。
二年になると庶務という役職になるのだから、なにか出し物をするなら今のうちだと二、三年が言ってきた。
現在、一年の生徒は五名、本来であればアレグサンダーを入れて六名になるハズだったのだが、今は停学中なのだ。
その一年生を紹介しよう。
二年のウェンディ・ダーズリーの妹、ミア・ダーズリー。
姉が活発なせいか、相対的に大人しい性格をしている。読書好きで分厚い眼鏡で表情がよくわからん。
ポーリーン・ブライアントは会計のダグラス・ブライアントの妹。
兄と違い、眼鏡をかけておらず、活発で人懐っこい感じの子だが、名前の通り小柄で2歳程サバを読んでいるのではないかと思える程だ。
とはいえ、俺よりは背が高い。ちっ。
グリフィン・カティックはいつも眠そうにしている、おっとり系男子だ。
成績は上から20位以内に入るらしく、ウェンディ・ダーズリーの推薦で生徒会に入った。
ケリー・メイヤーズは体躯の良いガッチリ系男子だ。
一年の中では一番体力があるらしく、自慢でもあるらしい、尚、誰からも推薦は受けていない。
ここに双子を入れたい所ではあるのだが、それは来ていない以上、確認待ちとなっている。
五人で何をするかと言う話になって、誰も意見を出してこない。
仕方がないので、茶店でもやるかと言うと、なし崩し的にそれに決まった。
ホールは女子二人でポーリーン、ミアに男子グリフィンが担当し、ケリーは呼び込みや宣伝をさせる事にした。
俺はキッチン担当となった。
そんな作業配分にケリーが少し不服そうに意見した。
「カロリーナ様、私にももっと出来る事は無いでしょうか」
「ケリーかぁ・・・何ができますか?」
「力仕事なら何なりと」
「それでは、準備の時に色々頼みますね」
「お任せください!」
ケリーのやる気は一年生の中で一番高い。空回りしなければ良いが力作業は多くあるだろうし問題にはならないだろう。
次にポーリーンとミアが衣装の事で相談があると言ってきた。
「お揃いの衣装で接客したいですね」
「そうですね、ちょっとスカートを短いのにしてみたいです」
「・・・お二人は接客する気なのですか?」
「接客?当然ではありませんか」
「カロリーナ様もされますわよね」
「私達は殆ど接客しませんよ?」
「どうして?」
「では私達はなにをすれば?」
「会長の説明聞いていなかったのですか?客が貴族の令嬢が作った料理を食べたいと思うとでも?私達は企画力を試されているのですよ」
実際、客というのは貴族に限定され、開催者の貴族らしさを見に来る訳だ。
茶店となると、質の良い接客と飲食物の提供が使用人によって持たされているかというのがメインになる。
料理をした事も無い貴族が作った飯を食いに来る奴なんて居ない。
仮にそんなのを作ったとしても喜ぶのは親だけだ。
「ホールの仕事は基本的にメイドに任せて、上客たちの話し相手や料理の説明等といったサポートをお二人に担当して頂きます。そのため、衣装は動きやすくて貴族らしさをを求めますから、考えて見てください。男子二人はスーツで良いでしょう、あ、私もスーツ着ようかな」
「でしたら私も!」
「ええ、私も男装してみたかったんです!」
それならフローレンスに貰ったスーツに合わせるかと思いつく。
似たようなのを作って貰えばいいだろう。
執事喫茶と言う方向性は悪くないかもしれない。
キッチン人材については当てがあった。
ルグランジの食堂で料理人を増やすように書簡で指示しておいたのだ。
王都での店舗進出を目論んでの事だったが、その第一歩に学園祭で活躍してもらおうかという話だ。
*
「オルドリッジ様、ちょっとルグランジに行ってくる」
「もしかして、キッチンメンバーをそこからか?」
「正解だ」
「ならば俺も行こう。以前から興味があったんだ、一泊くらいできるのだろう?」
「もとよりそのつもりだ、ドラゴンの背に乗って行くがら空の旅を楽しんでくれ」
「ふふ、二人で外泊旅行とは楽しみだな」
何か嫌な予感しかしねえんだが。
双子はいないし、カレンは疎遠になったままだ。
昼は生徒会のメンバーで集まって食事を摂るようになったくらいで、授業も問題なく追いついた。
二カ月まるまる授業に出なくても追いつけとなると、俺の出席は必要なのかと疑問に思ってくる。
木々が色付き始めた今日この頃、そろそろ学園祭が始まろうとしていた。
この学園祭、クラスで何かをしようという感じではなく、グループを作って何かするというルールでとなっている。
掛け持ちはOKなのだが、俺としては生徒会の仕事を手伝いたいと思っている。
その根底にはオルドリッジ様と行動を共にしたいという気持ちがあるのだが、それ以上にこの学園祭が、オルドリッジ様の最後の仕事であるのだから、より良い学園祭にしなくてはならないという使命感を持っていたのだ。
ところがだ、生徒会の一年生の中で何かしようじゃないかと言う話が持ち上がる。
二年になると庶務という役職になるのだから、なにか出し物をするなら今のうちだと二、三年が言ってきた。
現在、一年の生徒は五名、本来であればアレグサンダーを入れて六名になるハズだったのだが、今は停学中なのだ。
その一年生を紹介しよう。
二年のウェンディ・ダーズリーの妹、ミア・ダーズリー。
姉が活発なせいか、相対的に大人しい性格をしている。読書好きで分厚い眼鏡で表情がよくわからん。
ポーリーン・ブライアントは会計のダグラス・ブライアントの妹。
兄と違い、眼鏡をかけておらず、活発で人懐っこい感じの子だが、名前の通り小柄で2歳程サバを読んでいるのではないかと思える程だ。
とはいえ、俺よりは背が高い。ちっ。
グリフィン・カティックはいつも眠そうにしている、おっとり系男子だ。
成績は上から20位以内に入るらしく、ウェンディ・ダーズリーの推薦で生徒会に入った。
ケリー・メイヤーズは体躯の良いガッチリ系男子だ。
一年の中では一番体力があるらしく、自慢でもあるらしい、尚、誰からも推薦は受けていない。
ここに双子を入れたい所ではあるのだが、それは来ていない以上、確認待ちとなっている。
五人で何をするかと言う話になって、誰も意見を出してこない。
仕方がないので、茶店でもやるかと言うと、なし崩し的にそれに決まった。
ホールは女子二人でポーリーン、ミアに男子グリフィンが担当し、ケリーは呼び込みや宣伝をさせる事にした。
俺はキッチン担当となった。
そんな作業配分にケリーが少し不服そうに意見した。
「カロリーナ様、私にももっと出来る事は無いでしょうか」
「ケリーかぁ・・・何ができますか?」
「力仕事なら何なりと」
「それでは、準備の時に色々頼みますね」
「お任せください!」
ケリーのやる気は一年生の中で一番高い。空回りしなければ良いが力作業は多くあるだろうし問題にはならないだろう。
次にポーリーンとミアが衣装の事で相談があると言ってきた。
「お揃いの衣装で接客したいですね」
「そうですね、ちょっとスカートを短いのにしてみたいです」
「・・・お二人は接客する気なのですか?」
「接客?当然ではありませんか」
「カロリーナ様もされますわよね」
「私達は殆ど接客しませんよ?」
「どうして?」
「では私達はなにをすれば?」
「会長の説明聞いていなかったのですか?客が貴族の令嬢が作った料理を食べたいと思うとでも?私達は企画力を試されているのですよ」
実際、客というのは貴族に限定され、開催者の貴族らしさを見に来る訳だ。
茶店となると、質の良い接客と飲食物の提供が使用人によって持たされているかというのがメインになる。
料理をした事も無い貴族が作った飯を食いに来る奴なんて居ない。
仮にそんなのを作ったとしても喜ぶのは親だけだ。
「ホールの仕事は基本的にメイドに任せて、上客たちの話し相手や料理の説明等といったサポートをお二人に担当して頂きます。そのため、衣装は動きやすくて貴族らしさをを求めますから、考えて見てください。男子二人はスーツで良いでしょう、あ、私もスーツ着ようかな」
「でしたら私も!」
「ええ、私も男装してみたかったんです!」
それならフローレンスに貰ったスーツに合わせるかと思いつく。
似たようなのを作って貰えばいいだろう。
執事喫茶と言う方向性は悪くないかもしれない。
キッチン人材については当てがあった。
ルグランジの食堂で料理人を増やすように書簡で指示しておいたのだ。
王都での店舗進出を目論んでの事だったが、その第一歩に学園祭で活躍してもらおうかという話だ。
*
「オルドリッジ様、ちょっとルグランジに行ってくる」
「もしかして、キッチンメンバーをそこからか?」
「正解だ」
「ならば俺も行こう。以前から興味があったんだ、一泊くらいできるのだろう?」
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