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5.モルバーン学園(一年生編)
5-46.ルグランジにて
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久しぶりに食堂に顔を出すと皆が驚いて客をほったらかしで集まって来る。
中でもディーナを筆頭に数名は飛びついて来たくらいだ。
かれこれ半年近くも空けていた訳だが、特に問題もなく料理人は徐々に増やしている状況らしい。
読み書き計算ができる者も増えてきているので、神父の負担も少しは減ったとか。
何にせよ、元気そうでよかったと喜んでいると、オルドリッジ様が紹介して欲しそうにしていた。
「あー、婚約者のオルドリッジ様だ、隣国ラミレス王国の国王様だが、あまり気を使うな」
その言葉に、全員が固まった。
リーダーですら硬直するくらいだから、衝撃度が推しはかれるというものだ。
実際、この国の国王ですら会った事がないというのに、さらに大きな国の国王が出て来た。
さらに言えば、気軽に接してた相手がその結婚相手、つまり妃になると考えたら思考が停止する思いなのだろう。
「あ、え、え、あ、あの、王妃、様、に、なる、の?」
ディーナですらこの調子だ。
「そうだろうけど、気にするな、俺はこれまで通りやって行こうと思ってる」
「あ、うん。結婚するのね・・・。私以外の人と・・・」
「おい、ディーナと結婚するなんて言った事ないだろ」
「ばれたか」
そこで大笑いするオルドリッジ様、それにつられて全員が笑う。
なんとも、心地良い空気なのだろうか。
それから、リーダーと話し合い、4人を選別して欲しいと頼んだら、ぱっと名前をだされたが、その筆頭はディーナだった。
選ばれたメンバーは王都で店を出した時の主要メンバーになる、そうなると親子で離れ離れになるが問題ないのかと確認したのだが、事前にその事は了承済みだと言われ、逆に俺の方が驚いてしまった。
そうこうしている内に日が暮れた。
出発が生徒会で出店の話をした後だったので当然ではあるが、心の準備と言うものがある。
実はオルドリッジ様に確認しなくてはならない事があった。
それを聞いてどうするのか、俺すらも分からないのだが、兎にも角にも取り合えず聞かなくてはという焦燥感だけがある訳だ。
店が終わるのを待って、宴会が始まった。
ここの料理は他で味わえないものが殆どのせいか、オルドリッジ様は夢中になって料理を食べていた。
それから温泉を堪能してから宿屋に予約していた部屋に入る。
オルドリッジ様の希望通り、二人で一部屋。
後は寝るだけだというのに、緊張感が高まってゆく。
気づけばオルドリッジ様はいつもの様に裸でベッドの中から手招きをした。
俺も仕方なく制服を脱ぎ、ベッドに潜りこむ。
背後からオルドリッジ様の腕に包まれるだけかと思いきや、首筋に口づけされる感触が襲ってきて、体が気持ちいいと訴えだす。
妻にも度々した行為だが、ここまで敏感に反応してしまうと些か心身共に疲弊してしまいそうだ。
もし次、男になれたなら本番以外ではしないようにしようと心に誓った。
「陛下・・・時々大聖女様に会ってるとは本当ですか?」
一瞬ピクリと反応する腕の筋肉を感じ取ったが、それの意味するところが肯定ではないかと邪推した。
その言葉を否定する事なく真向から答えようものなら、それも善しとし受け入れなくもないが、大聖女はもっぱら第二王子の交際相手だと聞いている。W略奪愛になるのかと想像したが、そうなると流石にバーランド王国も黙っていないだろう。
はてさて、どう答えるのだろうと考えると、少し楽しくなってきた。
「それは・・・その通りだ」
「否定しないのですね、好きになってしまいましたか?」
「いや、それはない。パトロネスに誓って否定する」
「・・・信じます」
「しかしだ、どうした?嫉妬でもしたのか?」
「はぐらかせないでください、大聖女様と会う必然性がわかりません。その所を詳しく教えてくださいませ」
「・・・そっちの口調と言う事は嫉妬ではなく、怒ってるのか・・・どうしたら機嫌は直るのだ?」
「そんなのは知りません」
「大聖女様は、どうやらカロリーナに会いたくないそうだ、その理由を聞きたくてな、何度か尋ねに言ってはさり気なく聞いている。なにか恨みか妬みを買った覚えはないか?素性を隠しておいて欲しいと条件を出してきたが、毒の治療も出来ず、2カ月も寝込ませていたのだ、本当にそれ程の力があるとは思えないのだが、まぁ、歳が歳だけに仕方がない事ではあるのかもしれん」
「歳?何歳くらいなのですか?」
「ああ、そこは一番強く口止めされている所だ、悪いが答えられない」
ヒューゴに聞けばあっさりと教えてくれそうではあるが、そこまでしているのであれば俺の方から探りを入れるべきではないな。しかし、そうなると俺と面識がある相手と言う事になるのだが、聖女と言えばラミレス王国で失踪した聖女くらいしか思い浮かばない、しかも年齢は20を超えているのだから、ウィリアム(第二王子)が付き合うには不釣り合いだ。
本気でわからん。
*
「ところで、本番しないのなら、エッチな事をしないでくださいますか」
「まだ怒ってるのか」
「大変なんですよ、いちいち体が敏感に反応するんです、陛下だって溜まってるんじゃないですか?そりゃあ、まだちょっと早いかと思いますが・・・夜は何かあっても回復能力は高いんですよ・・・」
「いやまて、そんな事を言われれば俺の自制心が壊れる、せめて、せめて卒業してからにしてくれないか」
「ははぁ~ん・・・まぁ、いいでしょう、その代わりそれまでの間、唇以外へのキスやエッチな行為をやめてください」
「むむむ・・・考えさせてくれ」
中でもディーナを筆頭に数名は飛びついて来たくらいだ。
かれこれ半年近くも空けていた訳だが、特に問題もなく料理人は徐々に増やしている状況らしい。
読み書き計算ができる者も増えてきているので、神父の負担も少しは減ったとか。
何にせよ、元気そうでよかったと喜んでいると、オルドリッジ様が紹介して欲しそうにしていた。
「あー、婚約者のオルドリッジ様だ、隣国ラミレス王国の国王様だが、あまり気を使うな」
その言葉に、全員が固まった。
リーダーですら硬直するくらいだから、衝撃度が推しはかれるというものだ。
実際、この国の国王ですら会った事がないというのに、さらに大きな国の国王が出て来た。
さらに言えば、気軽に接してた相手がその結婚相手、つまり妃になると考えたら思考が停止する思いなのだろう。
「あ、え、え、あ、あの、王妃、様、に、なる、の?」
ディーナですらこの調子だ。
「そうだろうけど、気にするな、俺はこれまで通りやって行こうと思ってる」
「あ、うん。結婚するのね・・・。私以外の人と・・・」
「おい、ディーナと結婚するなんて言った事ないだろ」
「ばれたか」
そこで大笑いするオルドリッジ様、それにつられて全員が笑う。
なんとも、心地良い空気なのだろうか。
それから、リーダーと話し合い、4人を選別して欲しいと頼んだら、ぱっと名前をだされたが、その筆頭はディーナだった。
選ばれたメンバーは王都で店を出した時の主要メンバーになる、そうなると親子で離れ離れになるが問題ないのかと確認したのだが、事前にその事は了承済みだと言われ、逆に俺の方が驚いてしまった。
そうこうしている内に日が暮れた。
出発が生徒会で出店の話をした後だったので当然ではあるが、心の準備と言うものがある。
実はオルドリッジ様に確認しなくてはならない事があった。
それを聞いてどうするのか、俺すらも分からないのだが、兎にも角にも取り合えず聞かなくてはという焦燥感だけがある訳だ。
店が終わるのを待って、宴会が始まった。
ここの料理は他で味わえないものが殆どのせいか、オルドリッジ様は夢中になって料理を食べていた。
それから温泉を堪能してから宿屋に予約していた部屋に入る。
オルドリッジ様の希望通り、二人で一部屋。
後は寝るだけだというのに、緊張感が高まってゆく。
気づけばオルドリッジ様はいつもの様に裸でベッドの中から手招きをした。
俺も仕方なく制服を脱ぎ、ベッドに潜りこむ。
背後からオルドリッジ様の腕に包まれるだけかと思いきや、首筋に口づけされる感触が襲ってきて、体が気持ちいいと訴えだす。
妻にも度々した行為だが、ここまで敏感に反応してしまうと些か心身共に疲弊してしまいそうだ。
もし次、男になれたなら本番以外ではしないようにしようと心に誓った。
「陛下・・・時々大聖女様に会ってるとは本当ですか?」
一瞬ピクリと反応する腕の筋肉を感じ取ったが、それの意味するところが肯定ではないかと邪推した。
その言葉を否定する事なく真向から答えようものなら、それも善しとし受け入れなくもないが、大聖女はもっぱら第二王子の交際相手だと聞いている。W略奪愛になるのかと想像したが、そうなると流石にバーランド王国も黙っていないだろう。
はてさて、どう答えるのだろうと考えると、少し楽しくなってきた。
「それは・・・その通りだ」
「否定しないのですね、好きになってしまいましたか?」
「いや、それはない。パトロネスに誓って否定する」
「・・・信じます」
「しかしだ、どうした?嫉妬でもしたのか?」
「はぐらかせないでください、大聖女様と会う必然性がわかりません。その所を詳しく教えてくださいませ」
「・・・そっちの口調と言う事は嫉妬ではなく、怒ってるのか・・・どうしたら機嫌は直るのだ?」
「そんなのは知りません」
「大聖女様は、どうやらカロリーナに会いたくないそうだ、その理由を聞きたくてな、何度か尋ねに言ってはさり気なく聞いている。なにか恨みか妬みを買った覚えはないか?素性を隠しておいて欲しいと条件を出してきたが、毒の治療も出来ず、2カ月も寝込ませていたのだ、本当にそれ程の力があるとは思えないのだが、まぁ、歳が歳だけに仕方がない事ではあるのかもしれん」
「歳?何歳くらいなのですか?」
「ああ、そこは一番強く口止めされている所だ、悪いが答えられない」
ヒューゴに聞けばあっさりと教えてくれそうではあるが、そこまでしているのであれば俺の方から探りを入れるべきではないな。しかし、そうなると俺と面識がある相手と言う事になるのだが、聖女と言えばラミレス王国で失踪した聖女くらいしか思い浮かばない、しかも年齢は20を超えているのだから、ウィリアム(第二王子)が付き合うには不釣り合いだ。
本気でわからん。
*
「ところで、本番しないのなら、エッチな事をしないでくださいますか」
「まだ怒ってるのか」
「大変なんですよ、いちいち体が敏感に反応するんです、陛下だって溜まってるんじゃないですか?そりゃあ、まだちょっと早いかと思いますが・・・夜は何かあっても回復能力は高いんですよ・・・」
「いやまて、そんな事を言われれば俺の自制心が壊れる、せめて、せめて卒業してからにしてくれないか」
「ははぁ~ん・・・まぁ、いいでしょう、その代わりそれまでの間、唇以外へのキスやエッチな行為をやめてください」
「むむむ・・・考えさせてくれ」
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