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5.モルバーン学園(一年生編)
5-64.回想より(カオリ視点)
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私は日本という国で生まれ、上司のセクハラに耐えながら仕事に明け暮れていたOLだった。
それが気が付けばラミレス王国とかいう中世ヨーロッパのような街並みに貴族制度のある世界に召喚されていた。
シャワーを浴びてる最中に召喚されるとか、有り得ない話よ。
せめて服くらい来ている時にして欲しかったわ。
不思議な事に日本語が通じる世界で、これが世界共通言語となっているのは先に召喚された勇者や大聖女がもたらした言語に倣ったのが原因だという説だとか。
結局、それまでの言語がなくなったのは未完成の言語だったので日本語が全ての言語を淘汰していったという説と、世界のルールを変える竜に勇者が願ったという説があるけど、その真相は明らかではない。
私はいつしか大聖女と呼ばれるようになり、その恩恵にあずかりたいという者達が次々とやってきた。
恩恵と言いうよりは、私の知識を欲していたのだ。
地球で使われている技術。
地球で摂られている食事。
地球で行われる習慣。
多種多彩な事を聞かれたが、ただのOL風情だった私が出せる情報なんて料理くらいだった。
それを信じない一部の貴族が、強引に聞き出そうとして拷問器具を持ち出した。
危機的状況にたまたまその国の王子様が現れて難を逃れたのだけど、似たような事は二度三度と繰り返された。
私は幼い王子様との時間を増やす事にした。
陛下もそれを歓迎し、仲が良くなる事を見守ってくれていた。
あるとき戦場に赴く陛下に王子様がついて行った隙にそれは起きた。
それを良い機会だと考えた貴族、特に出世欲に駆られた侯爵様が私を拷問にかけるべくとある集会に呼び出した。
当時王子の世話役だった可愛く幼い双子のメイドに手引きしてもらい、私はお城から脱出。
プルサウンという小国に行く事を考えたがそこがまた政情不安で入国を断念し、明らかに女性一人では無謀な深い森で高低差も激しいルートを突っ切ろうとした。
そんな深い森で運命の相手と出会ったのは幸運だった。
私は結婚してバーランド王国の王都に移り住む事になった。
相手は平民で私をどこか遠い国から来た旅人程度にしか思っていなかった事が嬉しかった。
ただの人間、普通の妻、この国にとって特別な何者でもない私を彼は愛してくれたのだ。
本当の事を言いたいという衝動にも駆られながらも、主婦という立場に甘んじ何も成さない人生に満足していたのだ。
それが騙しているという後ろめたさは彼に料理を教える事で紛らわせていた。
彼がそれをお金儲けの手段として使うならそれでもいい、それで私を打ち出の小槌のように思ってもそれでいいと思った。
ところが、彼はそんな料理を他の人に食べさせようとはしなかった。
この料理を食べれるのは自分だけの特権だと言って、一緒に料理する事はあれど他の人に一切口外しなかったのだ。
ある日、街中で怪我をした少女を見つけた。
お付きの方や服装から高そうな身分だと思ったけど、私は駆けつけてうっかり聖女の力で治療してしまった。
彼女は私の事を大聖女だと信じ、大喜びした。彼女自身も聖女の見習いで私を目標に頑張ると言い出した。
彼女とは何度か街中で会う事になったが、それはささやかな出会いとしか思っていなかった。
私の作る料理はこの国に無いものばかりで美味しく食べるローレンスを見るのが日々の楽しみだった。
彼は日本には居ない様な筋肉質で、私の理想の男性だった。
それに見合うように立派な奥さんになろうとしたのだけど、身籠った直後に問題が発生した。
町中で出会った少女から私の事を聞いたという子爵様が私の前に現れ、脅迫をしてきたのだ。
彼はラミレス王国からの手配書を見せびらかし、ラミレス王国に対して黙っておく代わりに知識を寄越せと言い出した。
私はその事に恐怖した───
私は知識を小出しにして渡したが、業を煮やした子爵様は私を囲い込もうとした。
挙句妾にしてやると言い出した事に、自身は人妻だからと拒絶した。
だけど、子爵様はそんなのはどうにかなると言い出す始末、相手を排除する事もできるのだと威張り散らした。
私は王都を離れる事にし、ローレンスの故郷の村に逃げる様に移り住んだ。
村の生活は幸せそのもので、ローレンスも極力帰って来てくれた。
無事に娘も産まれ、すくすく育ち、幸せな日々、楽しい毎日、目に見える愛のカタチが私を癒してくれた。
だけど、幸せな日々は続かなかった。
王都から追いかけて来た子爵様とばったり出会い、逃げ出した所でラミレス王国からの追手と遭遇した。
私は狭い村の中で二つの追手から逃げようとしたのだけど、それが叶うはずもなかった。
その二つの勢力は私の取り合い、ぶつかった。
両勢力の力は互角で逃げれる隙が出来たと思った。
私が逃げ出そうとした時、子爵様が放った魔法がラミレス兵の武器を弾き飛ばした。
──運が悪い── としか言いようがない。
弾け飛んだ剣が私の体を貫いた。
ジワリと服が赤に染まる。
薄れゆく意識の中、両勢力に向かって薄っすらと笑みを浮かべた。
お前たちの道具になるくらいなら死んだ方がマシだわ───
精一杯の抵抗。
フランチェスカ・・・ローレンス・・・
願わくば、誰かを恨んで人生を狂わさないでほしい。
勝手に死んで
ごめんなさい───
私、主人公じゃなかったんだね───
それが気が付けばラミレス王国とかいう中世ヨーロッパのような街並みに貴族制度のある世界に召喚されていた。
シャワーを浴びてる最中に召喚されるとか、有り得ない話よ。
せめて服くらい来ている時にして欲しかったわ。
不思議な事に日本語が通じる世界で、これが世界共通言語となっているのは先に召喚された勇者や大聖女がもたらした言語に倣ったのが原因だという説だとか。
結局、それまでの言語がなくなったのは未完成の言語だったので日本語が全ての言語を淘汰していったという説と、世界のルールを変える竜に勇者が願ったという説があるけど、その真相は明らかではない。
私はいつしか大聖女と呼ばれるようになり、その恩恵にあずかりたいという者達が次々とやってきた。
恩恵と言いうよりは、私の知識を欲していたのだ。
地球で使われている技術。
地球で摂られている食事。
地球で行われる習慣。
多種多彩な事を聞かれたが、ただのOL風情だった私が出せる情報なんて料理くらいだった。
それを信じない一部の貴族が、強引に聞き出そうとして拷問器具を持ち出した。
危機的状況にたまたまその国の王子様が現れて難を逃れたのだけど、似たような事は二度三度と繰り返された。
私は幼い王子様との時間を増やす事にした。
陛下もそれを歓迎し、仲が良くなる事を見守ってくれていた。
あるとき戦場に赴く陛下に王子様がついて行った隙にそれは起きた。
それを良い機会だと考えた貴族、特に出世欲に駆られた侯爵様が私を拷問にかけるべくとある集会に呼び出した。
当時王子の世話役だった可愛く幼い双子のメイドに手引きしてもらい、私はお城から脱出。
プルサウンという小国に行く事を考えたがそこがまた政情不安で入国を断念し、明らかに女性一人では無謀な深い森で高低差も激しいルートを突っ切ろうとした。
そんな深い森で運命の相手と出会ったのは幸運だった。
私は結婚してバーランド王国の王都に移り住む事になった。
相手は平民で私をどこか遠い国から来た旅人程度にしか思っていなかった事が嬉しかった。
ただの人間、普通の妻、この国にとって特別な何者でもない私を彼は愛してくれたのだ。
本当の事を言いたいという衝動にも駆られながらも、主婦という立場に甘んじ何も成さない人生に満足していたのだ。
それが騙しているという後ろめたさは彼に料理を教える事で紛らわせていた。
彼がそれをお金儲けの手段として使うならそれでもいい、それで私を打ち出の小槌のように思ってもそれでいいと思った。
ところが、彼はそんな料理を他の人に食べさせようとはしなかった。
この料理を食べれるのは自分だけの特権だと言って、一緒に料理する事はあれど他の人に一切口外しなかったのだ。
ある日、街中で怪我をした少女を見つけた。
お付きの方や服装から高そうな身分だと思ったけど、私は駆けつけてうっかり聖女の力で治療してしまった。
彼女は私の事を大聖女だと信じ、大喜びした。彼女自身も聖女の見習いで私を目標に頑張ると言い出した。
彼女とは何度か街中で会う事になったが、それはささやかな出会いとしか思っていなかった。
私の作る料理はこの国に無いものばかりで美味しく食べるローレンスを見るのが日々の楽しみだった。
彼は日本には居ない様な筋肉質で、私の理想の男性だった。
それに見合うように立派な奥さんになろうとしたのだけど、身籠った直後に問題が発生した。
町中で出会った少女から私の事を聞いたという子爵様が私の前に現れ、脅迫をしてきたのだ。
彼はラミレス王国からの手配書を見せびらかし、ラミレス王国に対して黙っておく代わりに知識を寄越せと言い出した。
私はその事に恐怖した───
私は知識を小出しにして渡したが、業を煮やした子爵様は私を囲い込もうとした。
挙句妾にしてやると言い出した事に、自身は人妻だからと拒絶した。
だけど、子爵様はそんなのはどうにかなると言い出す始末、相手を排除する事もできるのだと威張り散らした。
私は王都を離れる事にし、ローレンスの故郷の村に逃げる様に移り住んだ。
村の生活は幸せそのもので、ローレンスも極力帰って来てくれた。
無事に娘も産まれ、すくすく育ち、幸せな日々、楽しい毎日、目に見える愛のカタチが私を癒してくれた。
だけど、幸せな日々は続かなかった。
王都から追いかけて来た子爵様とばったり出会い、逃げ出した所でラミレス王国からの追手と遭遇した。
私は狭い村の中で二つの追手から逃げようとしたのだけど、それが叶うはずもなかった。
その二つの勢力は私の取り合い、ぶつかった。
両勢力の力は互角で逃げれる隙が出来たと思った。
私が逃げ出そうとした時、子爵様が放った魔法がラミレス兵の武器を弾き飛ばした。
──運が悪い── としか言いようがない。
弾け飛んだ剣が私の体を貫いた。
ジワリと服が赤に染まる。
薄れゆく意識の中、両勢力に向かって薄っすらと笑みを浮かべた。
お前たちの道具になるくらいなら死んだ方がマシだわ───
精一杯の抵抗。
フランチェスカ・・・ローレンス・・・
願わくば、誰かを恨んで人生を狂わさないでほしい。
勝手に死んで
ごめんなさい───
私、主人公じゃなかったんだね───
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