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5.モルバーン学園(一年生編)
5-65.
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学園祭が終わった日の夜、フランチェスカが俺に甘えてきた。
今日は一緒に夜通し話したいというのだ。
セシリアは気を使ってディーナ達と過ごすというので、俺たちは寮で二人きりになる事ができた。
ちなみに、フローレンスもディーナと一緒の所で寝泊まりするというのだ。
願ってもない話だった。
この人数で女子会というのは多少違うだろうが、娘と二人きりで話す機会ができるのは嬉しい。
それが世事などではない事は分かっていた。
それだけ、信頼関係が築けていると思っていたのだ。
「あの、お伺いしたい事があるのですが」
「なんだい?言ってごらん」
「カードウェリア子爵様をご存じでしょうか」
カードウェリア子爵と言えば、宰相との間に入って苦労をかけた覚えがある。
未だに宰相との連絡役としてこき使われているはずなのだが、それが娘とどうかかわるのだろうか。
「面識はないけど、彼の事は貴女のお父様から聞いているよ、それがどうかしたの?」
「そのお方が、私を竜騎士団の団長に任命するとおっしゃっていただけたのです、ヴァンテ君を手懐けている事からその資格があると・・・、それと同時に宰相の長男を入団するから仲良くしてほしいと言っていました」
宰相の息子と言えば、今はまだ12歳になっているはずだ。
それを娘に近づけたというのは何か意図があるのだろうか。
「そうか、だが無理する事ものじゃないな。団長か・・・戦闘に娘が駆り出されたとなれば、貴女のお父様もあまり喜ばれないだろう、お飾りでまとめ上げれるだけと言うのであれば団長という地位は悪くないかもしれない」
「そうですね、魔物相手ならどうにかできそうですが、軍となったら人を殺める事になりますよね。先の海戦みたいに・・・」
「あの時、ヴァンテに乗って戦闘を見ていたんだったな、戦争は綺麗事じゃ済まないけど別に生粋の軍人でもない貴女がそれに染まる必要はないよ」
「ですが私は竜騎士団団長の娘です、軍人の娘なんです。父の育てた団を私も守りたい」
「それは心意気だけで・・・」
「あと、お母さんの話を教えてくれるというので・・・」
「うん?誰が?」
「その、カードウェリア子爵様です。生前にお母さんと知り合いだったそうですよ」
「───へぇ、その話、俺も興味がある。話を聞くときに誘ってくれないか?」
「分かりました。次の休息日ですので」
「そうか、それは楽しみだな」
それからしばらく、なぜか料理の話ばかりとなってしまった。
娘にとって母親の記憶なんて殆どなく、俺を経由して知った料理が一番、母を思い出せる話だからだ。
その為、カードウェリア子爵の話には興味があるのだろう。
俺も興味がある。
「そう言えば、私はどうして大聖女と呼ばれてるのでしょう?それが一番分からないのです」
「う~ん・・・ここだけの話、貴女のお母様は異世界から来た大聖女だったという可能性が高いのですよ、貴女がよく知ってる料理にしても、異世界のものらしいですから」
それはあくまで俺の想像上の話だ。
オルドリッジ様が子供の頃に知り合った大聖女が俺の妻である可能性なんて殆どないのだが、何故かそう考える事でしっくりくる。
単に大聖女と呼ばれる所以を考えて咄嗟に言った事だが、それはなんとなく的を得てる気がしてならなかった。
「はぁ、カードウェリア子爵様はその事を知っているのかもですね」
「そうだな、ますます楽しみだ」
もしや、俺は大聖女と結婚していたのか?
娘は大聖女の娘?
マジか?マジなのか??
いかん、そう考えると本当にそんな気がしてきた。
俺は大それた事をしてたのかもしれんな・・・。
いや、しかし妻も幸せそうだったし・・・幸せだったんだよな?
*
「実は時々、頭に直接、声が聞こえる事があるんです」
「へぇ、そうなんだ。どんな事を言って来てるんだ?」
「信じてくださるのですね・・・、カロリーナ様について行けば間違いがない、とか。この人は危険だ、とか」
「危険って誰に対しての話だ?」
「それが、カードウェリア子爵様なんです」
「───そう・・・なのか」
カードウェリア子爵が?そんな馬鹿な・・・。
今日は一緒に夜通し話したいというのだ。
セシリアは気を使ってディーナ達と過ごすというので、俺たちは寮で二人きりになる事ができた。
ちなみに、フローレンスもディーナと一緒の所で寝泊まりするというのだ。
願ってもない話だった。
この人数で女子会というのは多少違うだろうが、娘と二人きりで話す機会ができるのは嬉しい。
それが世事などではない事は分かっていた。
それだけ、信頼関係が築けていると思っていたのだ。
「あの、お伺いしたい事があるのですが」
「なんだい?言ってごらん」
「カードウェリア子爵様をご存じでしょうか」
カードウェリア子爵と言えば、宰相との間に入って苦労をかけた覚えがある。
未だに宰相との連絡役としてこき使われているはずなのだが、それが娘とどうかかわるのだろうか。
「面識はないけど、彼の事は貴女のお父様から聞いているよ、それがどうかしたの?」
「そのお方が、私を竜騎士団の団長に任命するとおっしゃっていただけたのです、ヴァンテ君を手懐けている事からその資格があると・・・、それと同時に宰相の長男を入団するから仲良くしてほしいと言っていました」
宰相の息子と言えば、今はまだ12歳になっているはずだ。
それを娘に近づけたというのは何か意図があるのだろうか。
「そうか、だが無理する事ものじゃないな。団長か・・・戦闘に娘が駆り出されたとなれば、貴女のお父様もあまり喜ばれないだろう、お飾りでまとめ上げれるだけと言うのであれば団長という地位は悪くないかもしれない」
「そうですね、魔物相手ならどうにかできそうですが、軍となったら人を殺める事になりますよね。先の海戦みたいに・・・」
「あの時、ヴァンテに乗って戦闘を見ていたんだったな、戦争は綺麗事じゃ済まないけど別に生粋の軍人でもない貴女がそれに染まる必要はないよ」
「ですが私は竜騎士団団長の娘です、軍人の娘なんです。父の育てた団を私も守りたい」
「それは心意気だけで・・・」
「あと、お母さんの話を教えてくれるというので・・・」
「うん?誰が?」
「その、カードウェリア子爵様です。生前にお母さんと知り合いだったそうですよ」
「───へぇ、その話、俺も興味がある。話を聞くときに誘ってくれないか?」
「分かりました。次の休息日ですので」
「そうか、それは楽しみだな」
それからしばらく、なぜか料理の話ばかりとなってしまった。
娘にとって母親の記憶なんて殆どなく、俺を経由して知った料理が一番、母を思い出せる話だからだ。
その為、カードウェリア子爵の話には興味があるのだろう。
俺も興味がある。
「そう言えば、私はどうして大聖女と呼ばれてるのでしょう?それが一番分からないのです」
「う~ん・・・ここだけの話、貴女のお母様は異世界から来た大聖女だったという可能性が高いのですよ、貴女がよく知ってる料理にしても、異世界のものらしいですから」
それはあくまで俺の想像上の話だ。
オルドリッジ様が子供の頃に知り合った大聖女が俺の妻である可能性なんて殆どないのだが、何故かそう考える事でしっくりくる。
単に大聖女と呼ばれる所以を考えて咄嗟に言った事だが、それはなんとなく的を得てる気がしてならなかった。
「はぁ、カードウェリア子爵様はその事を知っているのかもですね」
「そうだな、ますます楽しみだ」
もしや、俺は大聖女と結婚していたのか?
娘は大聖女の娘?
マジか?マジなのか??
いかん、そう考えると本当にそんな気がしてきた。
俺は大それた事をしてたのかもしれんな・・・。
いや、しかし妻も幸せそうだったし・・・幸せだったんだよな?
*
「実は時々、頭に直接、声が聞こえる事があるんです」
「へぇ、そうなんだ。どんな事を言って来てるんだ?」
「信じてくださるのですね・・・、カロリーナ様について行けば間違いがない、とか。この人は危険だ、とか」
「危険って誰に対しての話だ?」
「それが、カードウェリア子爵様なんです」
「───そう・・・なのか」
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