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5.モルバーン学園(一年生編)
5-69.カードウェリア子爵邸より(オルドリッジ視点)
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───時はカロリーナが大聖女を救出に向かった直後に巻き戻る。
目の前の執事がただの執事ではないという事に気付いていた。
リリーとエリーを相手して傷の一つも負うことなく、平然と立っているとは驚きを隠せない。
「この国にも腕の立つ奴が居るとは驚きだ。お前さえよければ俺の元で働かないか?有能な者は優遇するぞ」
「何を言ってるのやら、まったく心にもない言葉に惑わされませんよ」
「優遇は本当なのだがな、戦いたいってのがバレては仕方がないな、お前みたいなやつと殺り合えるのが楽しみで仕方ないんだ」
久々に面白い相手だ!
燕尾服で隠れて入るが栄養不足かと思う程に華奢な体、細い腕とは思えない力強さ。
力押しするも跳ね返され幾度も剣と剣がぶつかり合う。
リリーとエリーを牽制しつつ、俺の攻撃を全て受け止めた。
「どこまで耐えれるかな」
「はっ、そんな事をしている間に、アンタの姫は死んでるかもしれないよ」
「カロリーナはそう簡単には死なんよ」
「随分信じてるんだな。うわっ」
執事は唐突に足を取られた。
不思議な事にテーブルと執事の足が一本の堅い紐で結ばれ、足を取られたという状況だ。
「隙ありなのだわっ」
リリーが体を引き裂こうと真横に一閃、短剣が鋭い刃で執事の体を引き裂くかと思いきや、執事は有り得ない程に仰向けに避けたのだ。
体の柔らかさに自身があるのか、起き上がる頃には強度の高い紐が切られて執事の足は自由を取り戻している。
「咄嗟の判断に、その身のこなし、やはりただ者ではないな」
「なんだ、さっきの紐は。お前、何かしただろう」
「さぁな。だが一度ある事は二度三度あるぞ」
俺が剣を喉元に向けて突き刺そうとするのを、執事はまるで躍っているかのように回転して避けようとする。
だが、俺の剣は執事のネクタイを突きあげ、上着の肩ごと貫き、そのまま切り裂く。
「なんだ・・・・避けたハズだ、どうして」
「偶然じゃないか?不思議だよな」
「だが、私の体にはまだ、傷一つ付いていませんよ」
執事は反撃開始と言わんばかりに連撃を繰り出した。
剣が10本にも20本にも見える程に、素早い攻撃だ。
それを避けるのはたやすい事だが、そんな状態をエリーは許さなかった。
剣と剣がぶつかり合い甲高い音が響くとともに、エリーの短剣と執事の長剣が上に反れる。
その瞬間をリリーが短剣を構えて特攻するのだが、執事は短剣を蹴り、軌道を逸らした。
つまるところ、決定打に賭けた攻防が続く訳だが、ふと、執事の服が破れた所に包帯を見つける。
胸元か脇腹かは分からないが何やら怪我を隠しているように見えた。
正直に言えば、正々堂々と戦っていたら傷一つ付けられたか怪しいものだ。
こんな腕の立つ人物、生け捕りにしたと思うのは国を治める者の習性だ。
殺すなんてもったいない。
上手く取り込んで部下に出来れば最高じゃないか。
殺意を織り交ぜて攻撃するのは本気であるように見せるためだが、こいつならどうせ避けるだろうなて思っている。
三人で取り囲み、徐々に体力を奪い、最終的に降参させれば俺らの勝ちと言う訳だ。
それに雇い主を見捨てて逃げるという事は無いだろう。
そちらの方はカロリーナが抑えるだろうから、全く心配していなかった。
子爵を捕まえれば、宰相の首根っこを掴んだも同然。
これから海戦、報復、結婚と忙しくなるのに、同盟国で反乱なんて起こさせてなるものか──
「畳みかけるぞ」
「分かったのだわ」
「行くのですね」
「ははっ、きやが・・・・あ?」
執事は剣を構えると同時に動揺した。
いつの間にか服の各所から、紐が垂れさがっている。
俺達はその紐を一気に引っ張ると、執事はバランスを崩し、上向きに倒れた。
その紐を、家具に固定すると、身動きの取れない生贄の出来上がりと言う訳だ。
「いつのまに!何をしやがった!正々堂々と・・・」
「散々陰でこそこそ動き回っときながら何が正々堂々とだ」
双子が首元に短刀を突きつけ、執事はあえなく捕まった。
と、思ったのだが───
*
「オルドリッジ様はいい加減、まっとうな戦い方で勝つべきだともうのだわ」
「そうですね、卑怯な手ばかり使うのはあきれるばかりなのね」
「お前ら、勝てたならいいだろ?」
「その手をカロリーナ様に使ったら、絶対嫌われるのだわ」
「嫌われるところを見るのも一興なのね」
「カロリーナは激高するだろうな・・・ううむ、いいか、この事は秘密だからな!」
「「はぁ~~~」」
目の前の執事がただの執事ではないという事に気付いていた。
リリーとエリーを相手して傷の一つも負うことなく、平然と立っているとは驚きを隠せない。
「この国にも腕の立つ奴が居るとは驚きだ。お前さえよければ俺の元で働かないか?有能な者は優遇するぞ」
「何を言ってるのやら、まったく心にもない言葉に惑わされませんよ」
「優遇は本当なのだがな、戦いたいってのがバレては仕方がないな、お前みたいなやつと殺り合えるのが楽しみで仕方ないんだ」
久々に面白い相手だ!
燕尾服で隠れて入るが栄養不足かと思う程に華奢な体、細い腕とは思えない力強さ。
力押しするも跳ね返され幾度も剣と剣がぶつかり合う。
リリーとエリーを牽制しつつ、俺の攻撃を全て受け止めた。
「どこまで耐えれるかな」
「はっ、そんな事をしている間に、アンタの姫は死んでるかもしれないよ」
「カロリーナはそう簡単には死なんよ」
「随分信じてるんだな。うわっ」
執事は唐突に足を取られた。
不思議な事にテーブルと執事の足が一本の堅い紐で結ばれ、足を取られたという状況だ。
「隙ありなのだわっ」
リリーが体を引き裂こうと真横に一閃、短剣が鋭い刃で執事の体を引き裂くかと思いきや、執事は有り得ない程に仰向けに避けたのだ。
体の柔らかさに自身があるのか、起き上がる頃には強度の高い紐が切られて執事の足は自由を取り戻している。
「咄嗟の判断に、その身のこなし、やはりただ者ではないな」
「なんだ、さっきの紐は。お前、何かしただろう」
「さぁな。だが一度ある事は二度三度あるぞ」
俺が剣を喉元に向けて突き刺そうとするのを、執事はまるで躍っているかのように回転して避けようとする。
だが、俺の剣は執事のネクタイを突きあげ、上着の肩ごと貫き、そのまま切り裂く。
「なんだ・・・・避けたハズだ、どうして」
「偶然じゃないか?不思議だよな」
「だが、私の体にはまだ、傷一つ付いていませんよ」
執事は反撃開始と言わんばかりに連撃を繰り出した。
剣が10本にも20本にも見える程に、素早い攻撃だ。
それを避けるのはたやすい事だが、そんな状態をエリーは許さなかった。
剣と剣がぶつかり合い甲高い音が響くとともに、エリーの短剣と執事の長剣が上に反れる。
その瞬間をリリーが短剣を構えて特攻するのだが、執事は短剣を蹴り、軌道を逸らした。
つまるところ、決定打に賭けた攻防が続く訳だが、ふと、執事の服が破れた所に包帯を見つける。
胸元か脇腹かは分からないが何やら怪我を隠しているように見えた。
正直に言えば、正々堂々と戦っていたら傷一つ付けられたか怪しいものだ。
こんな腕の立つ人物、生け捕りにしたと思うのは国を治める者の習性だ。
殺すなんてもったいない。
上手く取り込んで部下に出来れば最高じゃないか。
殺意を織り交ぜて攻撃するのは本気であるように見せるためだが、こいつならどうせ避けるだろうなて思っている。
三人で取り囲み、徐々に体力を奪い、最終的に降参させれば俺らの勝ちと言う訳だ。
それに雇い主を見捨てて逃げるという事は無いだろう。
そちらの方はカロリーナが抑えるだろうから、全く心配していなかった。
子爵を捕まえれば、宰相の首根っこを掴んだも同然。
これから海戦、報復、結婚と忙しくなるのに、同盟国で反乱なんて起こさせてなるものか──
「畳みかけるぞ」
「分かったのだわ」
「行くのですね」
「ははっ、きやが・・・・あ?」
執事は剣を構えると同時に動揺した。
いつの間にか服の各所から、紐が垂れさがっている。
俺達はその紐を一気に引っ張ると、執事はバランスを崩し、上向きに倒れた。
その紐を、家具に固定すると、身動きの取れない生贄の出来上がりと言う訳だ。
「いつのまに!何をしやがった!正々堂々と・・・」
「散々陰でこそこそ動き回っときながら何が正々堂々とだ」
双子が首元に短刀を突きつけ、執事はあえなく捕まった。
と、思ったのだが───
*
「オルドリッジ様はいい加減、まっとうな戦い方で勝つべきだともうのだわ」
「そうですね、卑怯な手ばかり使うのはあきれるばかりなのね」
「お前ら、勝てたならいいだろ?」
「その手をカロリーナ様に使ったら、絶対嫌われるのだわ」
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「カロリーナは激高するだろうな・・・ううむ、いいか、この事は秘密だからな!」
「「はぁ~~~」」
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