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5.モルバーン学園(一年生編)
5-89.王宮にて
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ファーヴニルには一つ頼み事をして山に戻ってもらい、宰相はオルドリッジ様の部下によって拘束された。
アレグサンダーは未だに王座に座ってはいるが、最早負けを認めたのか力なく項垂れていた。
既に冷たくなった陛下は丁重に運び出し、後に国葬にする事になるだろう。
そして俺は、オルドリッジ様に言うべき事があり、その機会を得ていたのだ。
「なあ、アレグサンダーを生徒会に戻せないかな」
「カロリーナがそう言うのであれば、可能なのではないか?この国の王なのだろう?」
「じゃあ、コイツの身柄はオルドリッジ様に任せる」
「承った」
「それで、その、一つ謝らなくてはならい事がある」
「なんだい?」
「俺・・・実は・・・」
ちゃんと言わなくてはならないのは分かっている。
それなのに口が重くなり、言葉にする事ができなかった。
そんな状況にアレグサンダーが口を挟んできた。
「はは・・・カロリーナは俺の女になったんだ、俺が初めてを奪ってやったのだからな!残念だな!オルドリッジ!」
「五月蠅いぞ、少し黙ろうか」
冷たい言葉がアレグサンダーを突き刺し、アレグサンダーは沈黙した。
俺もその事に反論は出来なかった。
「すまない」
謝る事しかできなかった。
だが、オルドリッジ様はそっと俺を抱きしめたのだ。
「何を謝っているのかは分からないな」
「だって、俺、初めてを、守れなかった・・・」
「カロリーナの気持ちが俺に向いているならそれでいい。本意ではないのだろう?だったら俺は許すよ」
「オルドリッジ様・・・抱いて・・・くれないか・・・」
俺はオルドリッジ様に身を捧げるつもりで言ったのだが、その言葉に反応したのはアレグサンダーだった。
「カロリーナ!早まるな!」
「もう、してもらうしかないじゃないか!全部お前のせいなんだからな!」
「違うんだ、カロリーナ・・・、俺は結局、できなかったんだ」
「どういう事だ、あの血は何の血だったんだ」
「あれは別の所を切って出した血だよ・・・お前はまだ処女のままなんだよ!」
「そう・・・そうなのか・・・」
「じゃあ、今、それを俺に捧げるという事で良いのかな」
「あ・・・あのな、誤解だったみたいだし?」
とてもいい笑顔をするオルドリッジ様に焦った。
こいつ、本気で奪い来る気だ。
これまで割と節操が無かったが、そういう行為だけは自制してくれていた。
「でも、抱かれたいのだろ?」
その一言に反論できなかった。
そして、連れられた適当な部屋で、押し倒された。
覚悟を決めるしかない。
この体にとってそれが一番いい事なのだと自身に言い聞かせ、受け入れようとした。
優しいキスをされ、頭を撫でられた。
「じゃあ、暫くこの部屋で時間を潰してから出よう。カロリーナは初めてを俺に捧げたというのは口裏合わせてくれよ、そうだ、アレグサンダー君に倣ってちょっと血の跡でも残しておくか」
そう言うと、刃物で親指を切り、ベッドに押し付ける。
「・・・やらないのか」
「そんな一時の感情に任せて抱くほど、愚かではないよ、もうちょっと自分の体を大事にしような」
「とかいいながら、ケツは堀ったくせに」
「それはお互い様だろ、もう忘れてくれよ」
「はぁ・・・、おれはやってしまっても良いと思ってるんだけどな」
したからどうなるものでもない、ただ、安心するだけだ。
求められているという事が分かるだけでいい。
そんなささやかな事を、確認するための通過儀礼のように思ってしまっていた。
「馬鹿言うな、これはケジメだよ。そもそもカロリーナはまだ体が子供じゃないか、そんな事をするのは大きくなってから出いいんだぞ、色んなところがな」
「一言余計だ。だが・・・これも言ってなかった事だが、俺は普通の人間ではない。子を成す事は出来るらしいが、お前と一緒に老いて死ぬことはできんらしい」
「それはそうだろうな」
「知っていたのか・・・そんな俺でもいいのか」
「ファーヴニル様に認められるというのはそう言う事だよ。俺がお前に惹かれているのも、そういうところとだと覚えておけ」
「そうか・・・わかったよ」
最初の切っ掛けは違ったとしても、今はそう言う事なのだろう。
それについて深く突っ込む事はしなかった。
「それにしても、女王になってしまったか。どんどん大物になってゆくな」
「とはいえ、学園はちゃんと卒業するつもりだから、細かい事は父に任せようと思っている。国王という器でもないだろうしな」
「義父様も大変だな、何かあれば時に考えればいいだろう、いまはゆっくり休め」
優しく頭を胸元に引き寄せられるのも、嫌な感じがしない。
胸元に耳があたり心臓の音が聞こえてくるのが心地よい。
見上げると優しい笑みを向けてくれる。
いい加減、女としての生を受け入れるしかないと思い始めていた。
まずは、自称からか。
せめて『俺』を『私』に変えるべきだと思った。
ただ、そんな風に女みたいになっていく様を娘はどう思うだろうか。
それだけが気がかりだった。
そういう考えである事を言ってみるしかないな。
*
「ところで、いつの間に王宮に向かってきたんだ?」
「カロリーナがアレグサンダー君に会いに行くと言って飛び出してすぐだよ、港の制圧で随分時間がかかったけどな」
「じゃあフローレンスとは会っていないのか」
「会ってないな、どこにいるんだ?」
「今は船上だよ、私が保護して連れて行った」
「私?」
「変か?」
「・・・まぁ、好きすればいい」
「ん」
斯くして、バーランド王国の反乱は収束する事となる。
私としては暴れたりないし、大して役に立てていない事が不満だ。
次からは昼間に反乱を起こしてほしいものだな。
─────────────────────────────────────────
ここまでお読みいただき有難うございます。
5章の設定資料の次は6章は主人公が二年生からスタートします。
リアル多忙に付きペースが落ちていますが、当面の間2~3日に1話ペースができればと考えています。
5章の設定資料なのですがプロットと実際の内容との乖離が酷くて文面にするのに時間がかかってる状況です。
もうちょっと刻めばよかったかもですね。
さて、自由に生きたいという主人公の意向からどんどんかけ離れている現状ですが、本人には何やら考えがある様子。
自由になったら何するのでしょうねえ。
アレグサンダーは未だに王座に座ってはいるが、最早負けを認めたのか力なく項垂れていた。
既に冷たくなった陛下は丁重に運び出し、後に国葬にする事になるだろう。
そして俺は、オルドリッジ様に言うべき事があり、その機会を得ていたのだ。
「なあ、アレグサンダーを生徒会に戻せないかな」
「カロリーナがそう言うのであれば、可能なのではないか?この国の王なのだろう?」
「じゃあ、コイツの身柄はオルドリッジ様に任せる」
「承った」
「それで、その、一つ謝らなくてはならい事がある」
「なんだい?」
「俺・・・実は・・・」
ちゃんと言わなくてはならないのは分かっている。
それなのに口が重くなり、言葉にする事ができなかった。
そんな状況にアレグサンダーが口を挟んできた。
「はは・・・カロリーナは俺の女になったんだ、俺が初めてを奪ってやったのだからな!残念だな!オルドリッジ!」
「五月蠅いぞ、少し黙ろうか」
冷たい言葉がアレグサンダーを突き刺し、アレグサンダーは沈黙した。
俺もその事に反論は出来なかった。
「すまない」
謝る事しかできなかった。
だが、オルドリッジ様はそっと俺を抱きしめたのだ。
「何を謝っているのかは分からないな」
「だって、俺、初めてを、守れなかった・・・」
「カロリーナの気持ちが俺に向いているならそれでいい。本意ではないのだろう?だったら俺は許すよ」
「オルドリッジ様・・・抱いて・・・くれないか・・・」
俺はオルドリッジ様に身を捧げるつもりで言ったのだが、その言葉に反応したのはアレグサンダーだった。
「カロリーナ!早まるな!」
「もう、してもらうしかないじゃないか!全部お前のせいなんだからな!」
「違うんだ、カロリーナ・・・、俺は結局、できなかったんだ」
「どういう事だ、あの血は何の血だったんだ」
「あれは別の所を切って出した血だよ・・・お前はまだ処女のままなんだよ!」
「そう・・・そうなのか・・・」
「じゃあ、今、それを俺に捧げるという事で良いのかな」
「あ・・・あのな、誤解だったみたいだし?」
とてもいい笑顔をするオルドリッジ様に焦った。
こいつ、本気で奪い来る気だ。
これまで割と節操が無かったが、そういう行為だけは自制してくれていた。
「でも、抱かれたいのだろ?」
その一言に反論できなかった。
そして、連れられた適当な部屋で、押し倒された。
覚悟を決めるしかない。
この体にとってそれが一番いい事なのだと自身に言い聞かせ、受け入れようとした。
優しいキスをされ、頭を撫でられた。
「じゃあ、暫くこの部屋で時間を潰してから出よう。カロリーナは初めてを俺に捧げたというのは口裏合わせてくれよ、そうだ、アレグサンダー君に倣ってちょっと血の跡でも残しておくか」
そう言うと、刃物で親指を切り、ベッドに押し付ける。
「・・・やらないのか」
「そんな一時の感情に任せて抱くほど、愚かではないよ、もうちょっと自分の体を大事にしような」
「とかいいながら、ケツは堀ったくせに」
「それはお互い様だろ、もう忘れてくれよ」
「はぁ・・・、おれはやってしまっても良いと思ってるんだけどな」
したからどうなるものでもない、ただ、安心するだけだ。
求められているという事が分かるだけでいい。
そんなささやかな事を、確認するための通過儀礼のように思ってしまっていた。
「馬鹿言うな、これはケジメだよ。そもそもカロリーナはまだ体が子供じゃないか、そんな事をするのは大きくなってから出いいんだぞ、色んなところがな」
「一言余計だ。だが・・・これも言ってなかった事だが、俺は普通の人間ではない。子を成す事は出来るらしいが、お前と一緒に老いて死ぬことはできんらしい」
「それはそうだろうな」
「知っていたのか・・・そんな俺でもいいのか」
「ファーヴニル様に認められるというのはそう言う事だよ。俺がお前に惹かれているのも、そういうところとだと覚えておけ」
「そうか・・・わかったよ」
最初の切っ掛けは違ったとしても、今はそう言う事なのだろう。
それについて深く突っ込む事はしなかった。
「それにしても、女王になってしまったか。どんどん大物になってゆくな」
「とはいえ、学園はちゃんと卒業するつもりだから、細かい事は父に任せようと思っている。国王という器でもないだろうしな」
「義父様も大変だな、何かあれば時に考えればいいだろう、いまはゆっくり休め」
優しく頭を胸元に引き寄せられるのも、嫌な感じがしない。
胸元に耳があたり心臓の音が聞こえてくるのが心地よい。
見上げると優しい笑みを向けてくれる。
いい加減、女としての生を受け入れるしかないと思い始めていた。
まずは、自称からか。
せめて『俺』を『私』に変えるべきだと思った。
ただ、そんな風に女みたいになっていく様を娘はどう思うだろうか。
それだけが気がかりだった。
そういう考えである事を言ってみるしかないな。
*
「ところで、いつの間に王宮に向かってきたんだ?」
「カロリーナがアレグサンダー君に会いに行くと言って飛び出してすぐだよ、港の制圧で随分時間がかかったけどな」
「じゃあフローレンスとは会っていないのか」
「会ってないな、どこにいるんだ?」
「今は船上だよ、私が保護して連れて行った」
「私?」
「変か?」
「・・・まぁ、好きすればいい」
「ん」
斯くして、バーランド王国の反乱は収束する事となる。
私としては暴れたりないし、大して役に立てていない事が不満だ。
次からは昼間に反乱を起こしてほしいものだな。
─────────────────────────────────────────
ここまでお読みいただき有難うございます。
5章の設定資料の次は6章は主人公が二年生からスタートします。
リアル多忙に付きペースが落ちていますが、当面の間2~3日に1話ペースができればと考えています。
5章の設定資料なのですがプロットと実際の内容との乖離が酷くて文面にするのに時間がかかってる状況です。
もうちょっと刻めばよかったかもですね。
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