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6.モルバーン学園(二年生編)
6-10.商業ギルドにて
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しばらくして、木で作られた人形が会議室に運ばれた。
「ここでやって良いのかい?二次被害が出ても君達のせいだからね」
「殴るだけでしょう?大聖女の暴力がどれほどのモノなんですか」
「わかった、じゃあフランチェスカ、本気で頼むよ」
「おや、木偶人形の顔に届きませんかね、胴体でもいいんですよ?ハッハッハ」
確かに木偶人形の顔の位置は子供が頑張って手が届くか届かないかの位置にあった。
だが、娘がその程度高さに怯む訳がない。
「行きます───」
娘は軽く飛び上がると同時に拳を木偶人形に打ち込んだ。
顔面への見事な右ストレートパンチが入る。
だが、撃ち込まれた力を木偶人形は勢いを吸収しきれなかった。
弾き飛ぶ木偶人形は轟音と共に、ノーラとギルド長目指して飛んで行く。
二人がぶつかって大怪我したところで自業自得なのだが、それを受け止めたのはウィリアムだった。
「フランチェスカ、また力の入れ方が上手くなったようだね」
「ううん、ジャンプした分、力が入らなかったからいまいちね」
「危ないでしょ!」
ノーラが怒っているが、ウィリアムが木偶人形の顔を見せるとノーラが後退りした。
「あのさ、竜騎士団の前団長に鍛えられたフランチェスカが本気で殴るって言うのはこういう事なんだよ」
木偶人形の顔の部分は抉れて原型をとどめていなかった。
それを受け止めた上で、破片も全て受け取ったのだから、ウィリアムも中々やるようになっている。
この一年でどんな訓練したらこうなるのだろうか。
「殴ったかどうかは兎も角、農家を守ろうとしたフランチェスカを妨害した理由を聞いてもいいか?ノーラ」
「だって・・・ロレンツォ叔父様に頼み込まれたから」
「ほう、親戚だったのか。それで何を頼み込んだんだ?」
「農家がごねてたら説得して欲しいって・・・適性価格で買い取ってるのに、値上げ交渉なんて卑怯じゃないですか」
「商業ギルドが独占した市場でタダ同然の買取をしていたんだ、どちらが卑怯なんだ」
「そんなの何が適性かなんて私には分かりませんわ!」
「ならば口を出すべきではない、実際農家は着るものをみてもかなり貧困が見て取れただろ?」
「地方の平民、特に農民なんてそんなものでしょう?」
「お前は少し常識を知る事だ、それから、フランチェスカに謝る事だな」
「うう・・・私っ悪くありませんわ!」
中々謝ろうとしないだけでなく、この場から逃げ出してしまった。
それを追いかける気にもなれず、未だに腰を抜かしているギルド長に視線をやった。
「まぁ、今回の嘘については、どうするかを考えるとして、ギルドが買取している額が不当に低い額と言う事は分かっている。それを改善しないのであれば、流通組織を新たに作る事になる。一部の地域には既に領主の調査が入っている頃だろう」
「農作物の生産なんて、聖女が頑張ればいくらでも生産量増やせるだろう?だったら今の買取値でも十分なはずだ、生産量が上がらないのは聖女がさぼってたからなんだぞ!そこの大聖女がサボったって事だからな!」
「何を言っているんだ?フランチェスカが農地を回るようになったのは今年が初めてだぞ。それに買い取った穀物を店に卸す時の差額は何だよ。随分儲かる仕事してるんだな?そのお金がどこに行ってるか当ててやろうか?」
「へ、、、陛下であろうとも、ここに口出す事はできないからな!それこそ越権行為だぞ!」
「はっ、まぁいい、次に来た時に仕入れ値と販売価格が改定されてなきゃ、次は元締めに責任を問うからな。あと、これまでの不当に値段を操作した分は遡って清算する事だ。いや、清算する事になると言っておこう」
「な・・・なんだと、何をする気だ!?」
「まぁ、もう根回しは済んでいる、新組織を作るかどうかはおまら次第だからな」
「そ、そんな脅しに屈するものか・・・」
中々抵抗するものだ。
私はバッキンガルム侯爵に計画を明かしてある。
昨日の今日の話でまだ進んでいないだろうが、商業ギルドはそのツケを払う事になるだろう。
そして、もし破綻するのであれば、新組織をつくるまでだ。
流通の健全化さえ成す事ができれば、これ以上、この組織をつつく気はない。
ついでに、ギルドから出るついでに余計な事を周りに言ってみた。
「ニ、三週間もすれば、販売価格下がるそうだぞ~。今買い込む奴は気を付けろよな」
そう言うと客が一斉にざわつき、受付けに押しかけた。
キャンセルが相次いだのか、受付けは大混雑となってしまった。
受付はサボりまくってるのだから、そこも反省してもらえればと思うところだ。
*
「ウィリアム・・・お前、ちょっとは男らしくなったな」
「ちょっとだけかい?手厳しいなぁ、もうちょっと評価してくれてもいいじゃないか」
「まぁ、次第点って所だな」
「へぇ、惚れ直した?」
「今、現点により次第点を割り込んだ。残念だな」
「なんでだよ!」
「ここでやって良いのかい?二次被害が出ても君達のせいだからね」
「殴るだけでしょう?大聖女の暴力がどれほどのモノなんですか」
「わかった、じゃあフランチェスカ、本気で頼むよ」
「おや、木偶人形の顔に届きませんかね、胴体でもいいんですよ?ハッハッハ」
確かに木偶人形の顔の位置は子供が頑張って手が届くか届かないかの位置にあった。
だが、娘がその程度高さに怯む訳がない。
「行きます───」
娘は軽く飛び上がると同時に拳を木偶人形に打ち込んだ。
顔面への見事な右ストレートパンチが入る。
だが、撃ち込まれた力を木偶人形は勢いを吸収しきれなかった。
弾き飛ぶ木偶人形は轟音と共に、ノーラとギルド長目指して飛んで行く。
二人がぶつかって大怪我したところで自業自得なのだが、それを受け止めたのはウィリアムだった。
「フランチェスカ、また力の入れ方が上手くなったようだね」
「ううん、ジャンプした分、力が入らなかったからいまいちね」
「危ないでしょ!」
ノーラが怒っているが、ウィリアムが木偶人形の顔を見せるとノーラが後退りした。
「あのさ、竜騎士団の前団長に鍛えられたフランチェスカが本気で殴るって言うのはこういう事なんだよ」
木偶人形の顔の部分は抉れて原型をとどめていなかった。
それを受け止めた上で、破片も全て受け取ったのだから、ウィリアムも中々やるようになっている。
この一年でどんな訓練したらこうなるのだろうか。
「殴ったかどうかは兎も角、農家を守ろうとしたフランチェスカを妨害した理由を聞いてもいいか?ノーラ」
「だって・・・ロレンツォ叔父様に頼み込まれたから」
「ほう、親戚だったのか。それで何を頼み込んだんだ?」
「農家がごねてたら説得して欲しいって・・・適性価格で買い取ってるのに、値上げ交渉なんて卑怯じゃないですか」
「商業ギルドが独占した市場でタダ同然の買取をしていたんだ、どちらが卑怯なんだ」
「そんなの何が適性かなんて私には分かりませんわ!」
「ならば口を出すべきではない、実際農家は着るものをみてもかなり貧困が見て取れただろ?」
「地方の平民、特に農民なんてそんなものでしょう?」
「お前は少し常識を知る事だ、それから、フランチェスカに謝る事だな」
「うう・・・私っ悪くありませんわ!」
中々謝ろうとしないだけでなく、この場から逃げ出してしまった。
それを追いかける気にもなれず、未だに腰を抜かしているギルド長に視線をやった。
「まぁ、今回の嘘については、どうするかを考えるとして、ギルドが買取している額が不当に低い額と言う事は分かっている。それを改善しないのであれば、流通組織を新たに作る事になる。一部の地域には既に領主の調査が入っている頃だろう」
「農作物の生産なんて、聖女が頑張ればいくらでも生産量増やせるだろう?だったら今の買取値でも十分なはずだ、生産量が上がらないのは聖女がさぼってたからなんだぞ!そこの大聖女がサボったって事だからな!」
「何を言っているんだ?フランチェスカが農地を回るようになったのは今年が初めてだぞ。それに買い取った穀物を店に卸す時の差額は何だよ。随分儲かる仕事してるんだな?そのお金がどこに行ってるか当ててやろうか?」
「へ、、、陛下であろうとも、ここに口出す事はできないからな!それこそ越権行為だぞ!」
「はっ、まぁいい、次に来た時に仕入れ値と販売価格が改定されてなきゃ、次は元締めに責任を問うからな。あと、これまでの不当に値段を操作した分は遡って清算する事だ。いや、清算する事になると言っておこう」
「な・・・なんだと、何をする気だ!?」
「まぁ、もう根回しは済んでいる、新組織を作るかどうかはおまら次第だからな」
「そ、そんな脅しに屈するものか・・・」
中々抵抗するものだ。
私はバッキンガルム侯爵に計画を明かしてある。
昨日の今日の話でまだ進んでいないだろうが、商業ギルドはそのツケを払う事になるだろう。
そして、もし破綻するのであれば、新組織をつくるまでだ。
流通の健全化さえ成す事ができれば、これ以上、この組織をつつく気はない。
ついでに、ギルドから出るついでに余計な事を周りに言ってみた。
「ニ、三週間もすれば、販売価格下がるそうだぞ~。今買い込む奴は気を付けろよな」
そう言うと客が一斉にざわつき、受付けに押しかけた。
キャンセルが相次いだのか、受付けは大混雑となってしまった。
受付はサボりまくってるのだから、そこも反省してもらえればと思うところだ。
*
「ウィリアム・・・お前、ちょっとは男らしくなったな」
「ちょっとだけかい?手厳しいなぁ、もうちょっと評価してくれてもいいじゃないか」
「まぁ、次第点って所だな」
「へぇ、惚れ直した?」
「今、現点により次第点を割り込んだ。残念だな」
「なんでだよ!」
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