二律背反の僕と私 ~人生を共にする事になった二人のまったり異世界冒険ライフ~

なのの

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1.チュートリアル

1-2.

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【真昼視点】

 私は意気揚々と深い森の中を鼻歌交じりに歩いていた。
 気分は森林浴だ。
 人が通った道があって、おまけに神様のナビゲートがあるから迷子にはならないと安心している。
 怖いのは──

 ジェリーイーターが現れた!
 それはほぼ液体で一部が盛り上がっている定番の魔物だ。

「きたー!キモイヤツ!」
『ジェリーイーターは堅い刃物がいいんだけど、持ってないから魔法使ってね、指先に集中する感じで呪文は──』
『いいなぁ、僕も使いたいなぁ』

 私は銃を撃つイメージで人差し指をジェリーイーターに向けた。
 そうしてる間にジェリーイーターに襲い掛かって来る。
 初めの魔法で戸惑った私は避ける事もせずに呪文を唱えた!

氷結杭アイスニードル!』

 氷の杭がジェリーイーターのコアを直撃する。
 その勢いでジェリーイーターの体液が真昼に降りかかった。
 だが、その体液は徐々に消滅し、そしてキラキラした物が地面に落ちる。

「──やったわ!って、何これ頭がくらくらする」

 風邪で高熱が出てるような感覚。
 平衡感覚を失い、立っていることもできないような状態に陥る。
 私はそのまま、倒れそうになりながらも木にもたれた。

『今回特別に経験値10倍にしてるから、レベルアップで体が異変を起こしているんだよ』
「どれくらい続「乗っ取ったぜ!って僕はくらくらしないのは……そうかスキルは個別だから、レベルも個別なのか」
『Exactly!所で、君達、ここでの名前は何にするんだい?』

「じゃあ、僕は名前から“シン”で」
『私はお昼の0時の“レイ”でいいわ、ってなにこれ』
「どうしたの?」

 私の周りには四畳半の畳の間とカラーボックスが浮いていた。
 もしかすると浮きながらくつろげる感じかと思って畳の間に降り立つ、そしてゴロゴロと寝転がってみる。

『すっごい落ち着く!いいね、これ』
「なんなんだよ!教えてくれよ」
『それはレベルアップしたから、幽体向けの空間と家具が追加されたんだ、先ほどのジェリーイーターから落ちたアイテムをレイが拾ってみてくれないか』
『こうかしら?』

 私はただ拾っただけなのに、シンの目には拾った時点で消えた様に見えている様だった。
 シンは「消えた!?」と言ってうろたえるのが少し面白い。

『カラーボックスに入れとくね、これ取り出すのはどうするの?』
『幽体側が手に取って本体に渡すだけだよ。幽体と入れ替わった時点で家具がアップデートされるからレベルアップしたら入れ替わるってみるといい』
「なるほど」『なるほどね』

 私は、ジェリーイーターから出て来たアイテムをマジマジと見ていた。
 これは何なのかな?キラキラしていて小さな宝石にも見える。

『さっきのアイテムは魔石だね、町のギルドに行けば買い取って貰えるよ』
『ありきたりねぇ』
「まぁそれもいいんじゃない?美しいテンプレだよ」

 私はくつろぎながら歩いてゆく先を眺めていた。
 すると何か兎の様な生き物が見える。

『少し先に、ウサギが居るね』
「じゃあそれを倒そう、僕も経験値ほしいし!」

 シンが走ってウサギに近寄った。
 彼が持っているのはヒノキの棒、それで倒せるとはあまり思えないけど、タコ殴りにしてグロい事にならない事を祈った。
 だけど、ウサギはただのウサギじゃなかった。
 シンに向かって、ガバァと大きな口を開ける。
 それはサメの歯が目の前にあると思うくらい、大きくて鋭かった。
 シンは恐怖に襲われながら咄嗟にヒノキの棒を振り下ろした。

「ていやぁ」

 ズドーンと言う音と共に哀れ、ウサギは真っ二つに。

『うーわ、グロぉ、アイテムでないんだ、その代わり死体が残るんだね』
『さっきのはサメ兎だねぇ、死体は動物なら残るよ。そのままでも良いけど捌いた方が高く売れるね。まぁ、狂暴だから気を付けて』
「先に言ってよ!ってうわぁ、気持ち悪っ、これがレベルアップの影響か……」
『これ拾うのヤだなぁ~』

 そう言いつつも私は、サメ兎の片割れを指でつまんで、拾い上げた。
 するとしたたり落ちていた血がピタッと止まる。

『もしかしてこの空間って、時間停止してる?』
『Exactly!中々どうして飲み込みが良くて助かるよ』
『つまり、熱々のコーヒー持ち込めば、いつまでも熱々のままなのね、って幽体じゃ飲み食いできないか』
『はは、そうなんだ、でも加工は出来るからね、暇なら捌くといいよ、今はナイフがないから手に入れてからね』
『その前に血抜きでしょ、面倒だわぁ』
「レベルアップで気持ち悪いんだけど、交代してくんない?」
『やだ(笑)』

 だって幽体の方が楽なんだもん。
 歩くのも面倒だし、町までこのままでいいよね。
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