二律背反の僕と私 ~人生を共にする事になった二人のまったり異世界冒険ライフ~

なのの

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1.チュートリアル

1-3.

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【シン(深夜)視点】

 僕はレベルアップが気持ち悪くて木にもたれ掛かっていた。
 レイはそんな僕の事なんて気に掛けずにゴロゴロしているらしい。
 僕もあっちに行きたいんだけどな。
 僕はそんな状態から気を紛らわせる為に、レイを会話に巻き込む事にした。

「ねぇ、僕の顔ってどんな感じ?」
『そうねぇ、活発そうな少年?高校生かな?元の年齢は何歳だったの?』
「16歳、でも元気な少年って感じじゃなかったかなぁ、大人しい感じ」
『じゃあ容姿はちょっと違うのね、私のはどうだった?』
「可愛かったよ!」
『ちょっと!そんな褒めたってなにもでないわよっ、もうっ。容姿を教えてよぉ』
「同じ高校生くらいかなぁ?黙ってればお淑やかなお嬢さんで通りそうだったかな?そうだ、ステータスとかないかな?掛け声で開くとか。ステータオープン!……駄目かぁ?」
『あぁ、そうだな、一度入れ替わって見てくれるか、きっとそろそろ来るハズだ』

 そう言われるとレイも渋々交代する事にしたらしい。
 幽体になった僕の前には、四畳半の畳とカラーボックス、そして本があった。

『本が追加され…って事かな?』
「え?なにそれ、見たい!見たい!代わってよ~」
『とりあえず、僕がみるから待って』

 本には僕達の事が書かれていた、色々書いてあるけど殆どが意味がなかった。
 そこを省略すると…

 名前:シン 年齢:16歳(ロック中) レベル:5 加護:三等神アウルゲルミル
 名前:レイ 年齢:16歳(ロック中) レベル:5 加護:三等神アウルゲルミル

 意味がない所には職業、住所、といった項目は軒並み「なし」が並んでいる。
 というか、意味があるって言ってもロック中?三等神アウルゲルミル?なにそれ。

『今はまだ、レベルがわかる程度だね、ちなみに君達、この世界じゃ12歳くらいに見られるから気を付けて』
「って、神様は、三等神アウルゲルミルって名前なの?」
『そうだよ。元は二等神だったんだけどね、君達へのミスで降格になってしまったんだ』
「もしかして、形を保てなくなってるのも、そのせいかしら?」
『そう言う事だよ。察しがいいね』

 なるほど、こうしてフォローしてるのもきっと罪滅ぼしという訳ではなくて、そういう罰なのかも。
 そして、僕はレベルアップの気分の悪さが無くなっている事に気付いた。

『もしかしてさ、レベルアップの気分が悪いみたいな時間経過で治るモノって、その時間幽体になってれば回避できる?』
「あ、そうかも、私、今気分わるくないもの」
『そうだよ。もし毒を喰らっても、即死じゃない限りこっちの部屋に来れば治るね』
「でもそれ、1秒だけ幽体になったなんてだけじゃ、だめなんでしょ?長期的な毒だた場合はどうなるの?」
『だめだね。長期の毒なら毒が抜けるまでこっちにいないと意味無いよ』

 なんだか、RPGでライフが二つある感じに思えた。
 耐性系ってどうなんだろう?と素朴に感じた僕は確認してみた。

『早く何か倒してレベルアップしようよ』
「じゃあ、シンが探してよ。幽体ならできるでしょ」

 僕はもしかしたらと思って、上空空高くに登ろうとした。
 ところが3m程登った所でなにか後ろ髪を引かれている気がした。

『上昇上限なのかな、3mくらいしか登れないや』
「このあたりの木って背が高いからよじ登る事もできないし……」

 遠くを眺めてもただひたすら森が続くだけ。
 この森はどこまで続くのか少し不安になっていると、何かゴソリと動く物が見えた。

『何かいる』
「どこ?経験値どこ?」

 そう言ってレイは走り出した。
 魔物を経験値と呼称する当たり、少しバトルジャンキーの匂いがする。

『まっすぐ行った先の右側の木の陰、そっちからじゃ見えないかも』
「見え……あっ、靴!?」

 見えた先に有ったのは靴だけかと思いきや、その近くに少女が血まみれで倒れていた。

「ちょっとしっかりしなさい!」
『生きてるの?大丈夫?』
「タス…ケテ……」

 少女はその一言を残し、気を失った。
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