甘い友達〜僕たちは友達…これからもずっと〜

こぉぷ

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僕たちは友達…(望編)

10.再会

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 千遥チハルの手がかりを求めて
 元バイト先の娯楽施設を訪れたけど
 結局 何も分からず施設を後にした


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「はぁっ……」

 途方に暮れ駅に向かって歩く

 プププーッ

 軽トラが横付けする

「どこの兄ちゃんかと思たわ!
 どこ行くんや 乗せてったろか?」

菊池キクチの爺さん…」

 実家の同じ町会の町会長だ

 軽トラの助手席に乗り込む

「すみません
 ありがとうございます」

ノゾムくんも男前んなったなぁ
 ワシの若い頃にそっくりやで
 どや? うちの孫を嫁に」

「あ! 菊池さん!」

「わっ!? 急に でかい声出したら
 ビックリするやないか!」

「すみません、あの!
 櫻坂オウサカって家知りませんか?」

「大阪? 関西のか?」

「いえ、旧漢字の櫻に坂道の坂で
 オウサカです、知りませんか?」

なぁ……知らんなぁ
 悪いなァ、ちからんなれんでよ」

「いえ、大丈夫です
 ありがとうございました」

 実家前で降ろしてもらった


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「あら、早かったね」

「うん」

「……餅何個食う?」

「うん」

「……10個?」

「うん」

「20個にしよか?」

「うん」

「……どしたん?あんた…」

「うん」



『──千遥ちゃん
 その頃出入りしてた業者の人に
 ちょっかい出されてたみたいなんよ』


 さっき娯楽施設で聞いた
 館長の奥さんの言葉を思い出していた

  ってなんだよ
 聞いてねぇし……

 千遥がバイトを辞めた頃を
 思い出してみる……

 特に何も思い当たらない……

 仲良かったとは言っても
 バイト中はそんなに話せないし

 夜に帰りが同じタイミングなら
 僕は自転車で通ってたから
 千遥の乗るバスが来るまで
 バス停で話すとかぐらいで……

 2人でゆっくり過ごすとかはなかった
 お互いをよく知っているかと言えば
 たいして知らないんだよな……
  
「……あれ?そういや年賀状……」

 住所教えたことないよな……

 スマホを出しSNSを開く
 DM受信のマークが点灯していた

「あっ!」

 千遥だ!

「うわっ!もう!なんやねん!」

 姉貴の声はスルーして
 慌ててタップする

『あけおめ』

 そのたった 一言

「ちはるいまどこ」

 変換する余裕もなく送信
 すぐに既読された

 繋がってる!

「千遥 話があるんだ」

『今から会う?』

「会う!」

「ぅわっ⁉︎」

 口に出しながら打っていた

「もうヤダ~! なん?この子ぉ
 母さ~ん!望がおかしいー!」

「そんなん昔からやん?」

「せやったな」

 コタツから飛び出す

「あんた またどこ行くん?」

友達ダチと会うてくる!」

「ちょ望!……あ~ぁ…行ってもた」

「あらま……去年はずっと
 ゴロゴロしとったんに
 今年は遊んでくれる子が
 見つかったんやね~」

「アイツ美専行き出してから
 イキって標準語喋っとんのに
 最後訛ったな( ´罒`)ヒヒヒ」

「ホンマやな父さん♪( *¯꒳¯*)ニヤ」


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 ──駅に到着
 改札を過ぎると
 ホームは初詣の行き帰りの客で
 ごった返していた

 到着した電車に乗り込み
 扉近くを陣取った

 親子連れやカップル
 華やかな着物を着た友達同士
 みんな楽しそうに会話しながら
 電車は走り出す

 次の駅でまた人が増える
 奥へと押し込まれないように
 立ち位置はキープ
 4つ駅を過ぎ 5つ目で降りた

 指定された駅は
 前に住んでいると言っていた
 県境の郷布駅ではなく
 都心に近い人も多い駅だった

 改札を出て正面口から出たら左

「あった、ファミレス……」

 中は満席みたいで
 待合もいっぱいだった

 周りの店舗も覗いてみるけど
 元旦から営業している店は
 限られていて
 どこも同じようにいっぱいだ

 千遥にDMする

「着いたけど満席だ
 どこの店もいっぱいっぽいよ?
 どうしようか?」

 送信しながら
 どうしようかと僕も考えてみる……

 あ……家に連れてく?
 いやいや……姉貴いるし
 後でうるせぇからな……
 でも行く所なかったら……


「望?」

 名前を呼ばれ振り返る

「千遥?」

 半年ぶりに会う千遥は
 夏にカットした髪を
 そのまま伸ばしていた

「やだなに望、その髪型~」

「え……」

 こういうのは好きじゃない?

「超カッコイイじゃん♡」

「ぁ……だろ?(;´罒`*)ホッ」

「どこもいっぱいなんだね
 どうしよう寒いしなぁ……」

 顎に拳を当てて
 考える素振りも可愛くて
 ちょっかい出してた業者のことを
 思い出してイラついた

 この感情……
 僕は今も千遥のことが?
 なんて考えていたら

「しょうがないか……ついて来て」

 そう言うと千遥は僕の腕を引く

「え?……あぁ」

 たぶん意味はない
 ポケットに手を突っ込んだ僕の腕に
 千遥は何気なく手を絡めただけ
 それでも僕の心はドキドキとはや

 そのまま並んで歩いた

 見つけたコンビニに入り
 食べ物や飲み物を買う

 半年前と重なる行動に
 そんなつもりはなかったのに
 あの日のことを思い出していた



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