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第二譚:灼銀無双の魔法譚
魔王VS魔法使い
しおりを挟むアゼルにはまるで意味が分からなかった。
「風纏」
ここまでは普通の風属性の強化魔法、アーマドシルフのオリジナル版。
本来は詠唱を必要とし、他者を強化、主に防御性能と敏捷性を向上させるものである。
この黒金の魔法使いは無詠唱で自己強化をしており、その点は特筆すべきだが、だからといってアゼルにとってちょっと改良した強化魔法など何の脅威にもならない。
「武蓮疾歩」
次に相手は沈んだ。
アゼルにはそう見えた。
ヒラヒラとしたローブで身を包んでいるため身体の動きが読み取りづらいが、両肘を軽く曲げ、脇を締めた構えから一瞬で身体を深く沈めたのは間違いなかった。
間違いだと思いたいのは、アゼルが沈んだと認識した次の瞬間には、相手が自分の無防備な懐に現れていたことだ。
いかなる歩法であろうか。運動効率を最大にまで上げた残像を残すほどの身体運営。
単純なスピードだけでは再現できない、瞬間移動とも見紛う接敵。
彼女の行動は完全にアゼルの虚を突いていた。
「!」
驚くアゼル。
たが、ただ驚いただけだ。こんなものはアゼルにとって奇術と大差ない。
魔法使いがこんなゼロ距離に近づいたところで魔法の特性など活かせるはずもないのだから。
魔法は本来なら安全な距離から絶対的な一撃を加えるのが定石である。
非力な魔法使いが自ら近接戦を挑んだところで一体何ができると言うのか。
その思考に至ったアゼルを嗤うかのように、エミルは腰を沈めて5本の爪を立てた掌底を魔王の腹に容赦なく打ち込んだ。
「五爪掌!」
ただの掌底打ちのように見えたそれは、五つの光を撒き散らしながらアゼルの腹に文字通りの風穴を空けた。
「かは!」
内臓の明らかの損傷、消失によりアゼルは口から吐血する。
「おっと。」
その血を避けるようにエミルは軽くバックステップを踏んだ。
見事に空いた風穴により、今現在アゼルの腹は望遠鏡のように反対側の景色が覗けてしまう。
「どうかな、魔王。アタシのこと少し舐めてたみたいだけど、今ので挨拶代わりくらいにはなったかな?」
両手を腰の後ろに組んで、エミルはにこやかな表情をしている。
「ああ、オハヨウ。今ので完全に目が覚めたぞ。なんだ? 俺の知らない間に魔法使いは跳んだり殴ったりするのが普通になったのか?」
やや青ざめた表情でアゼルはエミルに問いかける。
「いや~、できたらアタシもそうなって欲しいと思うんだけどね。里のみんなは全然これに付き合ってくれないんだ。」
エミルはそう言って両の拳同士を打ち付ける。
「ハ、それは結構なことだ。お前たち魔法使い全員が全員この戦闘力ならたまったものじゃないからな。それに、さっきの一撃、クィンテッド・エレメントだろ。確か本来5人がかりで詠唱する大魔法を片手打ちで無詠唱とか、頭おかしいんじゃないのか?」
クィンテッド・エレメント。
魔法使い5人がそれぞれの属性の魔法を詠唱し、融合させて放つ大魔法である。
異なる属性の融合の難しさや、他の術者との力量差の調整が必要など非常に難易度が高い魔法だが、その分威力は絶大であり、人間の一個大隊、魔族の一個中隊を戦闘不能にするほどである。
先ほどエミルは、5本の指それぞれに別々の属性の魔法を宿らせ、インパクトの瞬間に魔法を融合させてアゼルの魔素障壁、魔素骨子を貫いたのだった。
「頭おかしいとか、しっつれいだね。その分威力は控えめなんだからそこまで特別なことじゃないよ、普通、普通。いやぁ、それにしても魔法についてよく知ってるね。さすがは歴戦の魔王ってことかな。…………それじゃ、続き、しよっか。」
幼い容姿とは相反する、艶やかな色気を漂わせて、エミルは戦いの続きを促す。
「ああ、本気でやってやるよ。腹の傷も癒えたしな。」
先ほどの一撃でスイッチが入ったアゼルはすでに臨戦態勢に入り右手には魔剣を握っている。
彼の魔素炉心も景気よく回り、腹部に空いた大きな傷も完全に修復されていた。
「ハハ、そうこなくちゃ。楽しいのはここからだよ。『空密』」
またエミルは無詠唱で魔法を使用する。
今度は周囲の空気を超高密度に圧縮して両拳に纏わせ、即席のグローブにしている。
空気の密度を調整した影響で彼女に向けて強い風が集まり、黒金のローブがはためく。
「あー、もうこれ邪魔だな~。猛き風『エアリアル』」
エミルはローブを脱ぎ捨て、つむじ風の魔法で天高く舞い上がらせた。
「は、お前こそ余裕だな。そんな魔力の無駄遣いをしていいのか?」
「いや~、まああれでも一族の伝承衣だからね。その辺に放り投げても置けないんだよ。」
あっけらかんとエミルは笑う。
ローブを脱いだことでエミルの両腕の魔法使いの証、『魔奏紋』が顕れる。
「……それだけ立派な魔奏紋があれば、武闘家のように肉弾戦など覚えなくても魔法使いだけで十分にやってけるだろうに。」
一般的な魔法使いに発現する魔奏紋は通常ひとつ。2つ以上はエリートの証だ。
エミルは両腕にはそれぞれ美しい黒色の紋様が顕れている。
「あはは、こんなのはただの飾りだよ。アタシにとっての魔法は闘いを楽しむためのちょっとしたスパイスってとこだね。」
「ふん、貴様はあくまで殴り合いが好きなんだな。だがあいにくと俺はそういった泥臭いのは嫌いだ。『魔黒陣』」
先ほどの一撃で肝を冷やしたのか、エミルの接近を嫌ったアゼルは魔素骨子による防御網を自身を中心とした空間に展開する。
これによりアゼルに対して近接戦を行うことがほぼ不可能になる。
「あ、やな奴だね。人の嫌がることするだなんて……」
アゼルに近づこうとしたエミルは、展開された魔素骨子を殴るがビクともしない。
その光景にアゼルは内心でホッと一息つく。
前回イリアに同じ結界を容易く突破されたことが軽いトラウマになっていたのだ。
しかし、
「……戦いの場に限っては、アタシは好きだよ。ふん! アース・エッジ!」
エミルが右足で地面を蹴りつけると突然アゼルの足元から刃状に変質した土石が飛び出してきた。
「うぉっと! 危ねえ。いやいや、さっきから魔法の詠唱破棄しすぎだろお前。そんな魔法使い今まで見たことねえよ。ショートレンジもミドルレンジも即対応可能な魔法とか反則級じゃねえか。」
先ほどからのエミルの予想外の攻撃に翻弄され、アゼルの口調も荒くなる。
だがアゼルの苛立ちももっともである。
本来魔法とは魔素から生成した魔力を各々の根源であるジンと反応させて超常現象を引き起こすものである。
このジンに働きかける過程の習熟が難しく、ここに魔法使いのセンスが問われてくる。
そしてその過程を効率化する為に詠唱があり、また安定した魔法の運用の為に、特定のジンが封入された魔装具を魔法使いは用いるのである。
しかし、この最強の魔法使いとやらは飛び抜けた戦闘技術を抜きにしても、ほとんどノータイムで使用する魔法が異質すぎる。
一体どれほどの才覚があれば、このような芸当が可能となるというのか。
「あは、アタシって昔から長ったらしい詠唱とか嫌いなんだよね。ジンを捉えて自分の魔力と反応させるって考え方がまだるっこしいし。ジンを感じとるなんて本当は呼吸するのと変わらないことなのに。その点魔装具も一緒だね。特殊なジンを携帯できるのは便利だけど、片手両手を塞がれちゃ技の自由が効かなくなるしね。」
「くそっ、ただの天才だったか。だが貴様の大体の力量は把握できた。俺の経験上お前みたいなやつは付かず離れず物量で潰すのが一番だ。」
アゼルはエミルとの距離稼ぎに使用していた魔素骨子を解き、攻めの姿勢に転じた。
魔法使いの弱点の一つは保有する魔力量である。
いかに天才の魔法使いといえど無限に魔法を行使できるはずもなく、当然ながら自身に貯蔵している魔力を使いきってしまえば、魔素を再補充するまではただの一般人である。
ここが魔素の溢れる魔族たちの領域ならともかく、天然の魔素がない空間では魔法を使い続けていればいずれ魔力が枯渇するのは明白である。
「へー、何考えてるかはなんとなく察しつくけど。……いいよ、付き合ってあげる。」
アゼルはエミルとの距離を詰めていき、自ら近接戦を挑んでいく。
「ふん!」
何の飾り気もない、上段からの魔剣の一振り。
エミルは待っていましたとばかりにアゼルの魔剣を素手で捌き、いなし、アゼルに魔法を載せた拳や蹴りを撃ち込んでいく。
アゼルの愚直な攻撃は通じず、エミルの攻撃は確実にアゼルの肉体を損耗させていく。
それを、アゼルは全て無視した。
打ち込まれる拳を、肉体を砕きにくる蹴りを、瞬間的に発動してくる魔法を防御することも回避することも止めた。
アゼルは自身から生成される魔素の8割を肉体の回復に2割を魔剣での攻撃に回し、身体の損傷に伴う痛みはひたすらに無視してエミルに魔剣を振るい続ける。
「ちょ、そんなのアリ?」
さすがのエミルも「回復は最大の攻撃」とばかりに攻めてくるアゼルに驚かざるをえなかった。
彼女の数ある戦闘経験の中でもこんな強引な戦い方をする相手などいなかった。
いや、こんな戦い方ができる奴がいなかった。
本来なら致命打となって戦闘不能になる攻撃ですら、この魔王は無視して魔剣を繰り出してくる。
自分のハイスペックさに任せた強引な攻め、だがそれゆえに技巧と攻撃手段の多彩さで戦うエミルには効果的だった。
多少の傷では瞬時に回復してしまうアゼルを相手に、エミルの攻撃は徐々に威力を重視したものに偏っていく。
そうなると自然に使用する魔力量も増え、エミルの両腕にある魔奏紋も少しずつ薄くなっていき、
遂には消えてしまった。
魔法の源たる魔力の枯渇である。
「は、俺の粘り勝ちだな。これでもう新たな魔法は使えない。」
アゼルはエミルを覆う魔法の効力が消えるのを見計らって魔剣による強力な斬撃を繰り出した。
魔力の尽きたエミルにこれを防ぐ手段はない、
はずだった。
「はん、狙いはそんなところだと思った。っよ!」
絶体絶命の状況にも関わらず笑顔を浮かべるエミル。
「!!」
彼女はアゼルの斬撃を素手で受け止めていた。
剣を両手で挟み止めてしまう、真剣白羽取り。
彼我の実力差が相当以上ないとできない芸当である。
だが、
「バカが。魔力が空っぽの状態でこれ以上何ができる。このまま力づくで押し切らせてもらうぞ。」
アゼルは体格差をいかんなく利用し、体重を魔剣に乗せてエミルを断ち切らんと力を込める。
「そっちこそアタシの魔力が空って冗談でしょ。だってエサはここにたくさんあるんだから!」
エミルがそう言うやいなや両手で挟みこんだ魔剣から彼女に向けて大量の魔素が流れ込み、彼女の魔奏紋は黒い色を取り戻していく。
そう、魔法使いは魔素を体内に取り入れて魔力に変換する。
それは大気中の魔素に限った話ではない。
アゼルほどの魔素の生成元があるのであれば、そこから魔素を摂取すれば魔力が不足するはずもない。
アゼルの魔剣を通じて大量の魔素を取り込んだことで、エミルの両腕の魔奏紋は黒から燃え滾る灼銀へと色が変わっていく。
「ちっ、これ以上吸わせるか!」
アゼルは渾身の蹴りを放つが、エミルは魔剣から手を離して華麗にバク宙を決めて回避する。
「はは、さすがは魔王の魔素だね。すごく美味しかった。……ご馳走様でした。」
エミルはその容姿には似合わない淫靡な仕草で唇を舐める。
「さてと、これで振り出しに戻ったね。それとも万策尽きて、もう詰んじゃったかな?」
実に楽しそうにエミルはアゼルを挑発する。
「いや、これで終わりだよ。」
アゼルは少し俯いてそう答える。
「そう、お前の負けだ。 イリア! 他の人間どもを巻き込みたくなかったら、あの結界を張れ!」
顔を上げたアゼルは既に魔剣シグムントを起動していた。
今まで回復に割り当てていた8割の魔素を全て魔剣に喰わせて、魔剣シグムントは僅か一瞬で臨界にまで到達する。
アゼルを中心に渦巻く漆黒の暴威。
アゼルが何をしようとしているのかに気付いたイリアは、最速の祈りでホワイト・ベールによる封魔の結界をアゼルとエミルを閉じ込めるカタチで行使した。
「弾け飛べ! アルス・ノワール!!!」
アゼルの最も頼りとする必殺技。
以前イリアに放った時よりは溜めの時間が少ないため威力は劣るが、発動速度も効果範囲もエミルが回避不能なタイミングの攻撃となって彼女を襲う。
アゼルはエミルがアルス・ノワールの激しい奔流を受ける光景を見ながら、内心で確信していた。
例え魔素を吸収しようとしても、これであいつはパンクすると。
魔法使いの弱点の2つ目。
自己の容量を超える魔素を吸収した場合、魔素の無毒化ができずに魔素中毒に陥ってしまうことだ。
魔法使いといえどその肉体は普通の人間と大きく変わらない。
魔素を魔力として変換できなければ、魔素はやはり毒として肉体に作用する。
その為、魔素領域で生活する魔法使いたちは適宜魔法を使用することで魔奏紋の魔力容量に常に空きを作って、中毒症状に陥ることを避けている。
先ほどの真剣白羽取りの際、アゼルはエミルに魔素を吸い取られたように見せかけて、エミルの魔力容量が一杯になるように敢えて魔素を与えていた。
そして彼女の両腕の魔奏紋に魔力が満ちたのを確認した上で、自身の最大の技を回避不能なタイミングで打ち込んだのだった。
本来は多少許容量を超えたところで生活に支障をきたすほどではないが、容量一杯のところに魔王の必殺技を喰らえば一瞬でパンク、戦闘不能に陥るのは間違いない。
自身のスペックの高さに物を言わせた強引な勝利だが、アゼルはこれでも勝ちは勝ちだと開き直って標的を見つめる。
アルス・ノワールによる魔素の放出が終息し、中から出てきたのはボロボロになって倒れている一人の魔法使いの姿、
…………ではなかった。
アゼルの誤算。
「ん~、アレ? アタシは一度だって魔奏紋が両腕だけだなんて言ったかな?」
両腕の魔奏紋の容量が一杯になったのを見て、エミルの魔力容量も限界にあると勘違いしていたこと。
今や両腕の魔奏紋だけでなく全身の魔奏紋が燃え滾る銀色に輝いた、最強の魔法使いの姿がそこにはあった。
今までは衣服の下に隠れていただろう魔奏紋も、アルス・ノワールの魔素を吸い取ることで服の内側からでも認識できるほどエミルの肉体に紋様を描いて輝いている。
両腕、両足、お腹、背中、胸、頬に至る全身に、所狭しと魔の紋様が浮かび上がる。
「いやあ、追加の魔素なんてサービスいいねぇ。流石の魔王、アタシもこれ以上は喰いきれないや。」
燃え滾る灼銀のオーラを漂わせて、一歩一歩エミルがアゼルに近づいていく。
ごくり、とアゼルは生唾を飲み込む。
「お前、本当に人間か?」
この少女が人間のカテゴリーに入っているなど、アゼルには酷い詐欺に思えた。
「ん? アタシが人間だよ。」
泰然超越とした態度で改めてエミルは構えをとる。
「さあ、続けようか。」
蹂躙が、始まる。
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