エルダーストリア－手垢まみれの魔勇譚―

第三譚：憎悪爆散の魔人譚

設定用語②

通貨システム…
　２００年前の魔族侵略の大混乱によって廃れていたが、賢王グシャが戴冠と同時に貨幣経済を復活させた。
　大金貨１枚で１００万円、金貨１枚で１万円、小金貨１枚で千円といったところ。さらに小さい単位の金貨もあるがここでは割愛。
　肝心なのはハルジア発行のこの通貨が人間社会全体に浸透しているということ。
　ハルジア以外の国も独自の貨幣を造っているが価値が不安定であり、ハルジア金貨が完全に基軸通貨となっている。
　各国の公的組織の給金はそれぞれの通貨で支払われるが、受け取ったも者たちはそのまま両替屋でハルジア金貨に交換してしまう始末である。これによりハルジア金貨でしか支払いできない店も多数ある。
　これがハルジア以外の国にとってどれほど恐ろしいことかと言えば、現代日本において給料は円で支払われるのにほとんどのお店での支払いはドルを用意しなければいけない状態と言ったら伝わるだろうか。

　ちなみにハルジア金貨は賢王考案の「透かし」と「貨幣番号」が導入されており偽造は困難。
　また、これら金貨に使用される「金」は後述の金砂の洞穴から際限なく採取できるため、現代のように「金」そのものにスゴイ価値があるわけではない。

　１０歳にしてこの貨幣制度を導入した賢王グシャだが、「物質的な貨幣を使用するなど無駄が多い。本当は仮・想・通・貨・というモノをやってみたいのだが。」とこぼしていた。
　しかし、誰もその構想にはついていけずに廃案となる。
　

金砂の洞穴…
　無限に砂金を採ることができる夢のような洞穴。現在ハルジアがこの洞穴を独占している。
　しかし無限に採取できるため、現代のような黄金としての価値はない。
　物質の安定性、加工性からグシャは金貨を主要貨幣として選んだ。

赤銅の砂漠…
　アスキルド近辺にある無限に銅が採掘できる砂漠。
　貨幣制度を復活させたハルジアに負けまいと、ここの銅を使用して銅貨などを鋳造したものの国内での流通はイマイチ。
　世間ではこの銅を使用した民芸品や加工品の方が人気がある。

黒鉄の秘跡…
　アニマカルマ近くにある無限に鉄を掘り出せる遺跡。
　アスキルド同様にこの鉄を使って貨幣制度を真似たものの以下略、
　鉄が採れること自体はアニマカルマの商業性と噛み合っており、この鉄を利用して様々な武器防具や製品が作られている。

魔銀の清流…
　元魔法国エミリア、魔法使いの隠れ里周辺を流れる魔銀を採ることのできる清流。元々は銀を採取することができる「純銀の清流」と呼ばれる川であったが、魔素領域に浸食されたことによって魔素との親和性の高かった銀が変質することによってできた。

　魔銀ミスリルは魔法使いの一族の装備に用いられたリ、鍛冶師や魔工士たちが素材として求め高額で取引される。


神晶樹の森…
　イリアが勇者になるための儀式で向かった場所。
　広大な森の奥には巨大な湖があり、さらにその中央には神晶樹と呼ばれるクリスタル状の大樹が存在する。
　この森はこの世界の主要宗教の信仰対象となっている。