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新しいガイツの隠れ家は壮大なものだった。自然の山をくりぬいて、岩屋を蟻巣のように作ってあるのだ。入り口は小さな洞穴で、そこは自然にまかせ荒れ放題のままにしてあったが、一歩中に入るとまるで一つの街である。通路には明かりが灯してあるし、中のほうには大きな広場まで作ってある。それぞれ仲間が寝起きする小さな穴や、馬小屋、水場の設備もきちんとしていた。天井近くまで岩の階段があり、長い通路が奥に伸びている。
リリカは珍しげにその階段を上ってみた。
「わわ!」
階段の先には小さなバルコニーがあり、岩の通路が渡っていた。通路から下を見下ろすと、ウルミラが荷物の場所を決めるにの采配をふるっていた。
その先にある岩屋はガイツの部屋だろう。
「凝ってるう!」
「いいだろう?」
リリカの後からくっついてきたガイツが自慢そうに言った。
「凄いね! これだけ作るの大変だったでしょ?」
「まあな」
「へえ」
きょろきょろと見回すリリカを愛しそうにガイツが見守る。
「リリカ、スリーキングの事だがな」
「何?」
リリカが振り返った。
「もしドレイユの話が本当なら、俺達には手立てがない。都の軍隊を相手にはとてもできない」
「そうだね」
「ヤルーにドレイユは始末したんだ。それでよしとしないか?」
リリカはしばらく考えていたが、小さくうなずいた。
「そう……だね」
「そうか!」
ガイツはほっとした様子で笑った。
「お前がまだ強くなりたいと言うなら、俺が剣を教えてやるし、狩りに行きたいなら連れて行ってやる」
「そう」
「だから……その……ずっとここにいないか? 復讐が終わってからはどうするつもりだったんだ? 村へ帰るつもりだったのか?」
「そこまでは考えてなかったもの。どうしようかな」
へへへと笑うリリカをガイツは思わず抱きしめた。
シャイなガイツにしては画期的な行動である。
「ここにいろよ。俺達はもう仲間なんだからな。仲間というか……できれば……」
「ね、ガイツ。あの馬と剣、本当にもらってもいいの?」
「あ? ああ」
「ありがとう」
リリカが背伸びをして、ガイツの頬にちゅっとしたのでガイツは顔を赤くした。
その夜、リリカはガイツの元から姿を消した。
馬と剣だけをもらって、西の都へ行くべくガイツの隠れ家を出発した。
リリカはどうしても敵討ちを終えたかった。敵が都の軍隊でもかまわないのだ。それならそれで手段はある。
ガイツにこれ以上迷惑はかけられないし、ガイツの気持ちは知っていたが、彼の恋人になる気はなかった。
仲間は皆、気持ちのいい人ばかりで居心地は良かったが、所詮山賊だった。スリーキングと何の違いがある。
そしてリリカも今となってはその世界の住人である。
だが、けじめだけはつけたい。
スリーキングは皆殺しだと決心して村を出たのだ。
それだけは譲れない。
リリカは珍しげにその階段を上ってみた。
「わわ!」
階段の先には小さなバルコニーがあり、岩の通路が渡っていた。通路から下を見下ろすと、ウルミラが荷物の場所を決めるにの采配をふるっていた。
その先にある岩屋はガイツの部屋だろう。
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「凄いね! これだけ作るの大変だったでしょ?」
「まあな」
「へえ」
きょろきょろと見回すリリカを愛しそうにガイツが見守る。
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「何?」
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「そうだね」
「ヤルーにドレイユは始末したんだ。それでよしとしないか?」
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「そう……だね」
「そうか!」
ガイツはほっとした様子で笑った。
「お前がまだ強くなりたいと言うなら、俺が剣を教えてやるし、狩りに行きたいなら連れて行ってやる」
「そう」
「だから……その……ずっとここにいないか? 復讐が終わってからはどうするつもりだったんだ? 村へ帰るつもりだったのか?」
「そこまでは考えてなかったもの。どうしようかな」
へへへと笑うリリカをガイツは思わず抱きしめた。
シャイなガイツにしては画期的な行動である。
「ここにいろよ。俺達はもう仲間なんだからな。仲間というか……できれば……」
「ね、ガイツ。あの馬と剣、本当にもらってもいいの?」
「あ? ああ」
「ありがとう」
リリカが背伸びをして、ガイツの頬にちゅっとしたのでガイツは顔を赤くした。
その夜、リリカはガイツの元から姿を消した。
馬と剣だけをもらって、西の都へ行くべくガイツの隠れ家を出発した。
リリカはどうしても敵討ちを終えたかった。敵が都の軍隊でもかまわないのだ。それならそれで手段はある。
ガイツにこれ以上迷惑はかけられないし、ガイツの気持ちは知っていたが、彼の恋人になる気はなかった。
仲間は皆、気持ちのいい人ばかりで居心地は良かったが、所詮山賊だった。スリーキングと何の違いがある。
そしてリリカも今となってはその世界の住人である。
だが、けじめだけはつけたい。
スリーキングは皆殺しだと決心して村を出たのだ。
それだけは譲れない。
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