家に帰ってきたら見知らぬ男が出迎えてくれました

まめだ

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執念

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 一度深い快楽に飲まれると、もっと深い繋がりが欲しくなる。乱れた呼吸を整えるように大きく息を吸っては吐く。

 琴音は男の服に手をかけようと起き上がると、男の目からは大粒の涙が零れていた。

「……どうしたの?」

 首を振り、目をゴシゴシ擦る男の手を掴んで止める。小さな子供のような泣き方をする様を見ていると、酷く胸が切なくなった。男の頭を包み込むように抱きしめる。

「僕で、気持ち……よくなってくれ、たのが、嬉しくてっ……」

 ポンポンと頭を優しく叩く。なんでこんなことをしているのか、甘く響きを残す快楽のせいなのか、よくわからなかった。

 鼻を啜る男の服の裾をめくり上げると、赤く潤ませた瞳と視線がぶつかった。

「……本当にいいの?」

 不安がっているように見えた。

「ダメって言ったらここでやめるの?」

「やめるよ」

「……しよう」

 琴音は男の手をどかして服をめくり上げるように脱がせる。ずっと見つめてくるつぶらな瞳には気付かない振りをして。

 下着を脱がせるとぶるんと硬くなったものが飛び出してきた。

「……恥ずかしいな」

 今度は男が両手で顔を覆った。先ほどまで主導権を握っていた男とは思えなかった。

 男の手を引きながらベッドに倒れ込むと、琴音の上に覆い被さるようにして二人の身体が重なる。ぐぐっと押し広げるようにしながら、琴音の中に男のものが入ってきた。

 中がいっぱいに満たされ、男の大きな身体にすっぽりと抱きしめられる。腰が擦れ合うたびにいやらしい水音が響いて、興奮を煽った。

「ずっと……一緒だよ……」

 ぼそりと呟くと琴音の唇に吸い付いた。口内も男で満たされて、お腹の中から大きな波が押し寄せてくる。

 男にしがみつくように抱きついていると身体中が波に飲み込まれていく。お腹に力が入ってビクンビクンと痙攣した。

「ことちゃんっ」

 腰の動きを止めて琴音の顔をまじまじと見つめる男の目を、蕩けた目で見つめ返す。

「やめるの?」

 答えない男に促すように琴音は下から腰を動かした。眉間にしわを寄せて苦しそうな顔をしたあと、また腰を動かし始めた。

「ことちゃんごめんね……っ、ごめん」

 謝りながら琴音の肩に頭を寄せる。きつく抱きしめてくる男の身体を抱きしめ返した。

 男は腰を震わせて絶頂を迎えても琴音のことを離さなかった。しばらくしてから、耳元で囁いた。

「ことちゃん、お風呂入れてあげるよ」

 琴音の家なのに男に手を引かれ、風呂場まで連れて行かれ、急にまた恥ずかしさが襲ってきた。明るい照明の下で端整な顔立ちの男がこちらを見ると、どきり、と心臓が鳴る。

 

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