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第一章
第三話・教師と大悟
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大悟は、窓側の二列目いちばん後ろの席にポジションを取った。その席は最も教師の視界から死角になるという劣等生にとっては垂涎の的である。
でもそれは、大悟本人にはどうでもいいことであった。廊下側の隅には楡浬が座り、場所的に日光が当たるはずもないのに、なぜか顔は朝焼け状態であった。
不思議なことに、大悟の周りの席はすべて空席である。大悟から半径5メートルに位置する座席は誰も座っていないので、このクラスは生徒数が通常の半分位しかいないように見える。
『カッ、カッ、カッ。』
妙齢の女子であることを証明するハイヒールの音。女教師がチャイム音と共に大悟たちのいる一年生の教室に入ってきた。ホームルームの時間である。
濃いピンクのスーツに、同色の眼鏡。それに合わせたような桃色の髪を束ねて、右肩に乗せている。特筆すべきはスカートの短さ。膝上40センチで、少しでも足を開くとパンツが見えてしまいそうな、絶対領域剥き出し状態である。
教卓に着いて、出席簿タブレット画面を覗く女教師。
「それでは出席を取ります。1番から5番までの出席番号の生徒は来てるので、省略。仮に来てなくても省略。では大本命6番の宇佐鬼君。来てますね?」
ミニスカ教師は教壇に立つと、目からビームのような視線を最後尾席の大悟に送ったうえで、大きく足を開いた。
「はい。」
ゾンザイな態度で返事をする大悟。いかにも面倒くさそうである。
「宇佐鬼君。今日こそ、先生と勝負する?」
「別にいいです。これまでも闘っていないでしょう。」
「そんな遠慮することないのに。うふ~ん。」
女性教師は艶めかしく腰を振った。その運動の結果、タイトなスカートがさらに上方に遷移し、もはやパンツとの限界点に差しかかっている。
「先生。教師という立場を超えます。やめて下さい!」
大悟は目線を合わせないように、額を机に押し付けて、ゴリゴリやっている。
「先生のレアポーズに、直球で感じてるんだね。見ないと生涯後悔するよ。うふ~ん。」
「先生。それは逆セクハラです。校則にはありませんが、超校則違反です。それにそのポーズ、毎日見ていますから、レアではなくレギュラーです。」
大悟は頭で机を掃除しながら、抗弁していた。
教師は大悟の席に走って行き、『ドン』という音を立てて、右足を乗せた。通称『机(き)ドン』。大股を開いているんだから、大悟が少しでもスカート奥部分に視線を向ければそこには成熟女子の花園が待ち構えている。
「うりうりうり。見ろ、見ろ、見ろ、見ろ~。」
教師は足の筋肉に血液を集めたのか、太股あたりが真っ赤になっている。
「しーん。」
大悟は無言で、机に高句麗好太王の碑文でも書かれているかのように、光沢のある板を眺めている。
「そりゃ、そりゃ、そりゃ、そりゃ!」
教師は大悟を親の仇のように挑発しているが、大悟は微動だにしない。
「やっぱり駄目ね。今日も完敗だよ。」
「ホームルーム時の逆セクハラ日課はもうご勘弁ですよ。」
「そう。今日も残念だよ。先生も早くパンチラコンプリートして、天に昇りたいのに。」
「先生。精神構造はすでに天を超えていますよ。」
「ひっど~い。宇佐鬼君。もうどうなっても知らないからね。先生にセクハラしておけば楽に死ねたものを。もう遅いよ。へへへ。」
でもそれは、大悟本人にはどうでもいいことであった。廊下側の隅には楡浬が座り、場所的に日光が当たるはずもないのに、なぜか顔は朝焼け状態であった。
不思議なことに、大悟の周りの席はすべて空席である。大悟から半径5メートルに位置する座席は誰も座っていないので、このクラスは生徒数が通常の半分位しかいないように見える。
『カッ、カッ、カッ。』
妙齢の女子であることを証明するハイヒールの音。女教師がチャイム音と共に大悟たちのいる一年生の教室に入ってきた。ホームルームの時間である。
濃いピンクのスーツに、同色の眼鏡。それに合わせたような桃色の髪を束ねて、右肩に乗せている。特筆すべきはスカートの短さ。膝上40センチで、少しでも足を開くとパンツが見えてしまいそうな、絶対領域剥き出し状態である。
教卓に着いて、出席簿タブレット画面を覗く女教師。
「それでは出席を取ります。1番から5番までの出席番号の生徒は来てるので、省略。仮に来てなくても省略。では大本命6番の宇佐鬼君。来てますね?」
ミニスカ教師は教壇に立つと、目からビームのような視線を最後尾席の大悟に送ったうえで、大きく足を開いた。
「はい。」
ゾンザイな態度で返事をする大悟。いかにも面倒くさそうである。
「宇佐鬼君。今日こそ、先生と勝負する?」
「別にいいです。これまでも闘っていないでしょう。」
「そんな遠慮することないのに。うふ~ん。」
女性教師は艶めかしく腰を振った。その運動の結果、タイトなスカートがさらに上方に遷移し、もはやパンツとの限界点に差しかかっている。
「先生。教師という立場を超えます。やめて下さい!」
大悟は目線を合わせないように、額を机に押し付けて、ゴリゴリやっている。
「先生のレアポーズに、直球で感じてるんだね。見ないと生涯後悔するよ。うふ~ん。」
「先生。それは逆セクハラです。校則にはありませんが、超校則違反です。それにそのポーズ、毎日見ていますから、レアではなくレギュラーです。」
大悟は頭で机を掃除しながら、抗弁していた。
教師は大悟の席に走って行き、『ドン』という音を立てて、右足を乗せた。通称『机(き)ドン』。大股を開いているんだから、大悟が少しでもスカート奥部分に視線を向ければそこには成熟女子の花園が待ち構えている。
「うりうりうり。見ろ、見ろ、見ろ、見ろ~。」
教師は足の筋肉に血液を集めたのか、太股あたりが真っ赤になっている。
「しーん。」
大悟は無言で、机に高句麗好太王の碑文でも書かれているかのように、光沢のある板を眺めている。
「そりゃ、そりゃ、そりゃ、そりゃ!」
教師は大悟を親の仇のように挑発しているが、大悟は微動だにしない。
「やっぱり駄目ね。今日も完敗だよ。」
「ホームルーム時の逆セクハラ日課はもうご勘弁ですよ。」
「そう。今日も残念だよ。先生も早くパンチラコンプリートして、天に昇りたいのに。」
「先生。精神構造はすでに天を超えていますよ。」
「ひっど~い。宇佐鬼君。もうどうなっても知らないからね。先生にセクハラしておけば楽に死ねたものを。もう遅いよ。へへへ。」
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