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第一章
第十話
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「どうやら、ここからピンポンダッシュで立ち去る気持ちはなさそうですわね。ならば、死刑になる前に何か言いたいことがあるなら発言を認めますわ。」
華莉奈は少し目線を落として、足を引いた。
「悪魔がこわいのか。たった一匹の悪魔をコントロールできなくてそれが生徒会長か?」
楡浬は大悟の言葉を喋るだけなので、ただの棒読みである。
「奇妙な喋り方をするんですのね。まあ、なんとでもいいなさいな。民族差別はありませんが、いきなり入学したいと言っても正式な手続き、つまり身元を保証する者からの推薦か、編入試験を合格しない限り、入学は認められませんわ。ホーホホホッ。」
「編入試験ねえ。オレは学力ないから無理だな。悪魔の中でもかなりバカだったから。」
(ちょっと、人聞きの悪いこと言わせないでよ。)
楡浬の大悟へのクレームは受理されず、伝言ゲームは継続。
「オレはバカなだけでなく、女子力は低い。しかも貧乳だし。」
(えええ!ヒドすぎるわ!)
このクレームもスルーして、誘導モノローグは続く。
「靴って、難しいよな。」
『ビクッ。』
華莉奈の目つきが変わった。
「あんた、足がデカいよな。さっき隠そうとしていたのを見つけたよ。」
『ギクッ、ギクッ。』
華莉奈の眉間にシワが寄った。
「27センチ。」
「ギャアア!」
華莉奈は自分の足を見ながら髪をかきむしっている。
「オレに反撃したくても不法侵入しなければそちらに裁く権利はないよな。ならばオレの入学を認めて、この学校の者とすることだな。こちらはちょうど保証人を探していたところだ。」
「わかりましたわ。」
「そうこなくちゃ。」
「でも一般生徒ではなく、用務員としてですわ。」
華莉奈は少し目線を落として、足を引いた。
「悪魔がこわいのか。たった一匹の悪魔をコントロールできなくてそれが生徒会長か?」
楡浬は大悟の言葉を喋るだけなので、ただの棒読みである。
「奇妙な喋り方をするんですのね。まあ、なんとでもいいなさいな。民族差別はありませんが、いきなり入学したいと言っても正式な手続き、つまり身元を保証する者からの推薦か、編入試験を合格しない限り、入学は認められませんわ。ホーホホホッ。」
「編入試験ねえ。オレは学力ないから無理だな。悪魔の中でもかなりバカだったから。」
(ちょっと、人聞きの悪いこと言わせないでよ。)
楡浬の大悟へのクレームは受理されず、伝言ゲームは継続。
「オレはバカなだけでなく、女子力は低い。しかも貧乳だし。」
(えええ!ヒドすぎるわ!)
このクレームもスルーして、誘導モノローグは続く。
「靴って、難しいよな。」
『ビクッ。』
華莉奈の目つきが変わった。
「あんた、足がデカいよな。さっき隠そうとしていたのを見つけたよ。」
『ギクッ、ギクッ。』
華莉奈の眉間にシワが寄った。
「27センチ。」
「ギャアア!」
華莉奈は自分の足を見ながら髪をかきむしっている。
「オレに反撃したくても不法侵入しなければそちらに裁く権利はないよな。ならばオレの入学を認めて、この学校の者とすることだな。こちらはちょうど保証人を探していたところだ。」
「わかりましたわ。」
「そうこなくちゃ。」
「でも一般生徒ではなく、用務員としてですわ。」
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