特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

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第四章

第一話

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【第四章】

 体力測定勝負から一日経過していた。今は教室で朝のホームルームを待つ大悟たち。

(委員長は次の勝負に何を持ってくるのかな。大悟、あんたはどう思うのよ。)

「おおよその予想は立っておりますわ。あの方はプライドを懸けて来ると思われますわ。」

「モモもお兄ちゃんと同意見だよ。アンちゃん委員長は、お兄ちゃんを完膚なきまでに叩き潰しにかかってくると思うよ。そうなれば、おのずと選択肢は限られてくるよね。楽しみかも。」

(楽しみって、何のんきなこと言ってるのよ。負けたら放校になるという大ピンチなんだけど。)

「だからこそ、刺激があっていいんですわ。天使は平和な世界を望んではいないのですから。まずは昨日の復讐からですわね。」

(復習じゃないの?ここは学校なんだけど。)

「さあ、どうでしょうか。幕が上がれば役者は仮面を被るのですわ。」

「仮面だと?それはこれのことか?」
三輪車支配人教師が阿修羅の怒りを前面に被って入室してきた。三輪車の音がギシギシ言っておりいつもと違う。しかし体は至って元気そうである。

「雲の上から落ちたら、補助輪外れたぞ。弁償しろ!」
委員長がおもむろに立ち上がった。

「それは勝負に先生が自主的に参加したからじゃないですか?自己責任です。自分のケツは、ご、ごほん、自分でやったことは、自分で解決してください。」

「そんなことはわかっておるわ。ならば昨日の続きをやるしかないな。」
 三輪車支配人教師のひと言でクラス中のテンションが急上昇した。

「それはいいわ。」「昨日は雲の上に行っちゃって何も見えなかったからね。」「わーい、わーい。」「また授業が潰せるぞ!」

「最後のセリフは教壇から聞こえたけど。教師の凶弾だね。」

「冗談はさておき。」

「あっ、先生逃げた!」

「うるさいわ。それでは、勝負決着はなにがいいか選びな。勉強か、美化運動か、はたまたファッションショーか水着審査、ミスコンでもやるのがいいかのう?」

「委員長ポストがほしいですわ。」

間髪入れずに大悟が答えた。

(ちょっと、大悟。あまりに唐突過ぎない?アタシ、心の準備ができてないし、というより何の準備もないし。第一、委員長選挙なんて、こんな時期には行われないじゃない。)

「大きくでたなあ!でもそれは面白いよ。あたいの委員長政権に対して、真っ向から、弱小野党としてぶつかって来ようってわけだね。これまでクラスのことをきちんと取り纏めてきたあたいに不満のある生徒なんていないけどね。桶狭間の戦いは一度きりの奇襲作戦。奇襲は二度と使えないって歴史が証明しなくてもあたいがやってやるよ。」
「クラス委員長選挙じゃと!それならばあたちも出るぞ!」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「・・・。シーン。ヒュー。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

三輪車支配人教師の発言で、クラスの空気は真っ白を通り越して、透明に近い新種の白が誕生した。
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