悪役令嬢に転生したら、婚約者が浮気男だった。今世は自由に生きますよ。

日照り

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4.まずは

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まずは





夏菜子、もといエティーナが部屋の中を色々探索したり、記憶を整理したりしていると、次第に窓の外が白み始めた。


“エティーナ・スカレット”が死んだ夜が明ける。


段々と姿を現した外の広い庭園を眺めながら、エティーナはこれからすべき事を考えた。
まず、停学が明けるまでにエティーナの体に慣れてから学園へ向かう必要がある。
そして、なるべく早くイベルクとの婚約解消にこぎつける。

最後に、自由に生きる。

幸いエティーナはお金には困らない身分だ。世界一周旅行なり、やりたい職業に就くなり、出来ることは沢山ある。
そして、私らしく生きられるようきなったら、...エティーナの願いである、祖母の故郷の南の島で祖母のお墓に挨拶をしに行こう。
エティーナは新しい1日を照らす太陽を見ながらそう決意した。




「でもまぁ、まずは...




この惨状をどうにかしなきゃね。」



エティーナは明るくなった部屋で、よりはっきり見えるようになったベッドの上と洋服の血を見つめてため息をついた。










「エティーラお嬢様、失礼しま、





きゃあああああ!!お、お嬢様...!?!?」


「あら、ルルネ、良いところに来たわね。そのお水いただくわ。」

そう言ってエティーナは、専属侍女であるルルネの持ってきた洗面器を手に取った。
そして、そのまま広いテラスで燃えさかるベッドのマットレスに中身をかけた。
マットレスを全部燃やすと大火事なため、血のついた場所だけうまいこと燃やし、ネグリジェはそのまま消し炭にしたのだ。

これでエティーナの自殺の証拠は隠滅された。

「よし。」

「お、お嬢様...??いったい何を...??」

「ああ、ルルネ。...そうねぇ、とても寝心地の悪いベッドと肌触りの悪いネグリジェだったから腹が立って燃やしたのよ。今日中に新しいものを用意しておいてね。」

「...は、はい...。」

ルルネは青い顔でとりあえず頷いた。
ルルネは5年前からエティーナの専属をしてくれている侍女で、正義感が強くとても優しい子である。エティーナも生前、まるで妹のようにルルネを可愛がっていた。

しかし、最近はエティーナが自分の顔を見られたくなくて、遠ざけていたらしい。
最近顔を見ないお嬢様が、ある朝死体で発見されたら...ルルネはきっと腰を抜かす。そして絶望する。エティーナだってそれは考えられただろうに、それを気にする心の余裕すらなくなってしまっていたのだ。

「お嬢様は!?お怪我はありませんか...!?」

エティーナが勝手にしたことなのに、ルルネは駆け寄って手を握る。その手をそっと離して、エティーナはルルネの頭を撫でた。

「大丈夫よ。...ねぇ、ルルネ。私生まれ変わったの。...いや、生まれ変わるのよ。」

「...お嬢、様...?」

困惑顔で見上げるルルネにエティーナは完璧な笑顔を向けるた。
それは学園で悪女と呼ばれたエティーナにぴったりの、傲慢な、けれど美しい笑顔だった。

「私は、私のために生きることにしたわ。もう部屋に引き篭もるのも、貴女に心配をかけることもしない。...私はね、自由になったのよ。だから、これから改めてよろしくね、私のルルネ。」

ルルネの慕っていたエティーナは消えてしまったけど、ルルネの事を思っていた彼女の優しさは今も消えてはいない。

流石に自殺のことは言えないため、曖昧な言葉を選んだエティーナだったが、、ルルネは目尻に涙を溜めて元気に頷いた。

「っはい!!エティーナお嬢様!私はいつまでもお嬢様にお仕えします!!ルルネがずっとお側におります!!」

「...ありがとう。」

こんなにエティーナを思ってくれる人が、すぐそばにいた。

いつの間にか固く閉ざしてしまっていた心の中では味方を見失ってしまうのだろう。しかし、それに自力で気づくのは、きっととても難しい。

「(...だから本当は最初から全部、一人で背負わなくても良かったのね。
エティーナの味方はこんなに近くに居るわ。
それにもっと早く気づけたら良かったわね。
私も、貴女も。)」

















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