悪役令嬢に転生したら、婚約者が浮気男だった。今世は自由に生きますよ。

日照り

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10.発覚

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発覚




突然、伯爵家の邸宅中に、エティーナの叫び声が響き渡った。



その瞬間ルシエルが、ねえさま!!と叫びながらバンッ!と勢いよく扉を開けた。そして中の様子をその目に入れる。




「いや!!来ないで!変態!チャラ男!浮気男!!!」

「お、おい...!落ち着け!俺は浮気なんてしてない!」

「こっちに来ないでって言ってるでしょ!?勝手に覗くなんて最低よ!!」

「だからそれは悪かったって!お願いだから話を聞いてくれ...!!」



「...これは...?」

呆然とするルシエルの後ろでルルネが呟く。すると、金髪の男が気づいて急いで助けを求めた。

「ちょっと助けてくれないか!?俺の声が全く届かないんだ!!」

「え?え?」

「...ねぇ、おじさん。」

「おじさん!?それは俺のことか!?俺はまだ25だぞ!?」

「おじさん。...うわきおとこって、なんのこと?」

ルシエルが天使のような笑顔の裏に地獄の業火を燃やしながら、男を見上げた。その迫力に男は一歩後ずさる。

「き、君...さっきとキャラが違くないか...?」

「おじさん、ねえさまになにしたの?ねえさま、なんでこわがってるの?」

「何もしてない!断じて!!何もしてないぞ!!」

「...ぼくのねえさま、いじめるの、だめだよ。」

その瞬間、ルシエルの足元から鋭い形をした氷が飛び出した。

「ぅお!あぶなっ!」

男が咄嗟に魔法で結界を張ってそれを防ぐ。

「君、もう魔法が使えるのか!?」

「ねえさまにあやまって。」

「誰も俺の話を聞かないな!?」

「あやまって。」

ルシエルの足元から次々と氷が飛び出す。もはや、ルシエルを止められる者はいなかった。

ただ一人を除いて。

「ルシエル!?あなたもう動いて大丈夫なの?背中は?」

「ねえさま!!」

淡々と男に魔法をぶつけていた冷めた顔から一転、その顔を再び天使の笑顔にしながらルシエルはエティーナに走り寄った。
そしてエティーナに抱きつく。

「もうだいじょうぶです!ねえさまがしょうどくしてくれたので!」

「そう。良かったわ。にしても今の...、魔法?」

「あっ、は、はい。...ほんとうはまえからつかえていたんですけど、おかあさまにみつかりたくなくて...。」

ただでさえ1日のうちで拘束時間が多いルシエルは魔法の授業までやらされることが嫌でずっとその力を隠していた。それが、数日前にバレてしまったのだ。

「...そうね。でも、明日からは授業を減らすわ。教養の部分は私でも教えられることがあるもの。」

「ねえさまがおしえてくれるんですか!?」

「ええ。それと...魔法の方だけど。あら、確か今日来るはず...。」

エティーナが時計を確認すると、もうとっくに魔法の先生が来ていても良い時間だった。

あれ、魔法?とエティーナが動きを止め、ある事が頭をよぎった。
そしてそれはすぐに正解だとわかる。

「そうだ!俺が魔法の先生だ!」

何故かずっといた金髪の男がどん!と己の胸を叩いて自慢げに笑う。綺麗な顔をしているのに、まるで外遊びの方が好きなガキ...子供のような無邪気な笑い方だ。

それを見たエティーナはルシエルのそばに膝をついてその両肩を持って、優しく諭すように言った。

「ルシエル、魔法の先生は変更するからもう少し時間をいただくわね。もっと優秀な先生を見つけるから。」

「はい!ねえさま!!」



「全部謝るから、話を聞いてくれ!!!!」




いい歳をした大人である男が、勢いよく土下座をした。













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