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11.反省
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反省
「...で?」
エティーナはソファに座りながら優雅に扇子を口元に当てて下方を睨んだ。隣のルシエルはその方に興味は無いのか、ねえさまかっこいい!と言って姉の顔を見上げている。
エティーナが見つめるそこには、金髪男もとい__魔法師ルーカス・セイントベル__が正座をしていた。両手は硬く握られ、膝の上に置かれている。
右手の中指には緑色の宝石のついたゴツめの指輪が付けられていた。
ルーカスがおずおずと口を開く。
「...そうだな、まずは俺のこの能力についてなんだが...。」
「ああ、そのプライバシーガン無視の“素晴らしい”能力ね。ぜひお聞かせ願いたいわ。」
「うっ...。でも、そう言われても仕方ない事だ。俺のこれは、生まれつきで制御できないんだ。なるべく魔道具で抑えてはいるんだが、...言わなければバレないから、油断していた。っでも!本当にわざとじゃないんだ!俺だって申し訳ないと思っている!」
「...ふぅん。今は?どうなのかしら?」
「今は、この指輪で制御しているから聞こえない。」
「じゃあ何故今日は外していたの?」
エティーナがさらに詰めると、ルーカスが視線をキョロキョロ彷徨わせる。
「(なんか、前世の私みたいな挙動ね。)」
「その...、幼い頃からずっと読めたから、むしろ心の声が聞こえないと不安なんだ...。俺は、昔から、その、嫌われやすいようで...人の心が読めても、人の顔から感情を読み取るのが苦手で...。」
「あら、あなた以外と根暗なのね。」
「えっ。」
エティーナは興味深げにルーカスに顔を近づけて観察した。しかしルーカスはその真っ赤な瞳に見つめられると、パッと視線を外してしまった。
前世の夏菜子も、そうだった。
人が何を考えているのか分からないことが不安で、常に相手に嫌われている気がして視線が合わせられずに挙動不審になってしまう。
エティーナは、ルーカスの顔を両手で挟んで正面に向かせた。
「私の目を見なさい。」
「う゛っ。」
「...綺麗な目ね。逸らすのは勿体無いわよ。こんなに綺麗な顔をしているんだから、よっぽどのことがない限り嫌われるわけないじゃない。世の中所詮顔よ。」
「えっ、えっ?」
「それにあなたの経歴を見させてもらったけど、随分優秀らしいじゃない?魔法学校は首席で卒業。最年少で魔塔入りを果たして、幾つも新しい魔法を生み出している。...きっとあなたが嫌われていると思っている相手は、貴方が綺麗な上に魔法使いとしても優秀だから妬んでいるだけよ。気にすることないわ。...って...。」
エティーナが素直な感想を述べる中、ルーカスはその開かれた目からポロポロと涙を溢した。
それを見てもしかして泣かせた!?とエティーナが焦る。
「ちょ、ちょっとどうして泣くのよ。私が偉そうだったから嫌なの?でもこれが私なのよ。不快にさせたなら謝るわ。」
「っっすまん、違うんだ。そうじゃなくて...。...本当は、指輪をしていても、目を合わせれば心が読めるんだ。」
「はぁ!?あなた嘘ついたわね!?」
「だ、だから!目を合わせないようにしたのに、無理やり合わせたのは君だろう!?っでも、目を合わせても君の言葉が全部本心だったから、...少し、動揺した。」
すまない、とルーカスは白い頬をピンク色に染めて謝った。また視線を外しているのを見ると、やはりルーカスは根本的に人と目を合わせるのが苦手なのだろう。だから指輪を外しているのではないだろうかとエティーナは考えた。
「...で?」
エティーナはソファに座りながら優雅に扇子を口元に当てて下方を睨んだ。隣のルシエルはその方に興味は無いのか、ねえさまかっこいい!と言って姉の顔を見上げている。
エティーナが見つめるそこには、金髪男もとい__魔法師ルーカス・セイントベル__が正座をしていた。両手は硬く握られ、膝の上に置かれている。
右手の中指には緑色の宝石のついたゴツめの指輪が付けられていた。
ルーカスがおずおずと口を開く。
「...そうだな、まずは俺のこの能力についてなんだが...。」
「ああ、そのプライバシーガン無視の“素晴らしい”能力ね。ぜひお聞かせ願いたいわ。」
「うっ...。でも、そう言われても仕方ない事だ。俺のこれは、生まれつきで制御できないんだ。なるべく魔道具で抑えてはいるんだが、...言わなければバレないから、油断していた。っでも!本当にわざとじゃないんだ!俺だって申し訳ないと思っている!」
「...ふぅん。今は?どうなのかしら?」
「今は、この指輪で制御しているから聞こえない。」
「じゃあ何故今日は外していたの?」
エティーナがさらに詰めると、ルーカスが視線をキョロキョロ彷徨わせる。
「(なんか、前世の私みたいな挙動ね。)」
「その...、幼い頃からずっと読めたから、むしろ心の声が聞こえないと不安なんだ...。俺は、昔から、その、嫌われやすいようで...人の心が読めても、人の顔から感情を読み取るのが苦手で...。」
「あら、あなた以外と根暗なのね。」
「えっ。」
エティーナは興味深げにルーカスに顔を近づけて観察した。しかしルーカスはその真っ赤な瞳に見つめられると、パッと視線を外してしまった。
前世の夏菜子も、そうだった。
人が何を考えているのか分からないことが不安で、常に相手に嫌われている気がして視線が合わせられずに挙動不審になってしまう。
エティーナは、ルーカスの顔を両手で挟んで正面に向かせた。
「私の目を見なさい。」
「う゛っ。」
「...綺麗な目ね。逸らすのは勿体無いわよ。こんなに綺麗な顔をしているんだから、よっぽどのことがない限り嫌われるわけないじゃない。世の中所詮顔よ。」
「えっ、えっ?」
「それにあなたの経歴を見させてもらったけど、随分優秀らしいじゃない?魔法学校は首席で卒業。最年少で魔塔入りを果たして、幾つも新しい魔法を生み出している。...きっとあなたが嫌われていると思っている相手は、貴方が綺麗な上に魔法使いとしても優秀だから妬んでいるだけよ。気にすることないわ。...って...。」
エティーナが素直な感想を述べる中、ルーカスはその開かれた目からポロポロと涙を溢した。
それを見てもしかして泣かせた!?とエティーナが焦る。
「ちょ、ちょっとどうして泣くのよ。私が偉そうだったから嫌なの?でもこれが私なのよ。不快にさせたなら謝るわ。」
「っっすまん、違うんだ。そうじゃなくて...。...本当は、指輪をしていても、目を合わせれば心が読めるんだ。」
「はぁ!?あなた嘘ついたわね!?」
「だ、だから!目を合わせないようにしたのに、無理やり合わせたのは君だろう!?っでも、目を合わせても君の言葉が全部本心だったから、...少し、動揺した。」
すまない、とルーカスは白い頬をピンク色に染めて謝った。また視線を外しているのを見ると、やはりルーカスは根本的に人と目を合わせるのが苦手なのだろう。だから指輪を外しているのではないだろうかとエティーナは考えた。
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