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20.授業
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授業
昼食も食べ終われば、次はルーカスによるルシエルの魔法の授業だ。とりあえず広い場所がいいと言うルーカスのために、普段伯爵家の騎士たちが訓練に使う訓練場へと移動した。
エティーナは二人からは離れたところに用意された豪華な椅子に座って見学している。その傍ではルルネが日傘をさしていた。
「では!まずは君の力を見せてもらおうか!!」
「はい。」
ルシエルの前で仁王立ちしたルーカスがそう言う。それに返事をしたルシエルは、右手をルーカスの左側あたりに向けた。
その瞬間、周囲の空気がグッと冷たくなり地面から鋭い氷が生える。
昨日使ったのと同じ技だ。
ルーカスは感心したように腕を組んでその氷を見つめる。
「ほぉ、やはりすごいな君は。その年でこれほどの威力の魔法をちゃんと制御できているなんて。将来有望だな。」
「そんなこと、ないです。」
「いいや。凄いものは凄い。ちゃんと己の能力は認めるんだ。それが安全で的確な魔法操作へと繋がるからな。決して過信せず、決して軽んじない。君は素晴らしい才能を持っている。これはもっと伸びるぞ。」
「...はい。」
ルシエルの髪をくしゃりと撫でたルーカスは、少しだけ大人びた顔をしていた。
「きっと、ルーカスの師匠もああやって教えてくれたのね。」
ルーカスをルシエルの教師にして良かった、とエティーナは思った。
これまで散々自尊心を踏み躙られてきたルシエルも、ルーカスのまっすぐな言葉には抗えなかったのか、少しだけ顔を赤くしながら地面を見つめていた。
「ふふっ、やっと年相応ね。(ルーカスもああしているとかっこいいわね。)」
二人はきっといい教師と生徒の関係を育てていくだろう。
そんな事を考えながら微笑んでいたエティーナは、すぐ横に来ていたルーカスには気づかなかった。
「君!!今俺をかっこいいと言ったか!?言ったよな!?」
「...ルーカス、今は授業中でしょ。ルシエルを放置するなら解雇よ。」
「っ!?!?ぁ、じゃ、じゃあ!また今夜聞きに行くからな!!」
「またこんやって、なんですか?」
ルシエルもいつの間にかそばにやって来ていて、そう尋ねる。
「おお!!君、もう転移魔法も使えるのか!?すごいな!!やはり天才だ!」
「またこんやって、なんですか?せんせい。」
「ぇ、ええと...だな...。」
「(もしかして昨夜姉様の部屋を訪ねたんですか?女性の部屋に?成人男性が??)」
「うっ...そ、そこらへんのルールはよく知らなかったというか...。俺は貴族社会のことはてんで...。」
「(姉様が今日少し眠そうなのはお前のせいか。それでいて今夜も押しかけようと?紳士の風上にも置けない。二度と姉様に近づくなよ。)」
「ぁ...あぁぁぁ...........。」
ルシエルの心の声に、ルーカスの心がバキバキに折られた。
「...ねえさまも、きをつけてくださいね?またねえさまにへんなうわさがつくのはいやです。」
「ありがとうルシエル。」
「ちょっと待て、変な噂とはなんだ?」
姉弟の会話を遮ってルーカスが突っ込む。
「(まあ噂と言ったら、あの無能浮気男との事でしょうね。)」
「無能、浮気男...?」
「あら、そういえばルーカスには言ってなかったかしら。
私、公爵家の長男と婚約しているのよ。で、その男と色々あって今停学中。」
その時、ルーカス顔から全ての感情が消えた。
昼食も食べ終われば、次はルーカスによるルシエルの魔法の授業だ。とりあえず広い場所がいいと言うルーカスのために、普段伯爵家の騎士たちが訓練に使う訓練場へと移動した。
エティーナは二人からは離れたところに用意された豪華な椅子に座って見学している。その傍ではルルネが日傘をさしていた。
「では!まずは君の力を見せてもらおうか!!」
「はい。」
ルシエルの前で仁王立ちしたルーカスがそう言う。それに返事をしたルシエルは、右手をルーカスの左側あたりに向けた。
その瞬間、周囲の空気がグッと冷たくなり地面から鋭い氷が生える。
昨日使ったのと同じ技だ。
ルーカスは感心したように腕を組んでその氷を見つめる。
「ほぉ、やはりすごいな君は。その年でこれほどの威力の魔法をちゃんと制御できているなんて。将来有望だな。」
「そんなこと、ないです。」
「いいや。凄いものは凄い。ちゃんと己の能力は認めるんだ。それが安全で的確な魔法操作へと繋がるからな。決して過信せず、決して軽んじない。君は素晴らしい才能を持っている。これはもっと伸びるぞ。」
「...はい。」
ルシエルの髪をくしゃりと撫でたルーカスは、少しだけ大人びた顔をしていた。
「きっと、ルーカスの師匠もああやって教えてくれたのね。」
ルーカスをルシエルの教師にして良かった、とエティーナは思った。
これまで散々自尊心を踏み躙られてきたルシエルも、ルーカスのまっすぐな言葉には抗えなかったのか、少しだけ顔を赤くしながら地面を見つめていた。
「ふふっ、やっと年相応ね。(ルーカスもああしているとかっこいいわね。)」
二人はきっといい教師と生徒の関係を育てていくだろう。
そんな事を考えながら微笑んでいたエティーナは、すぐ横に来ていたルーカスには気づかなかった。
「君!!今俺をかっこいいと言ったか!?言ったよな!?」
「...ルーカス、今は授業中でしょ。ルシエルを放置するなら解雇よ。」
「っ!?!?ぁ、じゃ、じゃあ!また今夜聞きに行くからな!!」
「またこんやって、なんですか?」
ルシエルもいつの間にかそばにやって来ていて、そう尋ねる。
「おお!!君、もう転移魔法も使えるのか!?すごいな!!やはり天才だ!」
「またこんやって、なんですか?せんせい。」
「ぇ、ええと...だな...。」
「(もしかして昨夜姉様の部屋を訪ねたんですか?女性の部屋に?成人男性が??)」
「うっ...そ、そこらへんのルールはよく知らなかったというか...。俺は貴族社会のことはてんで...。」
「(姉様が今日少し眠そうなのはお前のせいか。それでいて今夜も押しかけようと?紳士の風上にも置けない。二度と姉様に近づくなよ。)」
「ぁ...あぁぁぁ...........。」
ルシエルの心の声に、ルーカスの心がバキバキに折られた。
「...ねえさまも、きをつけてくださいね?またねえさまにへんなうわさがつくのはいやです。」
「ありがとうルシエル。」
「ちょっと待て、変な噂とはなんだ?」
姉弟の会話を遮ってルーカスが突っ込む。
「(まあ噂と言ったら、あの無能浮気男との事でしょうね。)」
「無能、浮気男...?」
「あら、そういえばルーカスには言ってなかったかしら。
私、公爵家の長男と婚約しているのよ。で、その男と色々あって今停学中。」
その時、ルーカス顔から全ての感情が消えた。
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