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Chapter6(十三夜編)
Chapter6-③【Another World】
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「スーパーマンやスパイダーマンだ。
いわゆるアメコミのタイツヒーローになってみないか?
全身タイツを着たヒーローを拘束し、いたぶるのが俺のフェチなんだ。」
マサルが熱く語る。
イオリも映画を見て、ヒーローの股間を凝視した覚えはある。
しかしそれと性欲を結び付ける事はなかった。
「これを見てみろよ。」
マサルがビジネスバッグから書籍を取り出す。
イラスト集の様だが、何か違和感を覚えた。
表紙に描かれたスパイダーマンの表情が、やけに淫らに見えたからだ。
厚い表紙を開く。
筋肉隆々のスパイダーマンは拘束され、レザーで武装したヒールの黒マラをフェラチ
オしていた。
「…!」イオリは雷に打たれた様な衝撃を受ける。
別世界に迷い込んだ感覚だ。
頁を捲ると、次々にエロチックなヒーローが現れた。
「タイツヒーローで重要なのはマラのデカさなんだ。
タイツの上からでも分かるデカマラじゃないと、完璧にならない。
イラストはデフォルメが出来るが、実写となるとそう簡単にモデルが見付からない。
その点、イオリ君のなら迫力満点だ。」
イラストに食らい付いたイオリを見取ったマサルが畳み掛ける。
「とりあえず着てみろよ。
嫌なら一度きりでいい。
物は試しだ。なあ?」
マサルは考える暇を与えず、答えを聞き出す。
「本当に一回きりでいいの?」
イオリは完全にマサルのペースに嵌まっていた。
「ああ、一度きりだ。約束する。
ただイオリ君が望めば何回でもしてやるぜ。
勿論、写真もやるよ。
製本してあげてもいいぜ。」
マサルは巧みな話術で、いとも簡単にイオリを頷かせた。
「もう直ぐイオリ君もこのヒーローみたいに悶絶すんだ。
キンタマ縛り上げて射精出来なくしてから、何度も何度も寸止め地獄を味わせてやる
よ。」
マサルが目を輝かす。
「いつ会えるかな?
明日はどうだ?」
マサルは手帳を見ながら、スケジュールを確認する。
「明日は無理。」
ソウイチロウと会う約束を既にしていた。
「なら、週末は?」マサルは頻りに汗を拭く。
「週末は東京で仕事なんだ。」
土曜日の午前中に、編集者との打ち合わせが入っていた。
「マジ?俺も金曜日に東京で会議なんだ。
土曜日の午後に会えないか?」
マサルが身を乗り出す。
「昼前には終わるから、大丈夫だと思うけど…。」
イオリは躊躇いがちに承諾する。
「よし、決まりだ!」
満足げに微笑んだ。
「そうだっ!」
マサルは何か思い付いたらしく、手帳を破る。
「ここで待ち合わせだ。」
簡単な地図を書き込むと、紙切れを差し出す。
待ち合わせの場所が、事細かに書いてある。
ラフな図だが、要所は的確だ。
「こんな所で会うの?」
驚いてマサルを見る。
「ああ、ちょっと不便だが頼む。
土曜日は泊まれるだろ?
駅前のホテルを取っておくからさ。」
ビジネスマンらしく、決めた事を次々に書き込んでいく。
罪悪感を感じる暇もなく決まる事に、イオリは安堵する。
多少強引だが、せっかちなマサルに好意を持ち始めた。
「さあ、出るか。」
事が決まると、マサルはとっとと席を立つ。
伝票を持つと、勝手に会計を済ませた。
「ちょっと便所に寄って行こうぜ。」
礼を言う暇もなく、便所の表示板に添って歩き出す。
イオリは笑うしかなかった。
個室に入ると、マサルが唇を押し付けてきた。
香水が鼻孔を擽る。
マサルはキスをしたまま器用に、イオリのベルトを外す。
「おおっ!このケツワレだ。
めちゃ臭そうだな!」
唇を離したマサルは、ケツワレの上から巨根を鷲掴みする。
「マジ、デケェな!
片手じゃ握りきれないぜ。
正に理想の一物だ、たまんねぇ!」
興奮をそのまま口にした。
マサルはもどかしげにワイシャツを脱ぐ。
下は地肌かと思ったが、薄手のタンクトップを着ていた。
それは極薄い生地で、発達した筋肉に張り付いている。
濡れた生地は透けていて、何も着ていない様にも見えた。
(つづく)
いわゆるアメコミのタイツヒーローになってみないか?
全身タイツを着たヒーローを拘束し、いたぶるのが俺のフェチなんだ。」
マサルが熱く語る。
イオリも映画を見て、ヒーローの股間を凝視した覚えはある。
しかしそれと性欲を結び付ける事はなかった。
「これを見てみろよ。」
マサルがビジネスバッグから書籍を取り出す。
イラスト集の様だが、何か違和感を覚えた。
表紙に描かれたスパイダーマンの表情が、やけに淫らに見えたからだ。
厚い表紙を開く。
筋肉隆々のスパイダーマンは拘束され、レザーで武装したヒールの黒マラをフェラチ
オしていた。
「…!」イオリは雷に打たれた様な衝撃を受ける。
別世界に迷い込んだ感覚だ。
頁を捲ると、次々にエロチックなヒーローが現れた。
「タイツヒーローで重要なのはマラのデカさなんだ。
タイツの上からでも分かるデカマラじゃないと、完璧にならない。
イラストはデフォルメが出来るが、実写となるとそう簡単にモデルが見付からない。
その点、イオリ君のなら迫力満点だ。」
イラストに食らい付いたイオリを見取ったマサルが畳み掛ける。
「とりあえず着てみろよ。
嫌なら一度きりでいい。
物は試しだ。なあ?」
マサルは考える暇を与えず、答えを聞き出す。
「本当に一回きりでいいの?」
イオリは完全にマサルのペースに嵌まっていた。
「ああ、一度きりだ。約束する。
ただイオリ君が望めば何回でもしてやるぜ。
勿論、写真もやるよ。
製本してあげてもいいぜ。」
マサルは巧みな話術で、いとも簡単にイオリを頷かせた。
「もう直ぐイオリ君もこのヒーローみたいに悶絶すんだ。
キンタマ縛り上げて射精出来なくしてから、何度も何度も寸止め地獄を味わせてやる
よ。」
マサルが目を輝かす。
「いつ会えるかな?
明日はどうだ?」
マサルは手帳を見ながら、スケジュールを確認する。
「明日は無理。」
ソウイチロウと会う約束を既にしていた。
「なら、週末は?」マサルは頻りに汗を拭く。
「週末は東京で仕事なんだ。」
土曜日の午前中に、編集者との打ち合わせが入っていた。
「マジ?俺も金曜日に東京で会議なんだ。
土曜日の午後に会えないか?」
マサルが身を乗り出す。
「昼前には終わるから、大丈夫だと思うけど…。」
イオリは躊躇いがちに承諾する。
「よし、決まりだ!」
満足げに微笑んだ。
「そうだっ!」
マサルは何か思い付いたらしく、手帳を破る。
「ここで待ち合わせだ。」
簡単な地図を書き込むと、紙切れを差し出す。
待ち合わせの場所が、事細かに書いてある。
ラフな図だが、要所は的確だ。
「こんな所で会うの?」
驚いてマサルを見る。
「ああ、ちょっと不便だが頼む。
土曜日は泊まれるだろ?
駅前のホテルを取っておくからさ。」
ビジネスマンらしく、決めた事を次々に書き込んでいく。
罪悪感を感じる暇もなく決まる事に、イオリは安堵する。
多少強引だが、せっかちなマサルに好意を持ち始めた。
「さあ、出るか。」
事が決まると、マサルはとっとと席を立つ。
伝票を持つと、勝手に会計を済ませた。
「ちょっと便所に寄って行こうぜ。」
礼を言う暇もなく、便所の表示板に添って歩き出す。
イオリは笑うしかなかった。
個室に入ると、マサルが唇を押し付けてきた。
香水が鼻孔を擽る。
マサルはキスをしたまま器用に、イオリのベルトを外す。
「おおっ!このケツワレだ。
めちゃ臭そうだな!」
唇を離したマサルは、ケツワレの上から巨根を鷲掴みする。
「マジ、デケェな!
片手じゃ握りきれないぜ。
正に理想の一物だ、たまんねぇ!」
興奮をそのまま口にした。
マサルはもどかしげにワイシャツを脱ぐ。
下は地肌かと思ったが、薄手のタンクトップを着ていた。
それは極薄い生地で、発達した筋肉に張り付いている。
濡れた生地は透けていて、何も着ていない様にも見えた。
(つづく)
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