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Chapter20(陰月編)
Chapter20-③【みんなのうみ】
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「よし、本番始めるぞ。」
カメラチェックを終えたゼロが宣言する。
掌に汗が滲む。
波打際に立つと、撮影が始まった。
「先ずはそっちから、ゆっくり歩いて来てくれ。
顔を少し右に向けて、視線は水平線だ。」
ゼロが指示する。
指示というよりは命令に近い。
同じスピードでレフ板を持つユーキとセイジが中腰で移動する。
「おい、レフ板遅れているぞ!」
鳴り止まないシャッター音の中、怒号が飛ぶ。
「全く人使いが荒いよ!」
ユーキの愚痴が聞こえてきた。
つい笑ってしまい、慌てて顔を引き締める。
ゼロが駆け寄って来た。
笑った事を叱られるかと、畏縮する。
「このサングラスを掛けてくれ。」
ゼロの素顔を始めて見た。
切れ長の目は柔和な印象だ。
再び歩き出すと、ゼロはシャッターボタンを押し続けた。
「ちょっと休憩しよう。」
ゼロの発言にユーキが伸びをする。
「あー、腰が痛い!
奢りの旅行に釣られて来たけど、タダより高いものはないとは良く言ったもんだ。」
ユーキは汗を拭きながら、後悔を口にする。
「次はこれに着替えてくれ。」
ゼロはタバコを吹かしながら、水着を投げた。
キャッチした水着はかなり小さなYバックだ。
「露出度高過ぎない?」
遠回しに、文句を言う。
「まあ、ゲイ向けからな。」
簡単な答えで、苦情は聞き流された。
着替え終わり、水際に立つ。
ファインダーを覗く表情は芳しくない。
「やっぱ勃起してないと、迫力ねぇな。」
ゼロは不満げだ。
『迫力なくて、悪かったな!』
内心悪態を吐く。
「これ勃起薬だ。
悪いけど、飲んでくれないか?
医者に処方された正規の薬だ。
安心してくれ。」
ゼロが申し訳なさそうに差し出した。
いつも高飛車なゼロが腰を低くすると、無下に断るのが忍びなくなる。
受け取った薬を一気に飲み込む。
「効果が出るまで、飯食っちゃおうぜ。」
ゼロが海を見たまま笑顔で言う。
笑った素顔はまだ幼く見えた。
一時間ほど経過したが、マラに変化は現れない。
「何か刺激がないと、効き目ないぜ。」
セイジがアドバイスする。
「そうだな。」
ゼロが考え込む。
「ここは誰かがヤマトさんを挑発しないと。」
ユーキがセイジとゼロを交互に見る。
「仕方ねぇ、俺が脱ぐか。」
ゼロは言うと、フェイクレザーを脱ぎだした。
細身だと思ったゼロは意外と筋肉質だ。
そして一番驚いたのはペニスの大きさだ。
セイジも大きいが、太さが比較にならない。
ビール缶は優にある。
ユーキも口をあんぐりと開け、言葉が出てこないだ様子だ。
ペニスと態度の大きさは比例してると確信した。
それは自信の表れだろう。
巨根は半起ち状態だ。
亀頭が膨れ上がり、上空を向いている。
「何だゼロ、勃起してるのか?」
セイジがからかう。
「ヤマトさんを撮ってたら、欲情したんだ。」
ゼロは頭を掻いた。
「効き目抜群だね!」
ユーキが勃起したマラを見て言う。
恥ずかしさに、視線をゼロに向ける。
臆する事なく、カメラのメンテナンスをしていた。
「さすがだな。
俺よりデカいマラはゼロ以外、見たことないからな。」
セイジも溜め息を吐く。
「ヤマトさん、波打際に寝そべってくれ。
肘付いて、顔を支えて。
そう、右足をこっちに伸ばして、左足は立てて。」
全裸のゼロがポーズを指示しながら、シャッターボタンを押す。
ピピ島の浅瀬で、タケルと撮影した事を思い出した。
そういえばゼロとタケルは雰囲気が似てる。
ゼロの年齢は知らないが、ほぼ同じだろう。
ただ精神年齢はタケルの方がずっと大人だ。
春先の陽が傾き始める。
「急ごうか。最後はこれに着替えてくれ。」
ゼロが水着を放る。
それはもう水着と呼べる代物ではない。
黄色いサスペンダータイプの下着では、何も身に付けてないも同じだ。
もう何も言わない。
言うだけ無駄と観念した。
ユーキとセイジの疲れ具合を見ると、早く終わらせたい。
サスペンダーを肩に掛けると、シャッター音が鳴り続く。
マラは萎える事がない。
カメラを構えるゼロの股間で、巨根が揺れた。
『丸で人参を目の前に吊されて走る馬だな。』
俯瞰的に自信の姿を想像して、可笑しくなる。
太陽が雲に遮られた。
「よし、今日はこれで終わりにするか。」
ゼロの宣言に、ユーキとセイジが笑顔でハイタッチする。
(つづく)
カメラチェックを終えたゼロが宣言する。
掌に汗が滲む。
波打際に立つと、撮影が始まった。
「先ずはそっちから、ゆっくり歩いて来てくれ。
顔を少し右に向けて、視線は水平線だ。」
ゼロが指示する。
指示というよりは命令に近い。
同じスピードでレフ板を持つユーキとセイジが中腰で移動する。
「おい、レフ板遅れているぞ!」
鳴り止まないシャッター音の中、怒号が飛ぶ。
「全く人使いが荒いよ!」
ユーキの愚痴が聞こえてきた。
つい笑ってしまい、慌てて顔を引き締める。
ゼロが駆け寄って来た。
笑った事を叱られるかと、畏縮する。
「このサングラスを掛けてくれ。」
ゼロの素顔を始めて見た。
切れ長の目は柔和な印象だ。
再び歩き出すと、ゼロはシャッターボタンを押し続けた。
「ちょっと休憩しよう。」
ゼロの発言にユーキが伸びをする。
「あー、腰が痛い!
奢りの旅行に釣られて来たけど、タダより高いものはないとは良く言ったもんだ。」
ユーキは汗を拭きながら、後悔を口にする。
「次はこれに着替えてくれ。」
ゼロはタバコを吹かしながら、水着を投げた。
キャッチした水着はかなり小さなYバックだ。
「露出度高過ぎない?」
遠回しに、文句を言う。
「まあ、ゲイ向けからな。」
簡単な答えで、苦情は聞き流された。
着替え終わり、水際に立つ。
ファインダーを覗く表情は芳しくない。
「やっぱ勃起してないと、迫力ねぇな。」
ゼロは不満げだ。
『迫力なくて、悪かったな!』
内心悪態を吐く。
「これ勃起薬だ。
悪いけど、飲んでくれないか?
医者に処方された正規の薬だ。
安心してくれ。」
ゼロが申し訳なさそうに差し出した。
いつも高飛車なゼロが腰を低くすると、無下に断るのが忍びなくなる。
受け取った薬を一気に飲み込む。
「効果が出るまで、飯食っちゃおうぜ。」
ゼロが海を見たまま笑顔で言う。
笑った素顔はまだ幼く見えた。
一時間ほど経過したが、マラに変化は現れない。
「何か刺激がないと、効き目ないぜ。」
セイジがアドバイスする。
「そうだな。」
ゼロが考え込む。
「ここは誰かがヤマトさんを挑発しないと。」
ユーキがセイジとゼロを交互に見る。
「仕方ねぇ、俺が脱ぐか。」
ゼロは言うと、フェイクレザーを脱ぎだした。
細身だと思ったゼロは意外と筋肉質だ。
そして一番驚いたのはペニスの大きさだ。
セイジも大きいが、太さが比較にならない。
ビール缶は優にある。
ユーキも口をあんぐりと開け、言葉が出てこないだ様子だ。
ペニスと態度の大きさは比例してると確信した。
それは自信の表れだろう。
巨根は半起ち状態だ。
亀頭が膨れ上がり、上空を向いている。
「何だゼロ、勃起してるのか?」
セイジがからかう。
「ヤマトさんを撮ってたら、欲情したんだ。」
ゼロは頭を掻いた。
「効き目抜群だね!」
ユーキが勃起したマラを見て言う。
恥ずかしさに、視線をゼロに向ける。
臆する事なく、カメラのメンテナンスをしていた。
「さすがだな。
俺よりデカいマラはゼロ以外、見たことないからな。」
セイジも溜め息を吐く。
「ヤマトさん、波打際に寝そべってくれ。
肘付いて、顔を支えて。
そう、右足をこっちに伸ばして、左足は立てて。」
全裸のゼロがポーズを指示しながら、シャッターボタンを押す。
ピピ島の浅瀬で、タケルと撮影した事を思い出した。
そういえばゼロとタケルは雰囲気が似てる。
ゼロの年齢は知らないが、ほぼ同じだろう。
ただ精神年齢はタケルの方がずっと大人だ。
春先の陽が傾き始める。
「急ごうか。最後はこれに着替えてくれ。」
ゼロが水着を放る。
それはもう水着と呼べる代物ではない。
黄色いサスペンダータイプの下着では、何も身に付けてないも同じだ。
もう何も言わない。
言うだけ無駄と観念した。
ユーキとセイジの疲れ具合を見ると、早く終わらせたい。
サスペンダーを肩に掛けると、シャッター音が鳴り続く。
マラは萎える事がない。
カメラを構えるゼロの股間で、巨根が揺れた。
『丸で人参を目の前に吊されて走る馬だな。』
俯瞰的に自信の姿を想像して、可笑しくなる。
太陽が雲に遮られた。
「よし、今日はこれで終わりにするか。」
ゼロの宣言に、ユーキとセイジが笑顔でハイタッチする。
(つづく)
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