妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

文字の大きさ
175 / 190
Chapter8(がむしゃら編)

Chapter8-⑥【I beg you】前編

しおりを挟む
正夢に遭遇し、シオンは目を擦る。
もしかするとこれも夢かもしれないと疑う。
伸ばした手でワタルの肩を掴む。
振動が伝わってきた。
夢なら夢でも良い。
夢の中でも前進したなら、それで結構だ。
この状況を見す見す見逃す訳にはいかない。
呪縛が解けた足が動き出す。
シオンはワタルの上に股がっていた。
「店員にお触りは禁止っすよ。」
遠くで聞こえる声は脳には届かない。
ただ全身を委ねるだけだ。
ワタルの掌が大胸筋を弄る。
胸を突き出して、更なる刺激をねだった。
 
「もっと強い刺激が欲しいみたいっすよ。
本来、店員はサポートしないけど、サービス期間って事でオマケっすね。」
「そうだな、リピーターが増えないと、口コミも広がらないし。」
二人の会話が遮断された。
「ぐおぉぉぉう!」
雄叫びが店内に響く。
その発生源が己の口だという事にも気付かずに頭を振り、快楽を味わう。
日頃使っているクリップが子供騙しに思えた。
マメだらけの指はペンチの様だ。
容赦なく圧迫し、捻りあげる。
振動と重なり、あっという間にピークに達した。
薄い生地から白濁の液体が飛び散る。
だが次々に沸き上がる欲望は収まりそうもない。
 
「ねっ、防音にしておいて良かったでしょ。」
「確かに、こんなボロ家じゃ大声が筒抜けだったな。
即、苦情が来たところだ。」
ワタルに持ち上げられたシオンは反対側のソファーに置かれた。
「スッキリした所でアイスコーヒーでも飲んで、寛いで下さい。」
ワタルがティッシュペーパーを差し出す。
目の前のソファーに突き出たディルドを見詰める。
少し前迄、ワタルのアナルを掻き回してした。
赤い照明が反射し、艶やかに見える。
『同じ張り型を突っ込みたい!』
新たな願望が芽生えた。
しかし他の客が来るかもしれないと思うと、そう簡単には試せない。
 
「射精したから、そのウエアはお買い上げっすよ。
他にも欲しい物があれば買っておいた方がいいっすよ。
初回は20%引きなんで。」
伝票を持ったユウヤが声を掛けてきた。
「そっ、それ…、そのマスクも売っているんですか?」
シオンはユウヤの顔に手を伸ばす。
ラバーの滑る感触が心地好い。
「勿論、扱っているっすよ。
ラバー製とレザー製があるっすけど、どっちがいいっすか?」
「このラバーの方を…。
今、トータル幾らですか?
手持ちの現金があまりないんです。
クレジットカード使えますか?
だったら着替えも買いたいんだけど…。」
シオンは指の感触を楽しみながら答えた。
 
「凄く似合うっすよ。
ねぇ、ワタルさん。」
「ああ、エロさの中に精悍さが増したな。
俺のタイプだ。」
ワタルに誉められ、天にも昇る気持ちだ。
財布の紐が緩んでしまう。
「これオプションで目隠しが付いているから、いろんな用途で使えるっすよ。
カードは勿論、使えるっすよ。
着替えはこのロングスパッツはどうっすか?
これなら街着としても使えるっすよ。」
ユウヤが下品な笑みを溢した。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

処理中です...