妄想日記3<<RISING>>

YAMATO

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Chapter4(Remember You編)

Chapter4-⑬【LIAR】

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「昨日はすみませんでした。
急いで人を呼びに行ったのですが…。
監視員を連れて戻ったら、もう誰もいなくて…。」
会員証を受け取り、仁藤の言い訳は聞き流す。
「大した事なかったので気にしないで下さい。
お陰でいい事もありましたし。」
会員証を返し、カウンターの外に出る。
「おっ!」
予想通り、仁藤の視線が股間で留まった。
「そっ、それは…?」
質問が途切れる。
星条旗柄のスパッツの下に、ケージが透けて見えているからだ。
「貞操具です。
最近、股間に触れるお客様が多いので、自己防衛なんです。」
ケンゴの説明をそのまま引用する。
「ま、まさか誰かに管理されてる訳では?」
仁藤の言葉が震えた。
「そんな事はありません。」
微笑みを浮かべ否定する。
 
『いい事?これがいい事か!
どいつに管理されてんだ!
岩佐か?ケンゴか?』
仁藤は先を越されたという思いで動揺する。
ロッカールームに入ると、打開策を案じた。
昨日の失態を悔やむ。
勝ちに拘泥し過ぎた。
昨日までは貞操具など装着していなかった。
そうすると、昨日のプールの後だ。
『あそこでキッチリ勝っておけば、タカユキを専属奴隷に出来たのに…。』
臍を噛むが、手遅れだ。
しかも逃げた事で、信用も失った。
チェックイン時の勿体振った物言いがその証拠だ。
逃した魚は大きい。
 
「昨日のアナルフックの水着はどうでしたか?
あんな卑猥なデザインを格好よく着こなせるは、タカユキさんくらいですよ。」
エロ着フェチを刺激する作戦を企てた。
「ええ…、まあ…。」
タカユキは目を伏せ、アナルに手を持っていく。
「今度はもっと過激な水着を持って行きますよ。
いろいろ着てみませんか?」
反応を待つのがもどかしい。
「どんなのがあるんですか?」
小首を傾げ、聞き返してた。
「タカユキさんにビッタリな水着ばかりです。
きっと浜辺の注目の的になるでしょう。
皆が振り向き、皆が犯したがる筈ですよ。」
感情をたっぷり込めて言った。
 
タカユキは『注目の的』という単語が気に入った。
大勢の目に曝されれば、また昨夜の快楽が得られる。
「ええ、またご一緒しましょう。」
微笑みを湛えて頷く。
疼くアナルが、上反りのペニスを思い出させる。
遅番のケンゴが息を切らして、駆け込んできた。
タカユキの挨拶を無視して、タイムカードを押す。
「おう!ギリギリセーフだ!
一分前だぜ!」
三角筋が大きく上下した。
「ちょっとこっち来い。」
息を切らしたケンゴが手招きする。
カウンターの中に入ると、股間を力強く握ってきた。
「ちゃんとしてるな。
まあ鍵は俺が持ってるから、外しようがないがな。」
ケンゴが満足げに頷く。
「でさ、お前に頼みがあるんだ。」
両手がタカユキの双肩に乗る。
「な、何だよ、改まって。」
何かあると、訝しがる。
普段なら、頼み事は命令と同意語だ。
「実はさ、DVDの新作が出る事になったんだ。」
辺りを見回したケンゴが小声で話し出す。
「凄いじゃん!一年振りだろ!」
興奮して、つい大声を出してしまう。
「しっ!まだ極秘なんだ。」
口の前で人差し指を立てる。
「あっ、ゴメン…。」
赤面したまま小さな声で謝った。
 
「実は引き抜きなんだ。
新しいブランドから出すんだ。」
ケンゴが極秘の理由を説明する。
「でもさ、ここのバイト代があれば、別に出る必要ないんだ。
金にも困ってないしさ。
で、断ったんだ。
でもさ、余りにしつこく誘ってくれるから、ひとつ条件を出したんだ。」
意味ありげに笑う。
「ひとつ?条件?」
嫌な予感がし、聞き返す。
「ああ、条件をひとつだ。
共演者は俺が決めるってな!」
自己中な視線がタカユキを貫く。
「それって、まさか…。」
言葉が続かない。
「そう、お前だ。
頼んだぞ。」
ケンゴが両肩を大きく揺すった。
 
電気を消して横になるが、眠気は全く訪れて来ない。
『この俺がエロビのモデル?』
俄に信じ難い。
三ヶ月前はリストラされた冴えないサラリーマンだった。
『俺を見て欲情する奴が日本中に溢れる。
いや、世界中だ!
今やネット時代だ!』
鼓動は高まり、目は冴える一方だ。
『今晩は夢精しそうだな。』
暗闇の中、起き上がり、厚手のケツワレに穿き替えた。
観衆の前でケンゴに責められる自分を想像し、瞼をギュッと瞑る。
世界中の熱視線が直ぐそこまで来ている気がした。
 
 
(完)
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