妄想日記3<<RISING>>

YAMATO

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Chapter5(Pleasure&Pain編)

Chapter5-⑥【Emotion】

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痛覚が全く機能していない。
いや、苦痛は快感へ変換されていた。
痛みが増す程、大きな快楽が押し寄せる。
タカユキはもっと強い痛みを欲した。
 
ケンゴは身体の向きを変える。
所謂69の体位だ。
手をテーブルの下に伸ばすと、ゴツゴツした棒状の物に触れた。
周囲は親指と人差し指がくっつかない。
グロテスクという形容がぴったりのバイブだ。
エロビを見る者は普通など求めていない。
自分が実際に出来ない、非日常を見たいのだ。
この馬鹿デカく、グロテスクなバイブは非日常の象徴だった。
ケンゴは口を大きく開き、バイブの出し入れを始める。
丸で開口マスクを嵌められたのがケンゴ自身であるかの如く。
唾液をタップリ塗りたくると、タカユキのアナルに挿入し始める。
激しい凹凸が進入を拒む。
かなりのユルマンでなければ、挿入出来ないだろう。
最初はかなり手間取った。
凹凸で摩擦が起こり、手足をばたつかせた。
しかしその痛みすら、直ぐに快楽へと変換させている様だ。
今では自ら尻を振り、進入の手助けをしている。
尻を叩く度に、アナルは自ら獲物を飲み込んでいった。
スイッチをLに合わせる。
低いノイズを伴って、振動が掌にも伝わってきた。
眉間に皺を寄せたタカユキが身悶える。
開口マスクの中の舌がマラに纏わり付く。
バイブから手を離し、マラの出し入れに終始した。
 
タカユキはもっと強い刺激が欲しかった。
オーガズムを伴う強烈な快楽だ。
尻を揺らしながら、物乞いする視線を向ける。
しかしケンゴは顎を突き出して、腰を前後に振るだけだ。
生殺しの状態が続き、気が狂いそうだった。
 
『そろそろかな?』
タカユキに視線を移す。
嬲り殺しにあい、その視点に定まりはない。
スイッチをMにスライドする。
タカユキの全身がバイブに共鳴した。
亀頭が口内で膨らむ。
開口マスクを通し、マラにも激しい揺れが伝わってきたからだ。
フレームは再びケンゴの尻に戻っている。
大臀筋が小刻みに揺れていた。
 
「カット!」
ミキオがカメラを下ろす。
「急いで奥からアレを運んで来て。」
振り返った島崎が指示する。
ミキオが慌てて、奥の部屋に駆け込んでいく。
「少し休もうぜ。
もうヘトヘトだ。
タバコくれよ。」
フレームが外れると、汗が一気に噴き出してきた。
撮影中は発汗をコントロール出来るが、かなりしんどい。
島崎が胸ポケットから煙草を取り出す。
「タカユキさんは休ませなくていいのか?」
引き抜いた一本を放ると、目線を下に向けた。
「ああ、こいつはこのままでいいさ。
悶々とさせておいた方が、次のシーンでいい絵が撮れるぜ。」
撮影後の一服は頗る旨い。
吐き出した煙が突っ伏した身体に吹き掛けた。
 
「島崎さん、これはどこに置きますか?」
ミキオが運んで来た物を指差す。
「窓の前に置いてくれ。
足枷の繋ぎをしっかり確認しておけよ!
切れたら大惨事だからな。」
島崎は怒鳴ると、煙草を揉み消した。
「さあ、始めるか。
こいつもそろそろ我慢の限界だからな。」
熱り起つマラを指で弾く。
「それにしてもこんな物が今になって役に立つとは。
捨てないで良かった。」
島崎がぶら下がり健康機具を横に倒す。
本来ぶら下がる鉄棒に足枷が繋がっていた。
その足枷にタカユキの足首を噛ませる。
三人掛かりでそれを起こす。
タカユキが物の見事に逆さ吊りとなった。
「両手も固定して、逆大の字にした方が良くねぇか?」
頭に浮かんだ映像を提案する。
「そうですね。
ミキオ君、手錠を二つ持って来てくれ!」
島崎は手を叩くと、大声で命じた。
 
「シーン3、スタート!」
島崎が開始を告げる。
逆さまに吊された身体が小刻みに揺れていた。
開口マスクから絶え間無く涎が落ちる。
背後の窓には、不釣り合いな真夏の青空が映り混んでいた。
ボロ切れと化したワイシャツが唯一肉体を覆う。
背後に回り込み、バイブのスイッチをHに上げる。
更なる振動がタカユキを襲う。
「あがががが…。」
呻き声まで震えた。
怒り狂うバイブを抜き取ると、開口マスクに押し込む。
目を見開き、揺れが大きくなる。
粘着力のある先走りが切れる事なく身体を伝い、顔まで届く。
想定外の映像が撮れ、島崎は満足げに煙草を燻らせていた。
 
 
(つづく)
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