妄想日記3<<RISING>>

Chapter6(Ko Samui編)

Chapter6-①【天国にいちばん近い島】

飛行機から下りると、南国らしい色彩のオープンバスが待っていた。
それに乗り込み、イミグレーションセンターを目指す。
ガイドブックで読んだ知識が役に立つ。
バスを降りると、カウンターの前は長蛇の列だ。
「チッ！あいつらやる気あんのか！」
ケンゴが舌打ちをした。
確かにこの列の長さを見ると、流石にうんざりする。
軽く見ても30分以上は待たされそうだ。
屋根しかないイミグレーションセンターは当然エアコンなどなく、次々に汗が背中を
伝う。
プライベートプールが待っているかと思うと、気が急くばかりだ。
審査が終わった時は、飛行機の到着から一時間が過ぎていた。
 
「ホテルに着いたら、即効泳ごうぜ！」
タクシーの中でケンゴが汗を拭きながら叫んだ。
「まあまあ、そんなに慌てなくても海は逃げませんよ。」
岩佐が苦笑いする。
「まあな。それに部屋にはプールもあるんだ。
夜でも泳ぐぞ！
お前、鈍臭いけど、泳げるのか？」
入国時に不機嫌だったケンゴは、突き刺す陽射しに興奮気味だ。
「えっ？部屋にプールがあるの？」
驚いて、聞き返す。
「プールだけじゃないぜ。
ジャグジーもあるんだ。」
ケンゴが得意げに言う。
タクシーはホテルへ向かう細い道を進んで行く。
 
「うわぁ！スゲー！！」
木製のドアを入ったタカユキは言葉を失う。
プールやジャグジーだけではない。
プールの前には天蓋付きのデイベッドまであった。
コテージは高台にあり、ビーチを見下ろせる。
その先にエメラルドの海が広がっていた。
ケンゴはテラスに設置されたダイニングテーブルに服を脱ぎ捨てる。
真っ赤なタンクトップを脱ぐことなくプールにダイブした。
「気持ちいいぞ。
早く来いよ。」
水面から顔を出したケンゴが手招きする。
頭を振り、飛沫を飛ばす。
幾度となく夢見た映像だ。
岩佐は部屋の中でスタッフから説明を受けている。
タカユキも水着に着替えると、青空にジャンプした。
 
スタッフが帰えり、岩佐が顔を出した。
「私は疲れたので、少し横になります。
ビーチに行くならダイヤル1を回して、カートを呼んで下さい。」
大きな欠伸をした岩佐がベッドルームへ入って行く。
「分かりました。
ごゆっくり。」
タカユキは後ろ姿に声を掛ける。
ケンゴは返事をすることなく、泳ぎに夢中だ。
一時間程泳ぐと、心地好い疲れが全身を満たす。
プールから上がり、デッキチェアーに横たわる。
突き刺す陽射しを肌が吸収していく。
真っ裸での日焼けに股間が熱くなる。
「何、勃起させてんだよ？
俺に犯されてる所でも想像してんのか！」
大きなタオルで髪を拭くケンゴが影を作った。
タンクトップから滴る水が床を濡らす。
「そういうケンゴだってギンギンじゃないか！
でも、ケンゴはその格好で焼くのか？」
タンクトップを着たままのケンゴに聞く。
ふと思い起こすと、ケンゴの全裸を見たことがない。
サポート中でも撮影時も、何かしら着ていた。
「俺は日焼けすると勃起すんだ！
それにお前みたいなアホと違って、亀頭は焼かない主義なんだよ！」
ビーチタオルを放り寄越すと、上から覆い被さる。
ケンゴの体重を感じ、全身の血流がマラに集まりだす。
タカユキの中で生じた小さな疑問は、その重みで簡単に潰された。
 
目の前で、形の良いデカマラが小さなビキニを持ち上げている。
それを咥えようと、上体を起こす。
ケンゴは肩を押さえ付け、フェラを許さない。
結果、首だけを前後に動かす羽目になった
「そう簡単には咥えさせないぜ。」
指で額を弾くと、ニヤリと笑う。
「折角ここまで来たんだ。
ビーチに行こうぜ。
お前のド変態振りを見せ付けに行くぞ。」
ケンゴはチェアーから降りると、部屋の中に入って行った。
 
カートが緩やかな坂を下って行く。
「本当にこの格好で行くのか？」
オドオドした口調で聞く。
「ああ、勿論だ。
お前にはド変態な焼け跡を付けて欲しいんだ。」
照れ顔が訴える。
そう言われると、悪い気はしない。
ケンゴの望みであれば、叶えてあげたい。
それは自分自身の欲望にも一致しているのだから、吝かではない。
 
 
（つづく）