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寿里~kotori ~

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パリジュテーム!!2

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今日は団体行動でベルサイユ宮殿に行く凛と十六夜と久世たち。

あれだけ、いい加減に生徒を海外に放り出したK成学園だが担任からベルサイユ宮殿は必須と念をおされたので若干、遠出だが行くのだ。

凛も口に出さないが指定の観光名所に異議がある。

恐らく、久世、設楽、白珠あたりも何かしら思うとこがある。

ベルサイユ宮殿までが電車で地味に遠いい。

郊外線に乗って約1時間ほど。

そして、到着前の電車で白珠がポツリと言った。

「なんで、野郎ばっかでオーストリアから来た浪費女の宮殿に行く必要あるんだよ?」

この手の少女漫画かミュージカルでも好きじゃないと全然テンションがあがらないと白珠は正直だ。

実を言えば凛も白珠に激しく同感である。

ブルボンだがハプスブルグだか知らんが凛たちと変わらぬ年頃でフランスに嫁いできたオーストリアの姫様が色々とあった末に最期はギロチンである。

民衆がキレるレベルにフランス王家と貴族は贅沢してたようだが凛が事前学習で調べたところフランスはそもそも財政難であった。

王妃マリー・アントワネットのみ贅沢しまくったように誤解されるが彼女の散財なんて平時では可愛いものである。

悔やまれるのが民衆がぶちギレて「シュトワイヤンよ銃をとれ!」とか叫んでる段階で更に贅沢してプチトリアノンなんて作る王妃のアホさであった。

恐らく、フランスが安泰だったら王妃は単にオーストリアから嫁に来た皇女で済んでいた。

時代の変わり目に嫁に来たのが運の尽きである。

「マリー・アントワネットって実際は無邪気で可愛いお姫様なだけの人だよ。だから、時代の波が読めず、うまく立ち回れず、殺された」

久世がさして感慨もなさげに窓の外を見ながら呟いている。

観光地に行くのに誰もテンションが上がってない。

ここに斗真がいればと凛は思った。

斗真がいないと実感するが久世や設楽、白珠は興味ないことは心底どうでもよく、露骨にダルそうにする。

常磐は久世の手を握って何も言わない。

久世と常磐はお互いにシンクロして、設楽と白珠もシンクロ率が100%だが、コイツらは気分がのらないと場を盛り上げてくれない。

十六夜は凛の隣で終始笑顔だがムードメーカーな存在ではない。

こんな気分が落ちてるメンツとベルサイユ宮殿に行くとか、バスティーユ牢獄に行くのと同じである。

凛としては斗真が魔法でも使って来てくれないかと願っていた。

「でも、斗真は小笠原にいるから無理だよね」

そんな凛の呟きに十六夜は微笑んだ。

「案外、箒に乗って来るかもよ」

そんな訳ないと思ってた凛だがベルサイユ宮殿に着いたときに自分の目を疑った。

工藤斗真が普通に手を振って待ってる。

小笠原はどうした?

斗真とはクラスが異なるので凛たちとは別に小笠原諸島の父島に修学旅行のはずである。

驚愕する凛をよそに久世たちは平然としている。

「おう、斗真、やっぱり来たのか?」

久世が笑うと斗真がウキウキした声を出した。

「ウン!前も来たけど、やっぱ、ベルサイユに行きたくて!」

リピーターかよ!

どうやって小笠原諸島からフランスまで来たかは誰ひとり問わない。

薬指メンバーは全員が揃って、にわかに皆のテンションがあがった!

凛としては朗らかな斗真がいて嬉しいので、少しベルサイユ宮殿が楽しみになってきた。

こうして、一行はベルサイユ宮殿に足を踏み入れ、観光と洒落こんでみた。

ベルサイユ宮殿は豪華の一言で、これは民衆がキレるなと改めて凛は納得。

斗真がガイドしてくれるが先ほどから出てくるワードが決まっている。

「ここでオスカルが出てきて!こっちにアンドレがオスカルをガン見してて、マリーとフェルゼンがあそこで!」

オスカル、アンドレ、マリー、フェルゼンのワードしか出てこねー。

ベルサイユの薔薇とか言う少女漫画の古典文学の話を斗真はしているが生憎、斗真以外の全員が凛も含めて未読!!

斗真の解説ではオスカルは女の子だけどお父さんの指示で男装してて、アンドレは設楽バリにオスカルの奴隷で、マリーはアントワネット王妃と分かる。フェルゼンがどっかの国の貴族でマリーと恋仲設定と凛は解釈した。

話を聴いてる限りではオスカルの方が白珠より数段、奴隷ポジに対して優しく、純愛。

「こんど、読もうかな?ベルばら」

凛が思わず言ったら斗真がバッグから愛蔵版を渡してくれた。

恐らくは布教用だ。

「加藤!ベルばらでオススメのシーンはアンドレがオスカルをレイプしかけて未遂に終わるシーンだ!!」

予想外にアクティブな奴隷のアンドレ!?

銃殺も覚悟でオスカルをレイプする気概は認めるが斗真、他にも見せ場があるだろ?

肝心のベルサイユ宮殿のすみでベルばら読んでる凛たちだが、いままで興味なさげにしてた白珠が弾んだ声を出した。

「いま、思い出した!昔のヨーロッパの王族って初夜とか見物人いるの普通だって!お前らも俺と玄のセックス見たかったら見学しろよ。お金はとるけど!」

この、愛と革命に翻弄された人たちの魂がこもったベルサイユ宮殿で何をほざいてる白珠!!

明らかに日本からの観光客の女性がドン引きした視線を送ってるぞ!?

下ネタが地雷なクセに公開セックスはOKとか白珠の頭は分かっているが正気じゃねーよ!

モラルが相当に欠如してる白珠を誰か叱れと凛は思ったが、日本でも大奥とか、そばで夜の営みを見守ってる係の人とかいたよな、と考えてしまった。

だいぶ、脱線事故になったが斗真が明るく言った。

「俺は何回が設楽と白珠が音楽準備室とかでヤってるの見てる。白珠が抱かれてると可愛いって思ったよ!有料とは知らなかった。お金払うよ!!」

斗真の言葉に久世も頷いた。

「白珠が設楽のアレを咥えてる現場なら何度も見てる。律儀に設楽の全部のんでるのが意外と思ってた」

斗真と久世に何度も目撃されてると知った白珠は急に赤面した。

そして、華麗なるベルサイユ宮殿にて叫ぶ、叫ぶ!!

「なんだよ!!人のセックスを見るなよ!!可愛くねーよ!玄のアレは千歳飴感覚でしゃぶってるだけだ!」

白珠って強気なこと言うクセに自爆するパターンあるよな?

場所がベルサイユ宮殿とかでなければ普通に白珠の恥じらう顔が可愛いと凛も認めるが、こういう話題はカラオケとか誰もいない場所で盛り上がれと思った。

そして、気持ち悪すぎて黙っていたが、赤面して恥じらう白珠を凝視してる設楽のキモさが計測不可能だ。

異様なテンションのなかでベルサイユ宮殿を見学してる凛は十六夜が終始無言なのが心配だった。

薬指メンバーのテンションに着いて行けないのかかと思ったが意外にも十六夜と常磐は普通に見学していた。

凛が慌てて十六夜の傍に駆け寄ると彼はクスクス笑っている。

「白珠君は周りが思うほど恥知らずじゃないよ」

赤面して設楽に抱きつく白珠を見ながら凛も笑った。

「たしかに……妙に潔癖なとこありますね」

浮気性で軽薄に見える白珠だが設楽を第1に愛してる点では純粋ともいえる。

設楽もそんな白珠を心底想っているから、白珠から離れない。

お互いを無条件に愛してる点では健全かもしれない。

凛がそんなことを思っていると常磐が久世を見ながら言った。

「音は多分、設楽と白珠のヤってる現場なんて見てないよ。かまかけ」

まんまと白珠は久世の嘘にはまった。

白珠が久世に絶対服従な理由が見えてくる。

そんなベルサイユ宮殿での1日は進み、凛たちはプチトリアノンという王妃が田舎遊びする宮殿を見学した。

王妃はここで子供や限られた臣下や夫である王様と質素に暮らしたらしい。

芸能人がいきなり田舎に引っ込むパターンかと凛は感じたが十六夜は見学しながら小声で言った。

「王妃はそもそも華やかな生活より素朴を求めてたのかも」

豪華な宮殿にうわべは礼儀正しい貴族だが裏ではお互いを品定めして陰口の連続なのだ。

居心地悪い環境に染まっても、最後は素朴さを選んだのかもしれない。

とりあえず、全部、ベルサイユは攻略したので帰ろうとしたら久世が十六夜に告げていた。

「十六夜、お前は預かりの身だ。忘れるなよ」

「忘れるはずないよ。余計なお世話」

なんだか険悪な久世と十六夜の雰囲気に凛はハラハラしていた。

前から思っていたが久世と十六夜は親戚なのにお互いを無視している。

話を終えて凛の傍らによってきた十六夜に声をかけた。

「久世と喧嘩してるんですか?」

上目遣いに見つめた凛に十六夜は微笑んだ。

「違うよ。気にしないで」

十六夜は微笑んでいるが寂しそうだ。

その理由が知りたい。

この人のことがもっと知りたいと凛は十六夜の手を強く握った。

斗真とは駅で別れた。

箒に乗って、手をふる斗真が遠ざかると凛たちは電車でパリに帰ってきた。

その夜、凛は斗真から借りた「ベルばら」を十六夜と読んでいた。

設楽と白珠は早々に部屋に引っ込んでいる。

電車でも設楽のエロモードがマックスだったので誰も何も言わない。
久世の父親が防音にはこだわった内装にしたので白珠のエロボイスを聴く罰ゲームもなかった。

そして、久世と常磐も部屋にこもっている。

とても自由な修学旅行であった。

「こういう修学旅行って皆で布団でワイワイかと思いました」

「多分、それが修学旅行本来の夜のかもだけど、このメンツで布団でワイワイは無理だよね」

凛と十六夜はパリに来ても団体行動する精神がとことん皆無な久世たちをある意味、尊敬した。

明日の朝はマルシェを散歩しようと十六夜と約束して凛はベルばらに没頭した。

凛の感想としてはアンドレがことのほか嫉妬深くてキモい。

オスカルがモテるから隻眼で殺気を放ってる。

でも、結構アッサリサッパリと死にやがったと拍子抜けした。

アンドレはアン奴隷と思ったが、王妃と恋仲のフェルゼンの末路の方がロックだな、と結論を出した。

十六夜は凛の感想を聴いて優しく微笑んでいる。

そろそろ、休もうかと思ったら部屋の外からノックが聞こえた。

出てみると久世と常磐で「コイコイ!」と手招きしている。

なんだと思って凛は十六夜と付いていったら久世と常磐は設楽と白珠の部屋の前で止まった。

「ここで聞いてると白珠のあえぎ声が丸聞こえ」

たしかに声は微かにするが凛は根本的な矛盾に気がついた。

「あのさ、設楽と白珠って久世の自室で普通に公開セックスしてたよな?ベルサイユ宮殿であれだけ恥じらった理由が分からん」

試験勉強で久世の家に行った際に設楽&白珠はもろ、久世のベッドでヤっていた。

なんで、今日に限って白珠の羞恥心が爆発したのか疑問な凛に十六夜がアッサリ答えた。

「白珠君のなかで公開するセックスと非公開なセックスがあるんだよ」

十六夜の回答に久世は首肯した。

「白珠は覗かれるのがイヤなんだよ。自分から公開する分には恥ずかしくない。あと、白珠は変にプライドがあるから設楽にご奉仕してる姿を他人に見せたくない」

凛の常識尺度では別に白珠が設楽とセックスしてても覗きたくもないし、ご奉仕も勝手にヤってろである。

あと、セックスは基本、公開禁止にしろ!

そんな凛の思考を読んだように久世がドアを指さした。

「ここだけ覗き窓があるから加藤が覗いて。んで、参考にするなり、白珠を悶絶させるなり好きにしろ」

「イヤだよ!参考とかいいから!それと、普通に可愛そうだろ」

友達のセックスを覗くなんて行為は凛には無理である。

倫理的にヤバイし、それを参考にもしたくない。

だが、遠からず、十六夜とそういう行為におよぶ場合に参考書なしはキツイ。

友達を傷つけるか、参考書を選ぶかの2択で凛は参考書を選択した。

白珠には悪いがバレなきゃOKだし、口外しなければいい!

そう心に言い聞かせて、凛は意を決して覗き窓から部屋の有り様を見てみた。

ベッド近くにランプがあり、白珠は設楽の下で喘いでいる。

普通にセックスだな~と思った瞬間に気配を察した設楽がこちらを振り向き、思いっきり、目が合ってしまった!

「ギャー!!」

設楽の瞳孔開いた視線がヤバすぎて凛は絶叫してしまった。

凛が大声を上げたので、白珠も我に返ったらしく設楽とドアをあけた。

白珠はタオルを羽織っているが身体のあちこちに設楽にキスされた痕がある。

それは、よいとして凛は窮地であった。

設楽はともかく白珠がめっちゃ睨んでくる。

「加藤……覗きか?」

「はい。申し訳ございません」

普段は明るく軽薄な白珠が怒ると怖い!!

視線がブリザードだ!

土下座して許してもらおうと凛が考えてた瞬間に十六夜が割って入った。

「白珠君、凛は童貞だから、僕とセックス本番で参考書なしだと不安で覗いたんだ。童貞に免じて許してあげて」

十六夜のますます白珠をキレさせそうな言葉に凛は焦ったが設楽が口を挟んだ。

「どうせ、焚き付けたのは久世だろ?旅人、今回は童貞加藤のことは不問にしよう」

あんなギラギラした目をしてたのに設楽が冷静である。

白珠も設楽に免じて「今度、ケバブおごれ」と言うのみで怒るのをやめた。

再び、設楽&白珠は部屋で続きするので凛と十六夜と久世に常磐は部屋に戻った。

「久々にみたな。白珠のガチギレ」

久世は他人事で笑っている。

凛はここに来て全て久世の口車のせいと実感して腹が立ってきた。

「久世!!お前も白珠がキレたときになんかフォローしろよ!」

「はぁ?最後に参考書を選んだのは加藤だろ?」

そうなのだが納得いかず凛は久世にギャンギャン文句を叫んだ。

十六夜は凛が皆でワイワイ夜をすごせてて嬉しかった。

凛のこの日の記憶からベルばらもベルサイユ宮殿も消えて、設楽の色欲と愛欲と狂気の眼差し&ガチギレした白珠が強烈に焼きついてしまった。

夜に皆でワイワイしただけは修学旅行してる雰囲気であるが何かが根本的に違っている。

end






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