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ありのまま
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パリでの修学旅行の際に書籍を1冊くらい出版出来そうなレベルに色々と経験した凛は成長した。
勉強は相変わらず頑張ってるが男として豆柴から柴犬に進化したいくらいの野望を抱くようになった。
要するに男の子として一皮むけた感じになりたい。
学力プラスアルファを身の程知らずを自覚しながらも会得したいのだ。
そんな野望を抱いていたある日。
凛は偶然にも同級生の多々良と遭遇した。
多々良和希は凛と同じく中等部2年生だが神出鬼没で修学旅行にも参加せずマイペースに生活している。
彼は屍を食べるのが好きなタイプの人外らしい。
久世や薬指メンバーとは親しく、十六夜と凛を引き合わせたのも多々良だ。
凛は放課後に図書委員をしている十六夜のもとに行こうと図書室に向かっていたら不意に多々良に呼び止められた。
「近衛十六夜とは仲睦まじいみたいだね。結構だ」
クスクスと強かな猫のように笑う多々良の顔は皮肉げだ。
凛は多々良の目的が分からない。
屍を食べたくても久世の話では十六夜は範疇外である。
ならば、考えられる可能性は多々良が久世と共謀して凛を食材にする計画だ。
でも、友達として触れあった限り、久世は思ったより優しい少年で仲間を大切にしている。
自分達とまるで程度が違う凛を見下さずに接してくれた。
偉そうで、恐ろしいが、凛は久世のことが嫌いではない。
常磐に対する愛情やクセの強いバンドメンバーへの心配りも演技とは思えないのだ。
だから、凛は久世を信用している。
「多々良はなにがしたいんだ?」
警戒心まるだしで尋ねる凛に多々良は笑った。
「別にとって食ったりはしない!久世を怒らすと厄介だから。あと、近衛十六夜も」
多々良はそう言うと小声で凛に伝えた。
「教えてあげるよ。久世は君を監視していた。いや、見守ってた。近衛十六夜に相応しいか見極める為に」
「なにそれ?久世と十六夜さんは仲良しに見えない」
お互いの生まれた立場もあるのか血縁者でも久世と十六夜は距離をおいている。
嫌いあってるというより存在を限りなく避けている状態だ。
でも、十六夜は久世に凛に恋したと報告していた。
そんな、個人的な秘め事を疎遠な血縁者に話しているのだ。
久世には十六夜を監視する役目があり、十六夜は久世に自らの変化を報告する義務があるのか。
凛なりに考えていたが答えが見つからない。
多々良はそんな凛を愉快そうに眺めている。
「まあ、君は久世に選ばれた。彼は仲間を大切にする。危険性のある奴を近付けない」
それだけ言い終わると多々良はニヤリとして去ってしまった。
残された凛は多々良の言葉の意味を考えた。
危険性の点では凛より十六夜や久世たちの方が上である。
「なにが言いたいんだよ?」
釈然としないまんま凛は図書室への階段をのぼった。
久世は薬指メンバーと学園祭ライブに向けた準備中で音楽室にこもっていた。
学園祭では新曲をいくつか披露するので作詞作曲に練習にと忙しい。
それでも今までより格段にバンド活動がやりやすくなった。
ベース担当の白珠旅人の浮気性がパタリとおさまったからだ。
浮気デートで練習をドタキャンしたり、本命の設楽と痴話喧嘩して大騒ぎすることが減った。
貞淑すぎて怖い。
世界の終末かと思うほど不気味だ。
なので久世はベースのチューニングをしている白珠に声をかけた。
「少しサシで話したい。来てくれ」
久世の指示に設楽は咄嗟に白珠を護ろうとしたが斗真がやんわりと制した。
「別に久世は怒ってない。心配してる。白珠を」
斗真の純朴な笑顔に設楽も黙って頷いた。
魔力で斗真には見えていた。
白珠の身体を血のような赤い気配が覆っている。
退廃的で享楽と刹那と虚無……そして、純潔を表す真っ赤な血しぶきだ。
近衛十六夜が図書の整理を終えたので、待っていた凛は自習をやめて帰り支度を始めた。
最近はこうして十六夜と凛は連れだって下校する。
「お待たせ。凛、帰ろうか?」
「お疲れ様です。あの……十六夜さん」
凛は迷っていたが声に出して宣言することにした。
「俺!豆柴から柴犬にジョブチェンジします!!」
決死の宣言をかます凛を十六夜は優しい笑顔で一刀両断した。
「ジョブチェンジ反対。豆柴のままでいて」
ガーン!!
愛玩犬からせめて番犬になろうと決意した凛のハートを十六夜はアッサリと粉砕した。
人生で初めて、自分の限界を超えようとしたのに否定された!!
見栄はって紀州犬とか目指すと言えばOKだったのか!?
そういう通信メーカのマスコット犬みたいな貫禄を目指してるとアピるべきか!?
いや、ここは、忠犬でメジャーな秋田犬でいこう!!
ハチ公なら可愛いし、社畜ならぬ家畜の本家だ!!
凛は段々、男としてカッコよく、一皮むけるより、十六夜の飼い犬志願者になってきている。
しかし、元来は冷静な性格である凛は自分の迷走にすぐ気がついた。
犬種でなく、十六夜の恋人として恥じない男性になるが目標だった。
豆柴でも特別に利口で毛がツヤツヤ、瞳もクリクリにつぶらで思わずキスしたくなる選ばれし愛玩犬を目指す!!
チワワやトイプードルとか敵じゃないレベルの!!
「分かりました!!じゃあ!!極上の豆柴を目標に頑張ります!!」
ここは図書室で当然だが他の図書委員や利用する生徒も聴いている。
先ほどから中等部の生徒が愛玩犬を志願してる様子を中等部、高等部の生徒さんは聴いてないふりしてバッチリ聴いてる。
偏差値が78から79のK成学園の生徒は凛の努力の方向性が迷走してると思っていた。
そして、十六夜は現段階の凛が好きなのであり、極上豆柴なんて目指されても困るのだと賢い生徒たちは悟っている。
K成学園の生徒は優秀だが人情に厚い。
だから、高等部のパイセンが凛に助言した。
「中等部の加藤だろ?最近、久世たちと仲良しの?俺は薬指の大ファン。白珠ちゃん推しだ。」
それだけ自己紹介すると高等部のパイセンは図書室で静かに説得を開始した。
「薬指メンバーは中等部入学から逸話をのこしてる。彼らの多くが話をこうむすぶ。考えるより、ありのままで行動してきた。つまり、加藤は加藤として行動すればいいんだ。豆柴インヌ」
「俺は色々と出来ないことばっかりで情けないのに?」
凛があまり面識ないパイセンのアドバイスに戸惑い、内心で「お前、誰だよ?」と思っていたら十六夜が手を握ってきた。
「僕は凛が頑張ってる姿が好きだよ。でも、情けなくても、出来ないことがあっても大好きなんだ。凛は優しくて、十分にカッコいい」
極上豆柴でなく普通の豆柴な凛が好きだと十六夜は微笑んだ。
「ありのままの自分が嫌で変えたいと思うことは悪くはねーよ。だが、お前は十分に頑張ってる。いつも、予習したり図書室で勉強してるの先輩として見てるからな」
高等部のパイセンは凛にそれだけ言うと勉強に戻った。
他の生徒も納得したように読書なり、勉強を再開した。
凛は少し考えて、十六夜にお願いした。
「もう少し図書室に残って、その……勉強を教わっていいですか?」
可愛い凛のお願いに十六夜はニッコリ微笑み仲良くイスに腰掛けた。
こうして、加藤凛は十六夜と見知らぬパイセンのアドバイスでアッサリと普通の豆柴としての限界に挑もうとギアチェンした。
アヒルが白鳥になれないと根本では理解してる凛の判断力は的確である。
凛と十六夜が仲良く図書室で勉強していたとき、白珠は閉架図書室で久世と顔を付き合わせていた。
「なんだよ?久世とヤる気はねーから」
茶化すように笑う白珠に久世は率直に述べた。
「白珠……ツラいなら言えよ」
久世のいたわるような表情に白珠はハッとしたように瞳を見開き、すぐに俯いた。
白い頬を濡らす白珠の黒檀のような髪を久世が優しく撫でていた。
子供のように泣きじゃくる白珠を久世はあやすように言い聞かせた。
「お前は本来はバカなくらい一途だ。それに弱い。これ以上、自分の気持ちと逆行した行動をすれば変になるぞ」
「優しいな……久世は。でも……遅い」
「遅いなんてない。ムリして女と遊ぶな」
咎めるように久世が言うと白珠はわざと不遜な笑みを返した。
「俺は自分の意思で女と遊んでる。それがムリでも絶対にやめない。恨みを買おうが俺が選んだ道だ」
今は学園祭が近いから真面目にしてるだけと嘯いて白珠は出て行こうとした。
あくまでも自身の気持ちを無視する白珠に久世は告げた。
「白珠……前言撤回。お前は強いよ」
「どーも!玄が俺だけを見てれば強くもクズにもなれる」
誰よりも愛しい相手と相思相愛でも白珠は浮気性のクズでいなければならない。
それは、決めた誰かだけを一途に愛せと命じられる場合と果たしてどちらが地獄なのか。
久世にもその答えは出なかった。
でも、この放っておけない白珠と設楽の友達として最大限の世話はしてやろうと苦笑して、笑う白珠と音楽室に戻って行った。
そして、その頃、図書室では凛が十六夜と勉強中であった。
凛が十六夜に分からない箇所を質問していると先ほどの高等部のパイセンがスマホを見て叫んだ。
「うお!白珠ちゃん!浮気しない記録を更新した!!最長の3日を軽く超えてる!」
K成学園新聞のニュースアプリを眺めているパイセンは興奮している。
凛は何となく白珠は望まない役割を演じていると察した。
ありのままで生きられる人ってどれくらいいるのかな?
ふと、凛はそんなことを十六夜の横顔を見ながら考えた。
そして、明るく不遜で美しい白珠姫のありのままの姿は案外、泣き虫でないかと凛は思うのだ。
end
勉強は相変わらず頑張ってるが男として豆柴から柴犬に進化したいくらいの野望を抱くようになった。
要するに男の子として一皮むけた感じになりたい。
学力プラスアルファを身の程知らずを自覚しながらも会得したいのだ。
そんな野望を抱いていたある日。
凛は偶然にも同級生の多々良と遭遇した。
多々良和希は凛と同じく中等部2年生だが神出鬼没で修学旅行にも参加せずマイペースに生活している。
彼は屍を食べるのが好きなタイプの人外らしい。
久世や薬指メンバーとは親しく、十六夜と凛を引き合わせたのも多々良だ。
凛は放課後に図書委員をしている十六夜のもとに行こうと図書室に向かっていたら不意に多々良に呼び止められた。
「近衛十六夜とは仲睦まじいみたいだね。結構だ」
クスクスと強かな猫のように笑う多々良の顔は皮肉げだ。
凛は多々良の目的が分からない。
屍を食べたくても久世の話では十六夜は範疇外である。
ならば、考えられる可能性は多々良が久世と共謀して凛を食材にする計画だ。
でも、友達として触れあった限り、久世は思ったより優しい少年で仲間を大切にしている。
自分達とまるで程度が違う凛を見下さずに接してくれた。
偉そうで、恐ろしいが、凛は久世のことが嫌いではない。
常磐に対する愛情やクセの強いバンドメンバーへの心配りも演技とは思えないのだ。
だから、凛は久世を信用している。
「多々良はなにがしたいんだ?」
警戒心まるだしで尋ねる凛に多々良は笑った。
「別にとって食ったりはしない!久世を怒らすと厄介だから。あと、近衛十六夜も」
多々良はそう言うと小声で凛に伝えた。
「教えてあげるよ。久世は君を監視していた。いや、見守ってた。近衛十六夜に相応しいか見極める為に」
「なにそれ?久世と十六夜さんは仲良しに見えない」
お互いの生まれた立場もあるのか血縁者でも久世と十六夜は距離をおいている。
嫌いあってるというより存在を限りなく避けている状態だ。
でも、十六夜は久世に凛に恋したと報告していた。
そんな、個人的な秘め事を疎遠な血縁者に話しているのだ。
久世には十六夜を監視する役目があり、十六夜は久世に自らの変化を報告する義務があるのか。
凛なりに考えていたが答えが見つからない。
多々良はそんな凛を愉快そうに眺めている。
「まあ、君は久世に選ばれた。彼は仲間を大切にする。危険性のある奴を近付けない」
それだけ言い終わると多々良はニヤリとして去ってしまった。
残された凛は多々良の言葉の意味を考えた。
危険性の点では凛より十六夜や久世たちの方が上である。
「なにが言いたいんだよ?」
釈然としないまんま凛は図書室への階段をのぼった。
久世は薬指メンバーと学園祭ライブに向けた準備中で音楽室にこもっていた。
学園祭では新曲をいくつか披露するので作詞作曲に練習にと忙しい。
それでも今までより格段にバンド活動がやりやすくなった。
ベース担当の白珠旅人の浮気性がパタリとおさまったからだ。
浮気デートで練習をドタキャンしたり、本命の設楽と痴話喧嘩して大騒ぎすることが減った。
貞淑すぎて怖い。
世界の終末かと思うほど不気味だ。
なので久世はベースのチューニングをしている白珠に声をかけた。
「少しサシで話したい。来てくれ」
久世の指示に設楽は咄嗟に白珠を護ろうとしたが斗真がやんわりと制した。
「別に久世は怒ってない。心配してる。白珠を」
斗真の純朴な笑顔に設楽も黙って頷いた。
魔力で斗真には見えていた。
白珠の身体を血のような赤い気配が覆っている。
退廃的で享楽と刹那と虚無……そして、純潔を表す真っ赤な血しぶきだ。
近衛十六夜が図書の整理を終えたので、待っていた凛は自習をやめて帰り支度を始めた。
最近はこうして十六夜と凛は連れだって下校する。
「お待たせ。凛、帰ろうか?」
「お疲れ様です。あの……十六夜さん」
凛は迷っていたが声に出して宣言することにした。
「俺!豆柴から柴犬にジョブチェンジします!!」
決死の宣言をかます凛を十六夜は優しい笑顔で一刀両断した。
「ジョブチェンジ反対。豆柴のままでいて」
ガーン!!
愛玩犬からせめて番犬になろうと決意した凛のハートを十六夜はアッサリと粉砕した。
人生で初めて、自分の限界を超えようとしたのに否定された!!
見栄はって紀州犬とか目指すと言えばOKだったのか!?
そういう通信メーカのマスコット犬みたいな貫禄を目指してるとアピるべきか!?
いや、ここは、忠犬でメジャーな秋田犬でいこう!!
ハチ公なら可愛いし、社畜ならぬ家畜の本家だ!!
凛は段々、男としてカッコよく、一皮むけるより、十六夜の飼い犬志願者になってきている。
しかし、元来は冷静な性格である凛は自分の迷走にすぐ気がついた。
犬種でなく、十六夜の恋人として恥じない男性になるが目標だった。
豆柴でも特別に利口で毛がツヤツヤ、瞳もクリクリにつぶらで思わずキスしたくなる選ばれし愛玩犬を目指す!!
チワワやトイプードルとか敵じゃないレベルの!!
「分かりました!!じゃあ!!極上の豆柴を目標に頑張ります!!」
ここは図書室で当然だが他の図書委員や利用する生徒も聴いている。
先ほどから中等部の生徒が愛玩犬を志願してる様子を中等部、高等部の生徒さんは聴いてないふりしてバッチリ聴いてる。
偏差値が78から79のK成学園の生徒は凛の努力の方向性が迷走してると思っていた。
そして、十六夜は現段階の凛が好きなのであり、極上豆柴なんて目指されても困るのだと賢い生徒たちは悟っている。
K成学園の生徒は優秀だが人情に厚い。
だから、高等部のパイセンが凛に助言した。
「中等部の加藤だろ?最近、久世たちと仲良しの?俺は薬指の大ファン。白珠ちゃん推しだ。」
それだけ自己紹介すると高等部のパイセンは図書室で静かに説得を開始した。
「薬指メンバーは中等部入学から逸話をのこしてる。彼らの多くが話をこうむすぶ。考えるより、ありのままで行動してきた。つまり、加藤は加藤として行動すればいいんだ。豆柴インヌ」
「俺は色々と出来ないことばっかりで情けないのに?」
凛があまり面識ないパイセンのアドバイスに戸惑い、内心で「お前、誰だよ?」と思っていたら十六夜が手を握ってきた。
「僕は凛が頑張ってる姿が好きだよ。でも、情けなくても、出来ないことがあっても大好きなんだ。凛は優しくて、十分にカッコいい」
極上豆柴でなく普通の豆柴な凛が好きだと十六夜は微笑んだ。
「ありのままの自分が嫌で変えたいと思うことは悪くはねーよ。だが、お前は十分に頑張ってる。いつも、予習したり図書室で勉強してるの先輩として見てるからな」
高等部のパイセンは凛にそれだけ言うと勉強に戻った。
他の生徒も納得したように読書なり、勉強を再開した。
凛は少し考えて、十六夜にお願いした。
「もう少し図書室に残って、その……勉強を教わっていいですか?」
可愛い凛のお願いに十六夜はニッコリ微笑み仲良くイスに腰掛けた。
こうして、加藤凛は十六夜と見知らぬパイセンのアドバイスでアッサリと普通の豆柴としての限界に挑もうとギアチェンした。
アヒルが白鳥になれないと根本では理解してる凛の判断力は的確である。
凛と十六夜が仲良く図書室で勉強していたとき、白珠は閉架図書室で久世と顔を付き合わせていた。
「なんだよ?久世とヤる気はねーから」
茶化すように笑う白珠に久世は率直に述べた。
「白珠……ツラいなら言えよ」
久世のいたわるような表情に白珠はハッとしたように瞳を見開き、すぐに俯いた。
白い頬を濡らす白珠の黒檀のような髪を久世が優しく撫でていた。
子供のように泣きじゃくる白珠を久世はあやすように言い聞かせた。
「お前は本来はバカなくらい一途だ。それに弱い。これ以上、自分の気持ちと逆行した行動をすれば変になるぞ」
「優しいな……久世は。でも……遅い」
「遅いなんてない。ムリして女と遊ぶな」
咎めるように久世が言うと白珠はわざと不遜な笑みを返した。
「俺は自分の意思で女と遊んでる。それがムリでも絶対にやめない。恨みを買おうが俺が選んだ道だ」
今は学園祭が近いから真面目にしてるだけと嘯いて白珠は出て行こうとした。
あくまでも自身の気持ちを無視する白珠に久世は告げた。
「白珠……前言撤回。お前は強いよ」
「どーも!玄が俺だけを見てれば強くもクズにもなれる」
誰よりも愛しい相手と相思相愛でも白珠は浮気性のクズでいなければならない。
それは、決めた誰かだけを一途に愛せと命じられる場合と果たしてどちらが地獄なのか。
久世にもその答えは出なかった。
でも、この放っておけない白珠と設楽の友達として最大限の世話はしてやろうと苦笑して、笑う白珠と音楽室に戻って行った。
そして、その頃、図書室では凛が十六夜と勉強中であった。
凛が十六夜に分からない箇所を質問していると先ほどの高等部のパイセンがスマホを見て叫んだ。
「うお!白珠ちゃん!浮気しない記録を更新した!!最長の3日を軽く超えてる!」
K成学園新聞のニュースアプリを眺めているパイセンは興奮している。
凛は何となく白珠は望まない役割を演じていると察した。
ありのままで生きられる人ってどれくらいいるのかな?
ふと、凛はそんなことを十六夜の横顔を見ながら考えた。
そして、明るく不遜で美しい白珠姫のありのままの姿は案外、泣き虫でないかと凛は思うのだ。
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