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秘書官アマネ
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老人ホームでのボランティアから解放された凛は近衛十六夜と少年ながらに愛を育んでいた。
近衛十六夜は化け物であり、メンヘラであり、相当な変人だが淡い紫の瞳の美少年である。
凛は可愛い豆柴男子だ。
K成学園という超進学校に通う少年、凛の恋物語だが単に男子校に通う少年の恋で終わらず常に命の危機であった。
昔の外国ドラマのように常に大ピンチだが凛は十六夜とK成学園で仲良くしている。
しかし、今回は凛の危機というよりバンド薬指のリーダであるチート美少年久世音(くぜ おと)の大ピンチであった。
久世家は前も語っているが両親が悪気なくライトに育児放棄している家庭である。
長男は俳優で忙しく、長女は物理学者でアメリカ在住、末っ子の久世音のみ中学生なので保護者必須だ。
そういう時は久世の母の幼馴染みである王様シュラさんが保護者代理で世話をするが今回はシュラさんが来られない。
国で暴動があったとかでなくシュラさんの愛妻がママ友を埋めて放置したのでPTAで問題となった。
なので、シュラさんはPTA会長を無理に押し付けられ多忙である。
国の統治者で忙しいのに更にPTA役員までする羽目になるシュラさんは愛妻家なので妻の罪の償いに奔走していた。
よって久世夫妻が不在中の音の世話はシュラさんの秘書官が務めることとなる。
久世音はこのシュラさんの秘書官が大の苦手であった。
K成学園の休み時間でも久世は秘書官が嫌でブルーである。
凛は十六夜とお弁当を食べているとき、テンション下がっている久世を心配して質問した。
「シュラさんの秘書官は凄く怖いのか?」
久世をここまで元気なくさせる存在が気になったのだ。
首を傾げる凛に十六夜は久世の代わりに笑みを浮かべて説明した。
「シュラさんの秘書官はアマネさんって人だよ。怖くはないけど……音とは合わない」
秘書官のアマネさんは美人で頭脳明晰で強くて王様であるシュラさんの側近だという。
もしや、シュラさんの愛人かと思ったらアマネさんは既婚者だった。
「悪い人ではないよ。でも、凄く辛辣でシュラさんも恐れてる」
つまり、シュラさんも頭があがらず、当然だが久世も生意気は言えない。
凛はなんだかアマネさんに会ってみたくなった。
久世を黙らせられる存在なんて貴重である。
ちょうど、課題で解らない問題があるので遊びに言ってもいいかと久世に頼んだら快諾された。
「是非来てくれ!!あの辛辣クソ秘書官とずっと同じ空間だとマンションを破壊したくなる!!」
久世……どれだけストレスが溜まってたのか。
とにかく、凛は十六夜と一緒に久世家に遊びに行くことになった。
この日は白珠と設楽はデートで斗真は母ちゃんとミュージカル観劇、常磐はクラス委員の会合で同行できない。
久世は十六夜の世話係である咲のことも苦手と言えば苦手だが咲はサッパリした性格で優しいので苦手度は薄い。
アマネさんは酒に例えたらウォッカ並みに苦手度数が濃いようだ。
「とにかく性格が悪いんだよ!」
久世から性格悪いの御墨付きを貰えるアマネさんってどんな人だろう。
凛は秘書官だから厳しくてキツイ性格かなと平凡に考えていた。
しかし、実際のアマネさん、凛の想像をはるかに越えてきたのだ。
放課後、久世と一緒に凛と十六夜は久世のマンションに向かっていた。
久世、明らかに帰宅したくない顔をしている。
登校拒否ならぬ帰宅拒否状態だ。
仮にも子供をここまで憂鬱にさせる人材を送り込むなと凛はシュラさんを相手に呆れていた。
そして、団子坂の久世のマンションに到着して久世がオートロック解除をしようとしたらドアがあかない。
「アマネの奴!また嫌がらせかよ!」
久世がキレながら試行錯誤したらようやくロック解除はされた。
久世家所有の部屋に入ると凛の前にスラリと痩身のチャイナドレスの美女が出てきた。
色気があって、聡明そうな才媛と思ったら胸がない。
痩せてるから貧乳かなと思っていたらアマネさんは凛を見て毒を放った。
「おい!そこの豆柴小僧!俺は男だ。旦那もいる。十六夜とラブラブしてる命知らずなガキだろ?音と友達になるなんて物好きだな」
シュラさん……秘書官は人格で選ぼう。
初対面なのに凄く毒舌で怖いんですけど!
あと、無駄に美人で怒りにくい!
男とか置いといてこの人と結婚した旦那さん、大丈夫なのかよ。
凛はアマネさんと対面して2分で久世が帰宅拒否になっている気持ちが理解できた。
久世はアマネさんを前に既に心が死んでいる。
十六夜は笑顔でアマネさんに話しかけていた。
「アマネさん!久しぶり!僕の家族は生きてる?」
十六夜は訳アリで実家とは没交渉。
アマネさんは十六夜の境遇を知っているのか単刀直入に説明している。
「全員が生存してる。お前の親父、ガキは作れるのに、報告書が作れない。バカな親父に似なくて良かったな。綺麗で賢い母さんに似てて」
十六夜の親父=久世音の祖父である。
更に十六夜の母は久世音の祖父の側室で久世音は正室にあたる女性の孫である。
こんがらがるが久世と十六夜は血縁者であった。
アマネさんの口調では久世の祖父はアホで仕事ができない。
十六夜の母親はアマネさんいわく綺麗で賢いらしいが賢い母親が無闇に崖からダイブするだろうか。
久世の話ではアマネさんと十六夜の母親は同郷で親しかった。
だから、自然とアマネさんは十六夜には甘いのだ。
なんだか、お家の確執がプンプンする。
過去に何があったか不明だが久世は子供で確執とは無関係なのに。
そう思った凛はアマネさんに抗議した。
「久世の前で血縁者を下げる言葉はやめてください!そういう、嫌味を言う人は旦那に逃げられる!!」
凛としては初対面の美人に失礼だが久世だって友達である。
だから、精一杯に抗議したらアマネさんが「ハア?」と言ってきた。
「俺は音の祖父を貶めてない。マジで仕事ができないからストレス溜まる。でも、お前はハッキリと意見するな。気に入った」
アマネさんはニヤリと笑うとテーブルに桃のタルトを用意した。
「ほら、3人ともお菓子でも食べろ。今日は3人だって予め知ってた」
紅茶を用意するアマネさんはご機嫌なので凛は久世に訊いてみた。
「アマネさんって超能力者!?」
予知能力かと思ったら十六夜が微笑んだ。
「違うよ凛。アマネさんは元はスパイ。僕のお母様も同業者!」
なんですと!?
シュラさん、スパイを秘書官にしてるのか。
あと、十六夜のお母様の職歴がスゲエ!
久世は桃のタルトを食べながら小声で言ったのだ。
「ちなみにアマネの旦那もスパイ。十六夜の母親はアマネの旦那の兄だ」
これが本当のスパイファミリー!!
驚愕する凛だが久世の最後の言葉で固まった。
「えっ?アマネさんの旦那さんの兄?」
謎の婚姻関係は置いといてアマネさんの話は次回に続く!
end
近衛十六夜は化け物であり、メンヘラであり、相当な変人だが淡い紫の瞳の美少年である。
凛は可愛い豆柴男子だ。
K成学園という超進学校に通う少年、凛の恋物語だが単に男子校に通う少年の恋で終わらず常に命の危機であった。
昔の外国ドラマのように常に大ピンチだが凛は十六夜とK成学園で仲良くしている。
しかし、今回は凛の危機というよりバンド薬指のリーダであるチート美少年久世音(くぜ おと)の大ピンチであった。
久世家は前も語っているが両親が悪気なくライトに育児放棄している家庭である。
長男は俳優で忙しく、長女は物理学者でアメリカ在住、末っ子の久世音のみ中学生なので保護者必須だ。
そういう時は久世の母の幼馴染みである王様シュラさんが保護者代理で世話をするが今回はシュラさんが来られない。
国で暴動があったとかでなくシュラさんの愛妻がママ友を埋めて放置したのでPTAで問題となった。
なので、シュラさんはPTA会長を無理に押し付けられ多忙である。
国の統治者で忙しいのに更にPTA役員までする羽目になるシュラさんは愛妻家なので妻の罪の償いに奔走していた。
よって久世夫妻が不在中の音の世話はシュラさんの秘書官が務めることとなる。
久世音はこのシュラさんの秘書官が大の苦手であった。
K成学園の休み時間でも久世は秘書官が嫌でブルーである。
凛は十六夜とお弁当を食べているとき、テンション下がっている久世を心配して質問した。
「シュラさんの秘書官は凄く怖いのか?」
久世をここまで元気なくさせる存在が気になったのだ。
首を傾げる凛に十六夜は久世の代わりに笑みを浮かべて説明した。
「シュラさんの秘書官はアマネさんって人だよ。怖くはないけど……音とは合わない」
秘書官のアマネさんは美人で頭脳明晰で強くて王様であるシュラさんの側近だという。
もしや、シュラさんの愛人かと思ったらアマネさんは既婚者だった。
「悪い人ではないよ。でも、凄く辛辣でシュラさんも恐れてる」
つまり、シュラさんも頭があがらず、当然だが久世も生意気は言えない。
凛はなんだかアマネさんに会ってみたくなった。
久世を黙らせられる存在なんて貴重である。
ちょうど、課題で解らない問題があるので遊びに言ってもいいかと久世に頼んだら快諾された。
「是非来てくれ!!あの辛辣クソ秘書官とずっと同じ空間だとマンションを破壊したくなる!!」
久世……どれだけストレスが溜まってたのか。
とにかく、凛は十六夜と一緒に久世家に遊びに行くことになった。
この日は白珠と設楽はデートで斗真は母ちゃんとミュージカル観劇、常磐はクラス委員の会合で同行できない。
久世は十六夜の世話係である咲のことも苦手と言えば苦手だが咲はサッパリした性格で優しいので苦手度は薄い。
アマネさんは酒に例えたらウォッカ並みに苦手度数が濃いようだ。
「とにかく性格が悪いんだよ!」
久世から性格悪いの御墨付きを貰えるアマネさんってどんな人だろう。
凛は秘書官だから厳しくてキツイ性格かなと平凡に考えていた。
しかし、実際のアマネさん、凛の想像をはるかに越えてきたのだ。
放課後、久世と一緒に凛と十六夜は久世のマンションに向かっていた。
久世、明らかに帰宅したくない顔をしている。
登校拒否ならぬ帰宅拒否状態だ。
仮にも子供をここまで憂鬱にさせる人材を送り込むなと凛はシュラさんを相手に呆れていた。
そして、団子坂の久世のマンションに到着して久世がオートロック解除をしようとしたらドアがあかない。
「アマネの奴!また嫌がらせかよ!」
久世がキレながら試行錯誤したらようやくロック解除はされた。
久世家所有の部屋に入ると凛の前にスラリと痩身のチャイナドレスの美女が出てきた。
色気があって、聡明そうな才媛と思ったら胸がない。
痩せてるから貧乳かなと思っていたらアマネさんは凛を見て毒を放った。
「おい!そこの豆柴小僧!俺は男だ。旦那もいる。十六夜とラブラブしてる命知らずなガキだろ?音と友達になるなんて物好きだな」
シュラさん……秘書官は人格で選ぼう。
初対面なのに凄く毒舌で怖いんですけど!
あと、無駄に美人で怒りにくい!
男とか置いといてこの人と結婚した旦那さん、大丈夫なのかよ。
凛はアマネさんと対面して2分で久世が帰宅拒否になっている気持ちが理解できた。
久世はアマネさんを前に既に心が死んでいる。
十六夜は笑顔でアマネさんに話しかけていた。
「アマネさん!久しぶり!僕の家族は生きてる?」
十六夜は訳アリで実家とは没交渉。
アマネさんは十六夜の境遇を知っているのか単刀直入に説明している。
「全員が生存してる。お前の親父、ガキは作れるのに、報告書が作れない。バカな親父に似なくて良かったな。綺麗で賢い母さんに似てて」
十六夜の親父=久世音の祖父である。
更に十六夜の母は久世音の祖父の側室で久世音は正室にあたる女性の孫である。
こんがらがるが久世と十六夜は血縁者であった。
アマネさんの口調では久世の祖父はアホで仕事ができない。
十六夜の母親はアマネさんいわく綺麗で賢いらしいが賢い母親が無闇に崖からダイブするだろうか。
久世の話ではアマネさんと十六夜の母親は同郷で親しかった。
だから、自然とアマネさんは十六夜には甘いのだ。
なんだか、お家の確執がプンプンする。
過去に何があったか不明だが久世は子供で確執とは無関係なのに。
そう思った凛はアマネさんに抗議した。
「久世の前で血縁者を下げる言葉はやめてください!そういう、嫌味を言う人は旦那に逃げられる!!」
凛としては初対面の美人に失礼だが久世だって友達である。
だから、精一杯に抗議したらアマネさんが「ハア?」と言ってきた。
「俺は音の祖父を貶めてない。マジで仕事ができないからストレス溜まる。でも、お前はハッキリと意見するな。気に入った」
アマネさんはニヤリと笑うとテーブルに桃のタルトを用意した。
「ほら、3人ともお菓子でも食べろ。今日は3人だって予め知ってた」
紅茶を用意するアマネさんはご機嫌なので凛は久世に訊いてみた。
「アマネさんって超能力者!?」
予知能力かと思ったら十六夜が微笑んだ。
「違うよ凛。アマネさんは元はスパイ。僕のお母様も同業者!」
なんですと!?
シュラさん、スパイを秘書官にしてるのか。
あと、十六夜のお母様の職歴がスゲエ!
久世は桃のタルトを食べながら小声で言ったのだ。
「ちなみにアマネの旦那もスパイ。十六夜の母親はアマネの旦那の兄だ」
これが本当のスパイファミリー!!
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「えっ?アマネさんの旦那さんの兄?」
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