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夢
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「私、この塔のことを知ってるんだ」
綾瀬は言った。
二つ高い尖塔を持つ城が、暗い森を背景に不気味に聳え立っている。
前景にはこれまた不気味な静けさをたたえた湖がある。
中世風のファンタジーRPGならいかにもありそうなロケーションだ。
映画や他のゲームで似たものを見たことがあるということなのだろうか。
「知っているって、似たとこに行ったことがあるってこと?」
綾瀬は首を振った。
「違うよ。この塔の夢をよく見るの」
「ああ、夢の話か。それなら僕もゲームをやり込んだ後に、ダンジョンの夢を見ることたまにあるよ」
「ううん。そんなんじゃない。絵や写真とか、過去に行ったことのある場所の記憶が、夢として出てくるんじゃないのよ。物心ついた頃から、その塔の夢をみていたの……そして決まって最後は恐ろしいシーンで目覚めてしまうの」
「恐ろしいシーンって?」
綾瀬は少し躊躇っているようだった。
余計なことを聞いてしまったかと、少し後悔した。
「塔にある大きな庭を、男の人の裸の屍体が埋め尽くしているの。みんな内臓をえぐり取られたり、首を斬られたりしていて……その真ん中に翼を生やした女の人が、鋭いかぎ爪から血を滴らせて立っている」
ホラーやスプラッターはそれほど苦手なわけじゃない。
しかし目の前の美少女から語られた情景を想像して、直冬はなぜか背筋が寒くなるのを感じた。
「あっ、ごめんごめん。なんか電波飛ばしちゃったよね」
青ざめた直冬に気づいて、綾瀬は慌てていった。
「いや、電波なんて思わないよ。綾瀬さんは、まだ小さくて覚えていないだけで、きっと映画で観たシーンを無意識にすり込まれているんじゃないかな」
三つ子の魂百までなんてことわざがあるように、幼少時に受けた強いショックの記憶は、そう簡単には消えない。
綾瀬は子供の頃にテレビか何かで、怖い映像を見たのだろう。それが夢という形になって出てくるのだろう。
「そういうものなのかな……実は最近またこの塔の夢を見るようになったんだ」
綾瀬は不安げに言った。
「そんなにこの塔は夢に出てくるのに似ているの?」
「似ているなんてレベルじゃないよ。そのものっていう感じ。森や湖があるのも全く同じだし、塔の細部まで何一つ違わない。最初にスクリーンショットをみたとき、驚いたよ。私の夢をそのまま写真に撮ったんじゃないかって思った」
「ふうむ……要するに、綾瀬さんはゲームの中で塔を見たいわけなんだね 」
直冬の言葉に綾瀬は大きくうなずいた。
「スクリーンショットだと外の景色しかわからないでしょ。建物の内部の様子を確かめたいのよ」
「わかった。それで僕はなにをすればいいのかな?」
綾瀬はノートパソコンに向かうと、見慣れたアイコンをクリックした。
パソコンゲームのダウンロードサイト、stormのアイコンだ。ソーラスはそのサイトで購入する。
しばらく待っても起動しない。代わりにエラーコードを表示した小さなウィンドウが立ち上がった。
「ソーラスの解説サイトなんか見ながら、なんとかインストールしたんだけど、このウィンドウが出るだけでゲームが始まらないんだ。それで困ってさ、柏木ならパソコンに詳しいんじゃないかって思ったわけ」
なるほどなと直冬は得心した。初心者がよく陥る罠だ。
「非常に言いにくいんだけど、このパソコンでは無理なんだ。性能が足りないんだよ」
「え?これ今年の春に買ったばかりなんだよ」
「ソーラスは最新のグラフィックエンジンを使ってるから、かなりのハイスペックマシンじゃないと動かないんだ。いくら新しいパソコンとはいえ、それはゲーム用じゃない」
「パソコンにゲーム用とかあるんだ?」
「ゲーム用というか、高性能のグラフィックカードを搭載してるパソコンかな」
直冬もゲームの発売に合わせて春から貯金してきた。欲しいゲームもスルーし、アニメDVDも我慢してようやく最新のグラフィックカードを買った。それくらいする価値のあるゲームなのだ。
「役に立てなくてごめんね」
綾瀬はクッションを抱えながら、うつむいて何か考えている。
その横顔を眺めているだけで、妄想が立ち上がってくる。今、もし彼女をソファの上に押し倒したら、どんな反応を見せるだろうか。
無防備に男を部屋に上げるくらいだから、そ覚悟はあるのじゃないのか?
ジャージーをずり下ろし、剥き出しになった白い太股に舌を這わせる。
細い足首をつかみ、そのまま肩に担ぎあげて、痛いくらいに勃起しているペニスをぶち込む。
僕を部屋に入れるくらいなんだから、沢井とはこの部屋でしょっちゅうやりまくってるはずだ。それとも僕にはそんな度胸がないとでも思っているのか?
「どうしたの?、怖い顔して」
綾瀬がこちらを見ていた、直冬はビクリとして妄想を打ち消した。
(やばい、やばい。いったい僕は何を考えているんだ)
綾瀬は自分を信用してこの部屋に入れてくれたんだ。彼女は他の女子たちとは違う。僕を純粋にクラスメイトと見てくれているんだ。直冬はいやらしい妄想をした自分を恥じた。もう二度と綾瀬をおかずにオナニーはしないと決めた。
そしてできるだけ冷静な口調でいった。
「なんなら僕がその塔を探してみようか?多分そこに行くのにはレベルが足りないと思うけど、夏休みだし、時間はたっぷりあるから、すぐにレベルは上がると思うよ」
「それでは意味がないの。自分で行かないと……わかったわ。買う!ゲームパソコンを買うよ」
「ノートじゃグラフィックカードを載せ換えられないから、一式新しく買わないといけないよ。二十万みとかないといけないよ」
「いいよ。ほしい服を我慢すればいいだけだもん」
(その程度の我慢で買えるって……いったいどんな服なんだ)
直冬はため息をついた。
「じゃ、ネットで買えばいいんじゃないかな、どのパソコンショップもソーラスモデル扱ってるから、そこから選べばいい。なんなら選んであげようか?」
直冬はスマホを取り出して、早速調べてみた。
さすがに旬のゲームだけあって、どのパソコンショップもソーラス推奨のカスタムパソコンを扱っていた。
綾瀬の要望をを入れて、最高画質でプレイできるモデルをピックアップした。
綾瀬は自分のノートパソコンでそれを眺めていたが、突然声をあげた。
「どれも十日以上かかるじゃない!そんなに待てないよ」
「夏休み前だし、注文が殺到してるみたいだね。在庫がなければそれくらいは余裕でかかるよ......まあネットで品切れなっても店頭に行けば置いてることもあるかもしれないけど」
綾瀬の顔がぱっと明るくなる。
「じゃ買いにいこ!」
「今から?ってこと」
綾瀬は大きく頷く。
そのとき綾瀬の携帯が震えた。電話のようだ。
「ちょっとごめん」
綾瀬は寝室の方にいった。
友達だろうか? 沢井の顔が浮かぶ。
直冬は夢の世界から現実に引き戻された気がした。
「悪いけど、買いにいくの明日でもいいかな?今から出かけないとだめなの」
戻ってきた綾瀬は申し訳なさそうに言った。
(なるほど、沢井から呼び出しがあったわけか)
「あのさ……沢井についてきてもらえばいいんじゃない?」
「なんでいきなり彰太の名前がでるわけ?私は柏木に頼んでるんだよ」
「だっていつも一緒に居るだろ!今も遊びにいくんじゃないのか」
言ってからシマッタと思った。
(なに嫉妬してるんだ、僕。ダサすぎる)
「なにそれ?わけわかんない!」
綾瀬はクッションを投げつけた。
直冬は逃げるように、綾瀬の家を飛び出した。
(要するにあいつは、パソコンでゲームなんておたっぽいことを沢井に知られたくなくて、僕を利用しただけなんだ)
家に帰り、ソーラスを早速プレイし始めたものの手に着かない。
夏休みは、思いっきり一日中プレイするんだと楽しみにしていたのに。
今日の綾瀬の声が、表情が、いつの間にか頭に浮かんでくる。
駅の地下道で直冬をみて笑ったときの顔、ジャージ姿をみられたときのすねた表情……妄想の中でセックスする綾瀬と違い、生の綾瀬は天使だった。
今日一日で僕はどうなってしまったんだ。遠くであいつの脚みてエッチな妄想してるだけで満足じゃなかったのか?まさか好きになったとか?
直冬は頭をかきむしって、ばかげた考えを頭から追い出そうとした。
そのとき、メールの着信をしらせる音がなった。
「ごめん、さっきは勝手すぎた。それから......出かけたのは家の用事だよ。ちょっと気になったから mituki」
直冬はしばらく考えてから返信した。
綾瀬は言った。
二つ高い尖塔を持つ城が、暗い森を背景に不気味に聳え立っている。
前景にはこれまた不気味な静けさをたたえた湖がある。
中世風のファンタジーRPGならいかにもありそうなロケーションだ。
映画や他のゲームで似たものを見たことがあるということなのだろうか。
「知っているって、似たとこに行ったことがあるってこと?」
綾瀬は首を振った。
「違うよ。この塔の夢をよく見るの」
「ああ、夢の話か。それなら僕もゲームをやり込んだ後に、ダンジョンの夢を見ることたまにあるよ」
「ううん。そんなんじゃない。絵や写真とか、過去に行ったことのある場所の記憶が、夢として出てくるんじゃないのよ。物心ついた頃から、その塔の夢をみていたの……そして決まって最後は恐ろしいシーンで目覚めてしまうの」
「恐ろしいシーンって?」
綾瀬は少し躊躇っているようだった。
余計なことを聞いてしまったかと、少し後悔した。
「塔にある大きな庭を、男の人の裸の屍体が埋め尽くしているの。みんな内臓をえぐり取られたり、首を斬られたりしていて……その真ん中に翼を生やした女の人が、鋭いかぎ爪から血を滴らせて立っている」
ホラーやスプラッターはそれほど苦手なわけじゃない。
しかし目の前の美少女から語られた情景を想像して、直冬はなぜか背筋が寒くなるのを感じた。
「あっ、ごめんごめん。なんか電波飛ばしちゃったよね」
青ざめた直冬に気づいて、綾瀬は慌てていった。
「いや、電波なんて思わないよ。綾瀬さんは、まだ小さくて覚えていないだけで、きっと映画で観たシーンを無意識にすり込まれているんじゃないかな」
三つ子の魂百までなんてことわざがあるように、幼少時に受けた強いショックの記憶は、そう簡単には消えない。
綾瀬は子供の頃にテレビか何かで、怖い映像を見たのだろう。それが夢という形になって出てくるのだろう。
「そういうものなのかな……実は最近またこの塔の夢を見るようになったんだ」
綾瀬は不安げに言った。
「そんなにこの塔は夢に出てくるのに似ているの?」
「似ているなんてレベルじゃないよ。そのものっていう感じ。森や湖があるのも全く同じだし、塔の細部まで何一つ違わない。最初にスクリーンショットをみたとき、驚いたよ。私の夢をそのまま写真に撮ったんじゃないかって思った」
「ふうむ……要するに、綾瀬さんはゲームの中で塔を見たいわけなんだね 」
直冬の言葉に綾瀬は大きくうなずいた。
「スクリーンショットだと外の景色しかわからないでしょ。建物の内部の様子を確かめたいのよ」
「わかった。それで僕はなにをすればいいのかな?」
綾瀬はノートパソコンに向かうと、見慣れたアイコンをクリックした。
パソコンゲームのダウンロードサイト、stormのアイコンだ。ソーラスはそのサイトで購入する。
しばらく待っても起動しない。代わりにエラーコードを表示した小さなウィンドウが立ち上がった。
「ソーラスの解説サイトなんか見ながら、なんとかインストールしたんだけど、このウィンドウが出るだけでゲームが始まらないんだ。それで困ってさ、柏木ならパソコンに詳しいんじゃないかって思ったわけ」
なるほどなと直冬は得心した。初心者がよく陥る罠だ。
「非常に言いにくいんだけど、このパソコンでは無理なんだ。性能が足りないんだよ」
「え?これ今年の春に買ったばかりなんだよ」
「ソーラスは最新のグラフィックエンジンを使ってるから、かなりのハイスペックマシンじゃないと動かないんだ。いくら新しいパソコンとはいえ、それはゲーム用じゃない」
「パソコンにゲーム用とかあるんだ?」
「ゲーム用というか、高性能のグラフィックカードを搭載してるパソコンかな」
直冬もゲームの発売に合わせて春から貯金してきた。欲しいゲームもスルーし、アニメDVDも我慢してようやく最新のグラフィックカードを買った。それくらいする価値のあるゲームなのだ。
「役に立てなくてごめんね」
綾瀬はクッションを抱えながら、うつむいて何か考えている。
その横顔を眺めているだけで、妄想が立ち上がってくる。今、もし彼女をソファの上に押し倒したら、どんな反応を見せるだろうか。
無防備に男を部屋に上げるくらいだから、そ覚悟はあるのじゃないのか?
ジャージーをずり下ろし、剥き出しになった白い太股に舌を這わせる。
細い足首をつかみ、そのまま肩に担ぎあげて、痛いくらいに勃起しているペニスをぶち込む。
僕を部屋に入れるくらいなんだから、沢井とはこの部屋でしょっちゅうやりまくってるはずだ。それとも僕にはそんな度胸がないとでも思っているのか?
「どうしたの?、怖い顔して」
綾瀬がこちらを見ていた、直冬はビクリとして妄想を打ち消した。
(やばい、やばい。いったい僕は何を考えているんだ)
綾瀬は自分を信用してこの部屋に入れてくれたんだ。彼女は他の女子たちとは違う。僕を純粋にクラスメイトと見てくれているんだ。直冬はいやらしい妄想をした自分を恥じた。もう二度と綾瀬をおかずにオナニーはしないと決めた。
そしてできるだけ冷静な口調でいった。
「なんなら僕がその塔を探してみようか?多分そこに行くのにはレベルが足りないと思うけど、夏休みだし、時間はたっぷりあるから、すぐにレベルは上がると思うよ」
「それでは意味がないの。自分で行かないと……わかったわ。買う!ゲームパソコンを買うよ」
「ノートじゃグラフィックカードを載せ換えられないから、一式新しく買わないといけないよ。二十万みとかないといけないよ」
「いいよ。ほしい服を我慢すればいいだけだもん」
(その程度の我慢で買えるって……いったいどんな服なんだ)
直冬はため息をついた。
「じゃ、ネットで買えばいいんじゃないかな、どのパソコンショップもソーラスモデル扱ってるから、そこから選べばいい。なんなら選んであげようか?」
直冬はスマホを取り出して、早速調べてみた。
さすがに旬のゲームだけあって、どのパソコンショップもソーラス推奨のカスタムパソコンを扱っていた。
綾瀬の要望をを入れて、最高画質でプレイできるモデルをピックアップした。
綾瀬は自分のノートパソコンでそれを眺めていたが、突然声をあげた。
「どれも十日以上かかるじゃない!そんなに待てないよ」
「夏休み前だし、注文が殺到してるみたいだね。在庫がなければそれくらいは余裕でかかるよ......まあネットで品切れなっても店頭に行けば置いてることもあるかもしれないけど」
綾瀬の顔がぱっと明るくなる。
「じゃ買いにいこ!」
「今から?ってこと」
綾瀬は大きく頷く。
そのとき綾瀬の携帯が震えた。電話のようだ。
「ちょっとごめん」
綾瀬は寝室の方にいった。
友達だろうか? 沢井の顔が浮かぶ。
直冬は夢の世界から現実に引き戻された気がした。
「悪いけど、買いにいくの明日でもいいかな?今から出かけないとだめなの」
戻ってきた綾瀬は申し訳なさそうに言った。
(なるほど、沢井から呼び出しがあったわけか)
「あのさ……沢井についてきてもらえばいいんじゃない?」
「なんでいきなり彰太の名前がでるわけ?私は柏木に頼んでるんだよ」
「だっていつも一緒に居るだろ!今も遊びにいくんじゃないのか」
言ってからシマッタと思った。
(なに嫉妬してるんだ、僕。ダサすぎる)
「なにそれ?わけわかんない!」
綾瀬はクッションを投げつけた。
直冬は逃げるように、綾瀬の家を飛び出した。
(要するにあいつは、パソコンでゲームなんておたっぽいことを沢井に知られたくなくて、僕を利用しただけなんだ)
家に帰り、ソーラスを早速プレイし始めたものの手に着かない。
夏休みは、思いっきり一日中プレイするんだと楽しみにしていたのに。
今日の綾瀬の声が、表情が、いつの間にか頭に浮かんでくる。
駅の地下道で直冬をみて笑ったときの顔、ジャージ姿をみられたときのすねた表情……妄想の中でセックスする綾瀬と違い、生の綾瀬は天使だった。
今日一日で僕はどうなってしまったんだ。遠くであいつの脚みてエッチな妄想してるだけで満足じゃなかったのか?まさか好きになったとか?
直冬は頭をかきむしって、ばかげた考えを頭から追い出そうとした。
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