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10話 シャーロット、ジョナサンに翻弄される♡
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――何が起こっているの?
ジョナサンにキスをされている。
理解はできても、シャーロットは問わずにはいられなかった。
そもそも睦み事をする雰囲気ではなかったはずなのに……。
まさか、黙れと言った仕返しだろうか。
――なんて幼稚な……。
ジョナサンは軽く触れる口づけをしながら、舌先で唇の狭間をノックする。
絶対に開けてなるものかと、シャーロットはぎゅっと唇を引き結んだ。
微かな衣擦れの音がした後、背中の締め付けが緩くなる。
ジョナサンがドレスの紐を解いているのだと察したシャーロットは動揺し、口を開けてしまった。
「ん――っ」
怯えるシャーロットの舌を、ジョナサンは執拗に追いかける。粘膜同士が擦れ、くちゅ、くちゅ、くちゅと卑猥な水音がした。
離れたくても、ジョナサンは一瞬たりとも、シャーロットを逃してはくれない。
肩越しのキスに首が悲鳴をあげる。
「ふ、んぅ……」
シャーロットが不満を込めて喉をならすと、ジョナサンは渋々といった様子で顔を離した。
唾液の糸が、二人の間を繋ぎ、薄明かりに照らし出される。
「……この、無礼者」
シャーロットは恨みをこめて、赤い瞳を睨み返した。
ジョナサンが言葉もなく、シャーロットの臀部に下腹部を押しつける。
硬い感触がした。布地から伝わる劣情に戸惑う間もなく、ドレスの裾が絡げられる。
ジョナサンが、下着を貫きそうな勢いで、尻のあわいに怒張を擦りつけた。
「――っ、おやめなさい。……黙ってないで何とか言いなさいよ」
「殿下が口を閉ざせと俺に命じられたのでは?」
「……私の問いには答えなさい」
「御意」
「今すぐに、淫らな真似はお止めなさい」
「嫌でしたら、どうぞお逃げください」
――どこに逃げろというの?
城塞は魔獣の跋扈する深い森に囲まれている。
身を守る術を知らないシャーロットがひとり、森へ飛び込めば、数時間と経たず、魔獣の餌になってしまう。
ヴォルフガルト領は、シャーロットにとって、天然の牢獄だ。
無理だと判っていて、ジョナサンは選択肢を与えるフリをする。
性格が悪いにもほどがある。
「殿下は何を憂うことなく、俺に身を任せていてください」
背中の紐はすべて外され、シュミーズとコルセットが露わになった。
ジョナサンはシャーロットの背後から腕を伸ばし、乳房を手のひらにおさめる。
布地ごと膨らみを揉みしだかれ、否応なく、身体が火照った。ジョナサンの体温が柔肌に馴染んでくる。
「うぅ……」
快楽に流されたくはないのに、身体が言うことを聞いてくれない。
シャーロットは悔しさに喉の奥で呻いた。
ジョナサンがシャーロットのうなじを舐めながら囁く。
「気持ちいいですか?」
「う……」
「ご不満そうですね。なら、これはいかがでしょう?」
ジョナサンは、指の腹で乳輪を引っ掻いた。
「ひゃう……」
甲高い嬌声が己の喉から飛び出し、シャーロットは咄嗟に口元を両手で覆った。
「お気に召していただけたようですね」
「ち、違う……ひっ、や……」
ジョナサンは円を描くように何度も何度も撫でさする。
何とも言えないむず痒さに、シャーロットは腰を揺らした。
「物足りないですか?」
「もう、やめて……あ!」
ジョナサンはシャーロットの願いを無視し、凝った乳嘴をつまんだ。
乳房の中心を弄られ、腹の奥が怪しく疼く。
絶え間なく与えられる快楽を受け入れられず、シャーロットは身を捩った。
「あ、う……ん」
声を出したくない。けれど、出さなければ、さらにあられもない嬌声を発してしまいそうで、シャーロットはくぐもった喘ぎ声をこぼし続ける。
湿り気を帯びてきた下着の中心を、屹立が掠めた。
ぬちゃり、と粘りのある水音に、血の気が引く。
「……殿下は酷くされると、興奮するのですね」
「そんな、わけ……ひぅ……」
ジョナサンはシャーロットの下着を剥ぎ取ると、猛った肉槍を陰唇に密着させた。
火傷しそうなほど熱い雄の証に、シャーロットは腰を浮かせる。
しかし、ジョナサンにあっけなく引き戻され、潤った割れ目に肉竿が押し当てられた。
ぐちゅんっと、卑猥な水音が鳴る。
「……御身はどこもかしこも、魅惑的ですね」
「は、う、ひっ」
ジョナサンが下腹部を小刻みに揺すった。
秘裂に沿って、怒張が行ったり来たりを繰り返す。
愛液にまみれた肉槍は、さらに硬度を増した。
――この状況を、何とかしなければ……。
せめて会話をする隙を作らねば。
シャーロットはジョナサンの膝の上で華奢な肢体を跳ねさせながら、必死に理性をかき集める。
ジョナサンはシャーロットの細腰を掴んで浮かせ、肉楔の切っ先を蜜口に沈めようとした。
シャーロットは桃色の唇を必死に開く。
「獣のように繋がるのは、嫌よ……」
精一杯、甘えた声を絞り出す。
ジョナサンの動きがピタリと止まった。
潤みを帯びた菫色の瞳と、紅い瞳が交差する。
「貴殿の顔が見えないのも、嫌だわ……」
ジョナサンはくるりとシャーロットの身体を反転させた。
逞しい腰を跨ぐようにして向かい合うと、露骨に雄槍が下腹部に触れる。
「これでよろしいですか?」
「私だけ服を乱しているのは、不公平だわ」
ジョナサンが一瞬、シャーロットから目をそらした。
シャーロットはジレの裾をつまむ。
「怪我をしているのでしょう。……傷を見せなさい」
「見せれば、続きを許していただけるので?」
じろりと睨みをきかせれば、「俺が怪我をしていると、なぜ気づかれたのですか」とジョナサンはさっさと話題を元に戻した。
「痛み止めの臭いよ」
「それほど臭いますか?」
「鼻が曲がりそうだったわ」
「殿下は薬にもお詳しいのですね。頭が下がります」
「……たまたま知っていただけでしてよ。ほら、さっさと服をお脱ぎなさい」
シャーロットは再度、ジレの裾を引っ張った。
ジョナサンは躊躇う素振りを見せるも、布を脱ぎ捨てていく。
引き締まった上半身、腹の中心に、包帯が巻かれていた。
シャーロットは眉を吊り上げた。
白い布地には、所々、血が滲んでいる。
「ああ、これですか。かすり傷が少し開いているだけなので、ご心配には及びま――」
「私が何を思うか、口出ししないでくださる?」
ジョナサンが驚いたように、口を閉ざした。
シャーロットは包帯に手を伸ばす。触れるとあたたかい。
血の滲んだところに指を滑らせようとしたら、ジョナサンに手首を掴まれた。
「御手が汚れます」
「貴殿は私を妻にするつもりなのよね?」
「……ええ。横槍が入りましたので、婚礼の儀まで、もうしばしお待ちいただくことになりますが」
よくよく見れば、ジョナサンの顔色は酷いものだった。頬が痩けているし、目の下も、うっすらと黒ずんでいる。
疲労を滲ませながらも笑顔を絶やさない彼に、シャーロットは心底――腹が立った。
「ならば、弱っている姿も見せなさい」
「……え」
「平気なフリを装って、私を安心させようとしているのでしょうけれど……体調が優れず、取り繕った笑みを向けられても、気分が悪くなるだけだわ」
ジョナサンの眉尻がぴくりと跳ね上がった。
シャーロットの腰に回した手に、力が籠もる。
怒らせてしまっただろうか。
――それならそれで、結構よ。とことん相手になってあげるのだから。
シャーロットは背筋を伸ばし、身構えたのだが――。
「……恋い焦がれる女性の前で、強がりたくなる男の気持ちも、少しはお考えください」
――え?
ジョナサンは片手で顔を覆った。
指の間から覗く困惑顔は、年相応な青年の顔である。くだらない見栄だと一蹴するのが躊躇われた。
「……それなら、私に見破られないよう、完璧に演技なさい」
――突然素直になられたら、こっちまで照れてしまうでしょう。
シャーロットはいたたまれなくなり、ジョナサンの腹を、軽く突いた。
途端に、ジョナサンが「うっ!」と、苦しげに上半身を丸める。
「こんなことをしている場合ではなくてよ。早くおやすみなさい」
「嫌です」
ジョナサンはシャーロットの腰に両腕を回して、ぎゅうぎゅう抱きしめる。
何が何でも離さないという意志表示に、シャーロットは呆れ、
「これでは【戦狼】ではなくて、乳離れできない子狼ね」
菫色の瞳を柔和に細め、くすくすと含み笑いを漏らした。
ジョナサンが穴が空くほど見つめてくる。
「何よ」
「いえ。心の底から笑っておられる姿は可憐だなと」
ジョナサンは口角を緩めた。心なしか、頬に血色が戻っている。
少年のような笑顔に、シャーロットの心臓が、トクン……ッと、弾んだ。
「……私の笑顔が見たいのなら、もっと無様に足掻く事ね」
ジョナサンに見惚れていた己を隠すため、シャーロットは顔をそらす。
「……承知致しました。この先を進める許しを頂きましたので、続きをさせていただきますね」
「! そういう意味じゃ……って駄目よ。身体を休めるのが先だわ」
「殿下の笑顔ですっかり元気になりました」
「そんなわけ……あぅ!」
シャーロットが懸命に背をそらすも、ジョナサンはシュミーズごと、乳首に吸い付いた。
舌先で優しく小突かれた粒は、次第に固く凝っていく。唾液で濡れた薄紅色の尖りが、ツンと布地を押し上げた。
「今日は胸を覆う――ブラジャーでしたか、を身につけられておられないのですね。……もしや俺に抱かれるのを期待して……」
「違ってよ」
「では、なぜ?」
「……」
――太ったからなんて、口が裂けても言えなくてよ。
ヴォルフガルト家で振る舞われる食事は、肉料理が中心だ。
宮廷料理に負けず劣らず美味で、つい、食が進んでしまった。
そうして、シャーロットの胸は、ふくよかになり、ブラジャーが合わなくなってしまったのである。
ジョナサンはコルセットに乗り上げた乳房をまじまじと見つめ、
「我が家の食事が殿下のお口合っているようで、何よりです」
と、何もかもお見通しだとばかりに告げた。
「――っ」
「今度、城下から仕立屋を呼んで、最高級の下着を作らせましょう」
「け、結構よ……んっ」
ジョナサンはもう片方の乳房にも唇を寄せた。
くちゅくちゅと音を立てて、吸っては舐めてを繰り返される。
予想できない責め苦に、治まっていた胎内の疼きがぶり返した。
「は、あ、もう……」
「もう、なんですか?」
膣内に蜜が溢れ、入り口付近は、しとどに濡れそぼっている。
「充分、濡れていますね」
「はあ……」
「殿下の弱音も、聞かせてください」
「――っ」
くすぶる熱を何とかして欲しい。
そんな破廉恥な欲を口に出すことはできない。
シャーロットは、薄紫の瞳を潤ませるしかなかった。
「……強情なところも、愛おしいですよ」
ジョナサンは口角を歪め、シャーロットの細腰を両手で浮かせた。
剛直が肉ビラをこじ開けていく。
「ん――っ」
隘路に捻じ込まれた肉槍が、ずぷん、と一気に根元まで沈む。花弁が赤黒い楔に散らされた。
「は――、はあ……う……ん」
内側で、自身のモノとは異なる内臓が脈打っている。
シャーロットは薄い腹をぶるぶると震わせた。
膣襞が健気に波打ち、雄茎をなだめようと蠕動している。
「殿下……愛しています」
ジョナサンが、桃色の唇に噛みついた。シャーロットの口内をジョナサンの舌が無遠慮に蹂躙する。
「ふ……ん……」
抽送が始まった。シャーロットはジョナサンの膝の上で、身体を跳ねさせる。
ジョナサンが胎のなかで暴れるたび、膣襞が甘く悲鳴をあげた。
凶暴な侵略者をなだめるため、蜜がとめどなく精製される。
「は、あう、ん……」
激しいまぐわいに、口づけが解けそうになる。
ジョナサンが、シャーロットの後頭部を手で支え、唇にむしゃぶりついた。
溢れた唾液が顎を伝う。ジョナサンはもったいないとばかりに、シャーロットの顎に舌を這わせた。
プラチナブロンドの髪が、ろうそくの明かりを受け、沈みかけの夕陽のように輝く。
ぐちゃ、ぐちゃと繋がった箇所から、粘ついた水音が奏でられた。
壁に映った二人の影が重なり合い、一つの生き物のように蠢く。
「はあ、もう……」
「殿下、よろしいでしょうか?」
「何が……?」
ジョナサンはシャーロットのへそをゆるゆると撫であげる。
「中で果てても、よろしいでしょうか?」
身体はジョナサンを欲しがっている。
けれど積極的に許しを与えられるほど、淫らに振る舞えない。
「勝手にすれば、いいじゃない……」
結果、シャーロットは不貞腐れた。
「では、遠慮なく……」
ジョナサンは獣のように喉を鳴らし、肉壺を一気に貫いた。
「! はぁっ、うぅ……」
激しく膣襞を擦り上げられる。
卑猥な水音に続き、パン、パン、と肉同士がぶつかる鈍い音が部屋に響いた。
「ひっ――、あ……はう」
シャーロットはあまりの衝撃に顔を仰向ける。
天井にろうそくの明かりは届かず、暗い深淵がどこまでも続いているような錯覚を起こした。
二人が腰掛けるソファの周囲に、淫靡な熱が立ちこめる。
敏感な肉襞にひときわ強く、亀頭が当たった。
「あんっ」
シャーロットは、快感に、ビクンと身体を跳ねさせる。
同時に、蜜筒はこれでもかとばかりに収縮した。
「殿下……」
ジョナサンが掠れたうめき声をあげる。
途端、胎の中に熱い飛沫が広がった。
蜜路が白濁で満たされていく。
「ひっ……う……」
ジョナサンがシャーロットを抱きしめる。背骨をへし折られそうな膂力である。
接合部は隙間なく埋まり、シャーロットの銀色の和毛とジョナサンの固い灰色の繁みが、重なり合った。
「……はあ、う……」
ドレスに覆われた全身が、汗みずくである。
ジョナサンが腰を引くと、真っ赤な裂け目から、とろみを帯びた精の残滓が溢れ、スカートを濡らした。
「良い眺めです」
ジョナサンが清々しいまでの笑顔を振りまく。
シャーロットは息も絶え絶えな身体に鞭を打ち、ジョナサンの腹を指で小突いた。
ところが、ジョナサンはぴくりとも痛がりはしない。
冷静に考えれば、今の今まで激しく腰を振っていたのだ。
具合が悪ければ、そんなことをする余裕はないはずである。
――まさか、怪我に苦しむ様は演技だったというの?
真偽を確かめたくても、すでに体力の限界である。
シャーロットはジョナサンの胸板にもたれかかった。
「殿下、何か欲しいものはございませんか」
耳障りの良いテノールが眠気を誘う。
「……? 何よ、急に」
「怪我を隠していたお詫びとして、何かさせていただきたいと思いまして」
今さらご機嫌窺いをされても……と拗ねる手前で、シャーロットはふと思いついた。
「領地を、案内なさい」
「我が領地ですか?」
「当たり前でしょう。ほかに、どこがあるっていうのよ……」
瞼が自然と落ちてくる。
ジョナサンが、シャーロットの髪を優しく撫でた。
優しい手櫛が心地よい。
「承知いたしました。とっておきの場所へご案内させていただきます」
最後に聞いたジョナサンの声は、生き生きとしていた。
ジョナサンにキスをされている。
理解はできても、シャーロットは問わずにはいられなかった。
そもそも睦み事をする雰囲気ではなかったはずなのに……。
まさか、黙れと言った仕返しだろうか。
――なんて幼稚な……。
ジョナサンは軽く触れる口づけをしながら、舌先で唇の狭間をノックする。
絶対に開けてなるものかと、シャーロットはぎゅっと唇を引き結んだ。
微かな衣擦れの音がした後、背中の締め付けが緩くなる。
ジョナサンがドレスの紐を解いているのだと察したシャーロットは動揺し、口を開けてしまった。
「ん――っ」
怯えるシャーロットの舌を、ジョナサンは執拗に追いかける。粘膜同士が擦れ、くちゅ、くちゅ、くちゅと卑猥な水音がした。
離れたくても、ジョナサンは一瞬たりとも、シャーロットを逃してはくれない。
肩越しのキスに首が悲鳴をあげる。
「ふ、んぅ……」
シャーロットが不満を込めて喉をならすと、ジョナサンは渋々といった様子で顔を離した。
唾液の糸が、二人の間を繋ぎ、薄明かりに照らし出される。
「……この、無礼者」
シャーロットは恨みをこめて、赤い瞳を睨み返した。
ジョナサンが言葉もなく、シャーロットの臀部に下腹部を押しつける。
硬い感触がした。布地から伝わる劣情に戸惑う間もなく、ドレスの裾が絡げられる。
ジョナサンが、下着を貫きそうな勢いで、尻のあわいに怒張を擦りつけた。
「――っ、おやめなさい。……黙ってないで何とか言いなさいよ」
「殿下が口を閉ざせと俺に命じられたのでは?」
「……私の問いには答えなさい」
「御意」
「今すぐに、淫らな真似はお止めなさい」
「嫌でしたら、どうぞお逃げください」
――どこに逃げろというの?
城塞は魔獣の跋扈する深い森に囲まれている。
身を守る術を知らないシャーロットがひとり、森へ飛び込めば、数時間と経たず、魔獣の餌になってしまう。
ヴォルフガルト領は、シャーロットにとって、天然の牢獄だ。
無理だと判っていて、ジョナサンは選択肢を与えるフリをする。
性格が悪いにもほどがある。
「殿下は何を憂うことなく、俺に身を任せていてください」
背中の紐はすべて外され、シュミーズとコルセットが露わになった。
ジョナサンはシャーロットの背後から腕を伸ばし、乳房を手のひらにおさめる。
布地ごと膨らみを揉みしだかれ、否応なく、身体が火照った。ジョナサンの体温が柔肌に馴染んでくる。
「うぅ……」
快楽に流されたくはないのに、身体が言うことを聞いてくれない。
シャーロットは悔しさに喉の奥で呻いた。
ジョナサンがシャーロットのうなじを舐めながら囁く。
「気持ちいいですか?」
「う……」
「ご不満そうですね。なら、これはいかがでしょう?」
ジョナサンは、指の腹で乳輪を引っ掻いた。
「ひゃう……」
甲高い嬌声が己の喉から飛び出し、シャーロットは咄嗟に口元を両手で覆った。
「お気に召していただけたようですね」
「ち、違う……ひっ、や……」
ジョナサンは円を描くように何度も何度も撫でさする。
何とも言えないむず痒さに、シャーロットは腰を揺らした。
「物足りないですか?」
「もう、やめて……あ!」
ジョナサンはシャーロットの願いを無視し、凝った乳嘴をつまんだ。
乳房の中心を弄られ、腹の奥が怪しく疼く。
絶え間なく与えられる快楽を受け入れられず、シャーロットは身を捩った。
「あ、う……ん」
声を出したくない。けれど、出さなければ、さらにあられもない嬌声を発してしまいそうで、シャーロットはくぐもった喘ぎ声をこぼし続ける。
湿り気を帯びてきた下着の中心を、屹立が掠めた。
ぬちゃり、と粘りのある水音に、血の気が引く。
「……殿下は酷くされると、興奮するのですね」
「そんな、わけ……ひぅ……」
ジョナサンはシャーロットの下着を剥ぎ取ると、猛った肉槍を陰唇に密着させた。
火傷しそうなほど熱い雄の証に、シャーロットは腰を浮かせる。
しかし、ジョナサンにあっけなく引き戻され、潤った割れ目に肉竿が押し当てられた。
ぐちゅんっと、卑猥な水音が鳴る。
「……御身はどこもかしこも、魅惑的ですね」
「は、う、ひっ」
ジョナサンが下腹部を小刻みに揺すった。
秘裂に沿って、怒張が行ったり来たりを繰り返す。
愛液にまみれた肉槍は、さらに硬度を増した。
――この状況を、何とかしなければ……。
せめて会話をする隙を作らねば。
シャーロットはジョナサンの膝の上で華奢な肢体を跳ねさせながら、必死に理性をかき集める。
ジョナサンはシャーロットの細腰を掴んで浮かせ、肉楔の切っ先を蜜口に沈めようとした。
シャーロットは桃色の唇を必死に開く。
「獣のように繋がるのは、嫌よ……」
精一杯、甘えた声を絞り出す。
ジョナサンの動きがピタリと止まった。
潤みを帯びた菫色の瞳と、紅い瞳が交差する。
「貴殿の顔が見えないのも、嫌だわ……」
ジョナサンはくるりとシャーロットの身体を反転させた。
逞しい腰を跨ぐようにして向かい合うと、露骨に雄槍が下腹部に触れる。
「これでよろしいですか?」
「私だけ服を乱しているのは、不公平だわ」
ジョナサンが一瞬、シャーロットから目をそらした。
シャーロットはジレの裾をつまむ。
「怪我をしているのでしょう。……傷を見せなさい」
「見せれば、続きを許していただけるので?」
じろりと睨みをきかせれば、「俺が怪我をしていると、なぜ気づかれたのですか」とジョナサンはさっさと話題を元に戻した。
「痛み止めの臭いよ」
「それほど臭いますか?」
「鼻が曲がりそうだったわ」
「殿下は薬にもお詳しいのですね。頭が下がります」
「……たまたま知っていただけでしてよ。ほら、さっさと服をお脱ぎなさい」
シャーロットは再度、ジレの裾を引っ張った。
ジョナサンは躊躇う素振りを見せるも、布を脱ぎ捨てていく。
引き締まった上半身、腹の中心に、包帯が巻かれていた。
シャーロットは眉を吊り上げた。
白い布地には、所々、血が滲んでいる。
「ああ、これですか。かすり傷が少し開いているだけなので、ご心配には及びま――」
「私が何を思うか、口出ししないでくださる?」
ジョナサンが驚いたように、口を閉ざした。
シャーロットは包帯に手を伸ばす。触れるとあたたかい。
血の滲んだところに指を滑らせようとしたら、ジョナサンに手首を掴まれた。
「御手が汚れます」
「貴殿は私を妻にするつもりなのよね?」
「……ええ。横槍が入りましたので、婚礼の儀まで、もうしばしお待ちいただくことになりますが」
よくよく見れば、ジョナサンの顔色は酷いものだった。頬が痩けているし、目の下も、うっすらと黒ずんでいる。
疲労を滲ませながらも笑顔を絶やさない彼に、シャーロットは心底――腹が立った。
「ならば、弱っている姿も見せなさい」
「……え」
「平気なフリを装って、私を安心させようとしているのでしょうけれど……体調が優れず、取り繕った笑みを向けられても、気分が悪くなるだけだわ」
ジョナサンの眉尻がぴくりと跳ね上がった。
シャーロットの腰に回した手に、力が籠もる。
怒らせてしまっただろうか。
――それならそれで、結構よ。とことん相手になってあげるのだから。
シャーロットは背筋を伸ばし、身構えたのだが――。
「……恋い焦がれる女性の前で、強がりたくなる男の気持ちも、少しはお考えください」
――え?
ジョナサンは片手で顔を覆った。
指の間から覗く困惑顔は、年相応な青年の顔である。くだらない見栄だと一蹴するのが躊躇われた。
「……それなら、私に見破られないよう、完璧に演技なさい」
――突然素直になられたら、こっちまで照れてしまうでしょう。
シャーロットはいたたまれなくなり、ジョナサンの腹を、軽く突いた。
途端に、ジョナサンが「うっ!」と、苦しげに上半身を丸める。
「こんなことをしている場合ではなくてよ。早くおやすみなさい」
「嫌です」
ジョナサンはシャーロットの腰に両腕を回して、ぎゅうぎゅう抱きしめる。
何が何でも離さないという意志表示に、シャーロットは呆れ、
「これでは【戦狼】ではなくて、乳離れできない子狼ね」
菫色の瞳を柔和に細め、くすくすと含み笑いを漏らした。
ジョナサンが穴が空くほど見つめてくる。
「何よ」
「いえ。心の底から笑っておられる姿は可憐だなと」
ジョナサンは口角を緩めた。心なしか、頬に血色が戻っている。
少年のような笑顔に、シャーロットの心臓が、トクン……ッと、弾んだ。
「……私の笑顔が見たいのなら、もっと無様に足掻く事ね」
ジョナサンに見惚れていた己を隠すため、シャーロットは顔をそらす。
「……承知致しました。この先を進める許しを頂きましたので、続きをさせていただきますね」
「! そういう意味じゃ……って駄目よ。身体を休めるのが先だわ」
「殿下の笑顔ですっかり元気になりました」
「そんなわけ……あぅ!」
シャーロットが懸命に背をそらすも、ジョナサンはシュミーズごと、乳首に吸い付いた。
舌先で優しく小突かれた粒は、次第に固く凝っていく。唾液で濡れた薄紅色の尖りが、ツンと布地を押し上げた。
「今日は胸を覆う――ブラジャーでしたか、を身につけられておられないのですね。……もしや俺に抱かれるのを期待して……」
「違ってよ」
「では、なぜ?」
「……」
――太ったからなんて、口が裂けても言えなくてよ。
ヴォルフガルト家で振る舞われる食事は、肉料理が中心だ。
宮廷料理に負けず劣らず美味で、つい、食が進んでしまった。
そうして、シャーロットの胸は、ふくよかになり、ブラジャーが合わなくなってしまったのである。
ジョナサンはコルセットに乗り上げた乳房をまじまじと見つめ、
「我が家の食事が殿下のお口合っているようで、何よりです」
と、何もかもお見通しだとばかりに告げた。
「――っ」
「今度、城下から仕立屋を呼んで、最高級の下着を作らせましょう」
「け、結構よ……んっ」
ジョナサンはもう片方の乳房にも唇を寄せた。
くちゅくちゅと音を立てて、吸っては舐めてを繰り返される。
予想できない責め苦に、治まっていた胎内の疼きがぶり返した。
「は、あ、もう……」
「もう、なんですか?」
膣内に蜜が溢れ、入り口付近は、しとどに濡れそぼっている。
「充分、濡れていますね」
「はあ……」
「殿下の弱音も、聞かせてください」
「――っ」
くすぶる熱を何とかして欲しい。
そんな破廉恥な欲を口に出すことはできない。
シャーロットは、薄紫の瞳を潤ませるしかなかった。
「……強情なところも、愛おしいですよ」
ジョナサンは口角を歪め、シャーロットの細腰を両手で浮かせた。
剛直が肉ビラをこじ開けていく。
「ん――っ」
隘路に捻じ込まれた肉槍が、ずぷん、と一気に根元まで沈む。花弁が赤黒い楔に散らされた。
「は――、はあ……う……ん」
内側で、自身のモノとは異なる内臓が脈打っている。
シャーロットは薄い腹をぶるぶると震わせた。
膣襞が健気に波打ち、雄茎をなだめようと蠕動している。
「殿下……愛しています」
ジョナサンが、桃色の唇に噛みついた。シャーロットの口内をジョナサンの舌が無遠慮に蹂躙する。
「ふ……ん……」
抽送が始まった。シャーロットはジョナサンの膝の上で、身体を跳ねさせる。
ジョナサンが胎のなかで暴れるたび、膣襞が甘く悲鳴をあげた。
凶暴な侵略者をなだめるため、蜜がとめどなく精製される。
「は、あう、ん……」
激しいまぐわいに、口づけが解けそうになる。
ジョナサンが、シャーロットの後頭部を手で支え、唇にむしゃぶりついた。
溢れた唾液が顎を伝う。ジョナサンはもったいないとばかりに、シャーロットの顎に舌を這わせた。
プラチナブロンドの髪が、ろうそくの明かりを受け、沈みかけの夕陽のように輝く。
ぐちゃ、ぐちゃと繋がった箇所から、粘ついた水音が奏でられた。
壁に映った二人の影が重なり合い、一つの生き物のように蠢く。
「はあ、もう……」
「殿下、よろしいでしょうか?」
「何が……?」
ジョナサンはシャーロットのへそをゆるゆると撫であげる。
「中で果てても、よろしいでしょうか?」
身体はジョナサンを欲しがっている。
けれど積極的に許しを与えられるほど、淫らに振る舞えない。
「勝手にすれば、いいじゃない……」
結果、シャーロットは不貞腐れた。
「では、遠慮なく……」
ジョナサンは獣のように喉を鳴らし、肉壺を一気に貫いた。
「! はぁっ、うぅ……」
激しく膣襞を擦り上げられる。
卑猥な水音に続き、パン、パン、と肉同士がぶつかる鈍い音が部屋に響いた。
「ひっ――、あ……はう」
シャーロットはあまりの衝撃に顔を仰向ける。
天井にろうそくの明かりは届かず、暗い深淵がどこまでも続いているような錯覚を起こした。
二人が腰掛けるソファの周囲に、淫靡な熱が立ちこめる。
敏感な肉襞にひときわ強く、亀頭が当たった。
「あんっ」
シャーロットは、快感に、ビクンと身体を跳ねさせる。
同時に、蜜筒はこれでもかとばかりに収縮した。
「殿下……」
ジョナサンが掠れたうめき声をあげる。
途端、胎の中に熱い飛沫が広がった。
蜜路が白濁で満たされていく。
「ひっ……う……」
ジョナサンがシャーロットを抱きしめる。背骨をへし折られそうな膂力である。
接合部は隙間なく埋まり、シャーロットの銀色の和毛とジョナサンの固い灰色の繁みが、重なり合った。
「……はあ、う……」
ドレスに覆われた全身が、汗みずくである。
ジョナサンが腰を引くと、真っ赤な裂け目から、とろみを帯びた精の残滓が溢れ、スカートを濡らした。
「良い眺めです」
ジョナサンが清々しいまでの笑顔を振りまく。
シャーロットは息も絶え絶えな身体に鞭を打ち、ジョナサンの腹を指で小突いた。
ところが、ジョナサンはぴくりとも痛がりはしない。
冷静に考えれば、今の今まで激しく腰を振っていたのだ。
具合が悪ければ、そんなことをする余裕はないはずである。
――まさか、怪我に苦しむ様は演技だったというの?
真偽を確かめたくても、すでに体力の限界である。
シャーロットはジョナサンの胸板にもたれかかった。
「殿下、何か欲しいものはございませんか」
耳障りの良いテノールが眠気を誘う。
「……? 何よ、急に」
「怪我を隠していたお詫びとして、何かさせていただきたいと思いまして」
今さらご機嫌窺いをされても……と拗ねる手前で、シャーロットはふと思いついた。
「領地を、案内なさい」
「我が領地ですか?」
「当たり前でしょう。ほかに、どこがあるっていうのよ……」
瞼が自然と落ちてくる。
ジョナサンが、シャーロットの髪を優しく撫でた。
優しい手櫛が心地よい。
「承知いたしました。とっておきの場所へご案内させていただきます」
最後に聞いたジョナサンの声は、生き生きとしていた。
3
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