高慢で素直になれない王女は、独占欲に駆られた腹黒騎士に、狂おしく愛される

ヨドミ

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10話 シャーロット、ジョナサンに翻弄される♡

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 ――何が起こっているの?

 ジョナサンにキスをされている。
 理解はできても、シャーロットは問わずにはいられなかった。
 そもそも睦み事をする雰囲気ではなかったはずなのに……。
 
 まさか、黙れと言った仕返しだろうか。

 ――なんて幼稚な……。

 ジョナサンは軽く触れる口づけをしながら、舌先で唇の狭間をノックする。
 絶対に開けてなるものかと、シャーロットはぎゅっと唇を引き結んだ。

 微かな衣擦れの音がした後、背中の締め付けが緩くなる。
 ジョナサンがドレスの紐をほどいているのだと察したシャーロットは動揺し、口を開けてしまった。

「ん――っ」

 怯えるシャーロットの舌を、ジョナサンは執拗に追いかける。粘膜同士が擦れ、くちゅ、くちゅ、くちゅと卑猥な水音がした。
 離れたくても、ジョナサンは一瞬たりとも、シャーロットを逃してはくれない。
 肩越しのキスに首が悲鳴をあげる。

「ふ、んぅ……」

 シャーロットが不満を込めて喉をならすと、ジョナサンは渋々といった様子で顔を離した。
 唾液の糸が、二人の間を繋ぎ、薄明かりに照らし出される。

「……この、無礼者」

 シャーロットは恨みをこめて、赤い瞳を睨み返した。
 ジョナサンが言葉もなく、シャーロットの臀部に下腹部を押しつける。
 硬い感触がした。布地から伝わる劣情に戸惑う間もなく、ドレスの裾が絡げられる。
 ジョナサンが、下着を貫きそうな勢いで、尻のあわいに怒張を擦りつけた。

「――っ、おやめなさい。……黙ってないで何とか言いなさいよ」
「殿下が口を閉ざせと俺に命じられたのでは?」
「……私の問いには答えなさい」
「御意」
「今すぐに、淫らな真似はお止めなさい」
「嫌でしたら、どうぞお逃げください」

 ――どこに逃げろというの?

 城塞は魔獣の跋扈する深い森に囲まれている。
 身を守る術を知らないシャーロットがひとり、森へ飛び込めば、数時間と経たず、魔獣の餌になってしまう。
 ヴォルフガルト領は、シャーロットにとって、天然の牢獄だ。
 無理だと判っていて、ジョナサンは選択肢を与えるフリをする。
 性格が悪いにもほどがある。

「殿下は何を憂うことなく、俺に身を任せていてください」

 背中の紐はすべて外され、シュミーズとコルセットが露わになった。
 ジョナサンはシャーロットの背後から腕を伸ばし、乳房を手のひらにおさめる。
 布地ごと膨らみを揉みしだかれ、否応なく、身体が火照った。ジョナサンの体温が柔肌に馴染んでくる。

「うぅ……」

 快楽に流されたくはないのに、身体が言うことを聞いてくれない。
 シャーロットは悔しさに喉の奥で呻いた。

 ジョナサンがシャーロットのうなじを舐めながら囁く。

「気持ちいいですか?」
「う……」
「ご不満そうですね。なら、これはいかがでしょう?」

 ジョナサンは、指の腹で乳輪を引っ掻いた。

「ひゃう……」

 甲高い嬌声が己の喉から飛び出し、シャーロットは咄嗟に口元を両手で覆った。

「お気に召していただけたようですね」
「ち、違う……ひっ、や……」

 ジョナサンは円を描くように何度も何度も撫でさする。
 何とも言えないむず痒さに、シャーロットは腰を揺らした。
 
「物足りないですか?」
「もう、やめて……あ!」

 ジョナサンはシャーロットの願いを無視し、凝った乳嘴をつまんだ。
 乳房の中心を弄られ、腹の奥が怪しく疼く。
 絶え間なく与えられる快楽を受け入れられず、シャーロットは身をよじった。

「あ、う……ん」

 声を出したくない。けれど、出さなければ、さらにあられもない嬌声を発してしまいそうで、シャーロットはくぐもった喘ぎ声をこぼし続ける。
 湿り気を帯びてきた下着の中心を、屹立が掠めた。

 ぬちゃり、と粘りのある水音に、血の気が引く。

「……殿下は酷くされると、興奮するのですね」
「そんな、わけ……ひぅ……」

 ジョナサンはシャーロットの下着を剥ぎ取ると、猛った肉槍を陰唇に密着させた。
 火傷しそうなほど熱い雄の証に、シャーロットは腰を浮かせる。
 しかし、ジョナサンにあっけなく引き戻され、潤った割れ目に肉竿が押し当てられた。
 ぐちゅんっと、卑猥な水音が鳴る。

「……御身はどこもかしこも、魅惑的ですね」
「は、う、ひっ」

 ジョナサンが下腹部を小刻みに揺すった。
 秘裂に沿って、怒張が行ったり来たりを繰り返す。
 愛液にまみれた肉槍は、さらに硬度を増した。

 ――この状況を、何とかしなければ……。

 せめて会話をする隙を作らねば。
 シャーロットはジョナサンの膝の上で華奢な肢体を跳ねさせながら、必死に理性をかき集める。
 ジョナサンはシャーロットの細腰を掴んで浮かせ、肉楔の切っ先を蜜口に沈めようとした。

 シャーロットは桃色の唇を必死に開く。

「獣のように繋がるのは、嫌よ……」

 精一杯、甘えた声を絞り出す。
 ジョナサンの動きがピタリと止まった。
 潤みを帯びた菫色の瞳と、紅い瞳が交差する。
 
「貴殿の顔が見えないのも、嫌だわ……」

 ジョナサンはくるりとシャーロットの身体を反転させた。
 逞しい腰を跨ぐようにして向かい合うと、露骨に雄槍が下腹部に触れる。

「これでよろしいですか?」
「私だけ服を乱しているのは、不公平だわ」

 ジョナサンが一瞬、シャーロットから目をそらした。
 シャーロットはジレの裾をつまむ。

「怪我をしているのでしょう。……傷を見せなさい」
「見せれば、続きを許していただけるので?」

 じろりと睨みをきかせれば、「俺が怪我をしていると、なぜ気づかれたのですか」とジョナサンはさっさと話題を元に戻した。

「痛み止めの臭いよ」
「それほど臭いますか?」
「鼻が曲がりそうだったわ」
「殿下は薬にもお詳しいのですね。頭が下がります」
「……たまたま知っていただけでしてよ。ほら、さっさと服をお脱ぎなさい」

 シャーロットは再度、ジレの裾を引っ張った。
 ジョナサンは躊躇う素振りを見せるも、布を脱ぎ捨てていく。
 引き締まった上半身、腹の中心に、包帯が巻かれていた。

 シャーロットは眉を吊り上げた。
 白い布地には、所々、血が滲んでいる。

「ああ、これですか。かすり傷が少し開いているだけなので、ご心配には及びま――」
「私が何を思うか、口出ししないでくださる?」

 ジョナサンが驚いたように、口を閉ざした。
 シャーロットは包帯に手を伸ばす。触れるとあたたかい。
 血の滲んだところに指を滑らせようとしたら、ジョナサンに手首を掴まれた。

「御手が汚れます」
「貴殿は私を妻にするつもりなのよね?」
「……ええ。横槍が入りましたので、婚礼の儀まで、もうしばしお待ちいただくことになりますが」

 よくよく見れば、ジョナサンの顔色は酷いものだった。頬が痩けているし、目の下も、うっすらと黒ずんでいる。
 疲労を滲ませながらも笑顔を絶やさない彼に、シャーロットは心底――腹が立った。

「ならば、弱っている姿も見せなさい」
「……え」
「平気なフリを装って、私を安心させようとしているのでしょうけれど……体調が優れず、取り繕った笑みを向けられても、気分が悪くなるだけだわ」

 ジョナサンの眉尻がぴくりと跳ね上がった。
 シャーロットの腰に回した手に、力が籠もる。
 怒らせてしまっただろうか。

 ――それならそれで、結構よ。とことん相手になってあげるのだから。

 シャーロットは背筋を伸ばし、身構えたのだが――。

「……恋い焦がれる女性の前で、強がりたくなる男の気持ちも、少しはお考えください」

 ――え?

 ジョナサンは片手で顔を覆った。
 指の間から覗く困惑顔は、年相応な青年の顔である。くだらない見栄だと一蹴するのが躊躇われた。

「……それなら、私に見破られないよう、完璧に演技なさい」

 ――突然素直になられたら、こっちまで照れてしまうでしょう。

 シャーロットはいたたまれなくなり、ジョナサンの腹を、軽く突いた。
 途端に、ジョナサンが「うっ!」と、苦しげに上半身を丸める。

「こんなことをしている場合ではなくてよ。早くおやすみなさい」
「嫌です」

 ジョナサンはシャーロットの腰に両腕を回して、ぎゅうぎゅう抱きしめる。
 何が何でも離さないという意志表示に、シャーロットは呆れ、

「これでは【戦狼】ではなくて、乳離れできない子狼ね」

 菫色の瞳を柔和に細め、くすくすと含み笑いを漏らした。

 ジョナサンが穴が空くほど見つめてくる。

「何よ」
「いえ。心の底から笑っておられる姿は可憐だなと」

 ジョナサンは口角を緩めた。心なしか、頬に血色が戻っている。
 少年のような笑顔に、シャーロットの心臓が、トクン……ッと、弾んだ。

「……私の笑顔が見たいのなら、もっと無様に足掻く事ね」

 ジョナサンに見惚れていた己を隠すため、シャーロットは顔をそらす。

「……承知致しました。この先を進める許しを頂きましたので、続きをさせていただきますね」
「! そういう意味じゃ……って駄目よ。身体を休めるのが先だわ」
「殿下の笑顔ですっかり元気になりました」
「そんなわけ……あぅ!」

 シャーロットが懸命に背をそらすも、ジョナサンはシュミーズごと、乳首に吸い付いた。

 舌先で優しく小突かれた粒は、次第に固く凝っていく。唾液で濡れた薄紅色の尖りが、ツンと布地を押し上げた。

「今日は胸を覆う――ブラジャーでしたか、を身につけられておられないのですね。……もしや俺に抱かれるのを期待して……」
「違ってよ」
「では、なぜ?」
「……」
 
 ――太ったからなんて、口が裂けても言えなくてよ。

 ヴォルフガルト家で振る舞われる食事は、肉料理が中心だ。
 宮廷料理に負けず劣らず美味で、つい、食が進んでしまった。
 そうして、シャーロットの胸は、ふくよかになり、ブラジャーが合わなくなってしまったのである。

 ジョナサンはコルセットに乗り上げた乳房をまじまじと見つめ、

「我が家の食事が殿下のお口合っているようで、何よりです」

と、何もかもお見通しだとばかりに告げた。

「――っ」
「今度、城下から仕立屋を呼んで、最高級の下着を作らせましょう」
「け、結構よ……んっ」

 ジョナサンはもう片方の乳房にも唇を寄せた。
 くちゅくちゅと音を立てて、吸っては舐めてを繰り返される。
 予想できない責め苦に、治まっていた胎内の疼きがぶり返した。

「は、あ、もう……」
「もう、なんですか?」

 膣内に蜜が溢れ、入り口付近は、しとどに濡れそぼっている。
 
「充分、濡れていますね」
「はあ……」
「殿下の弱音も、聞かせてください」
「――っ」

 くすぶる熱を何とかして欲しい。
 そんな破廉恥な欲を口に出すことはできない。
 シャーロットは、薄紫の瞳を潤ませるしかなかった。

「……強情なところも、愛おしいですよ」

 ジョナサンは口角を歪め、シャーロットの細腰を両手で浮かせた。
 剛直が肉ビラをこじ開けていく。

「ん――っ」

 隘路に捻じ込まれた肉槍が、ずぷん、と一気に根元まで沈む。花弁が赤黒い楔に散らされた。

「は――、はあ……う……ん」

 内側で、自身のモノとは異なる内臓が脈打っている。
 シャーロットは薄い腹をぶるぶると震わせた。
 膣襞が健気に波打ち、雄茎をなだめようと蠕動ぜんどうしている。

「殿下……愛しています」

 ジョナサンが、桃色の唇に噛みついた。シャーロットの口内をジョナサンの舌が無遠慮に蹂躙する。

「ふ……ん……」

 抽送が始まった。シャーロットはジョナサンの膝の上で、身体を跳ねさせる。
 ジョナサンが胎のなかで暴れるたび、膣襞が甘く悲鳴をあげた。
 凶暴な侵略者をなだめるため、蜜がとめどなく精製される。

「は、あう、ん……」

 激しいまぐわいに、口づけが解けそうになる。
 ジョナサンが、シャーロットの後頭部を手で支え、唇にむしゃぶりついた。
 溢れた唾液が顎を伝う。ジョナサンはもったいないとばかりに、シャーロットの顎に舌を這わせた。

 プラチナブロンドの髪が、ろうそくの明かりを受け、沈みかけの夕陽のように輝く。
 ぐちゃ、ぐちゃと繋がった箇所から、粘ついた水音が奏でられた。
 壁に映った二人の影が重なり合い、一つの生き物のように蠢く。

「はあ、もう……」
「殿下、よろしいでしょうか?」
「何が……?」

 ジョナサンはシャーロットのへそをゆるゆると撫であげる。

「中で果てても、よろしいでしょうか?」

 身体はジョナサンを欲しがっている。
 けれど積極的に許しを与えられるほど、淫らに振る舞えない。

「勝手にすれば、いいじゃない……」

 結果、シャーロットは不貞腐れた。

「では、遠慮なく……」

 ジョナサンは獣のように喉を鳴らし、肉壺を一気に貫いた。

「! はぁっ、うぅ……」

 激しく膣襞を擦り上げられる。
 卑猥な水音に続き、パン、パン、と肉同士がぶつかる鈍い音が部屋に響いた。

「ひっ――、あ……はう」

 シャーロットはあまりの衝撃に顔を仰向ける。
 天井にろうそくの明かりは届かず、暗い深淵がどこまでも続いているような錯覚を起こした。
 二人が腰掛けるソファの周囲に、淫靡な熱が立ちこめる。

 敏感な肉襞にひときわ強く、亀頭が当たった。

「あんっ」

 シャーロットは、快感に、ビクンと身体を跳ねさせる。
 同時に、蜜筒はこれでもかとばかりに収縮した。

「殿下……」

 ジョナサンが掠れたうめき声をあげる。
 途端、胎の中に熱い飛沫が広がった。
 蜜路が白濁で満たされていく。

「ひっ……う……」

 ジョナサンがシャーロットを抱きしめる。背骨をへし折られそうな膂力である。
 接合部は隙間なく埋まり、シャーロットの銀色の和毛とジョナサンの固い灰色の繁みが、重なり合った。

「……はあ、う……」

 ドレスに覆われた全身が、汗みずくである。
 ジョナサンが腰を引くと、真っ赤な裂け目から、とろみを帯びた精の残滓が溢れ、スカートを濡らした。

「良い眺めです」

 ジョナサンが清々しいまでの笑顔を振りまく。
 シャーロットは息も絶え絶えな身体に鞭を打ち、ジョナサンの腹を指で小突いた。
 ところが、ジョナサンはぴくりとも痛がりはしない。

 冷静に考えれば、今の今まで激しく腰を振っていたのだ。
 具合が悪ければ、そんなことをする余裕はないはずである。

 ――まさか、怪我に苦しむ様は演技だったというの?

 真偽を確かめたくても、すでに体力の限界である。
 シャーロットはジョナサンの胸板にもたれかかった。

「殿下、何か欲しいものはございませんか」

 耳障りの良いテノールが眠気を誘う。

「……? 何よ、急に」
「怪我を隠していたお詫びとして、何かさせていただきたいと思いまして」

 今さらご機嫌窺いをされても……と拗ねる手前で、シャーロットはふと思いついた。

「領地を、案内なさい」
「我が領地ですか?」
「当たり前でしょう。ほかに、どこがあるっていうのよ……」

 瞼が自然と落ちてくる。
 ジョナサンが、シャーロットの髪を優しく撫でた。
 優しい手櫛が心地よい。

「承知いたしました。とっておきの場所へご案内させていただきます」

 最後に聞いたジョナサンの声は、生き生きとしていた。
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