全ては、皆んなの為に、、、そして、彼女を好きになる

霜月麗華

文字の大きさ
8 / 62
助け合い編

8

しおりを挟む
何も得ず、四境に戻ってきてしまった。鉄次は四境に戻ってすぐに、上野浦林蔵に会いに行った。
「俺、何も得られんかった」
林蔵は鉄次の背中を摩った。
「無理もない。すまんな、ワシのせいで」
「おっさんのせいじゃねぇよ。馬鹿なのは、俺だよ」
鉄次は言い、家に行った。
「ただいま」
鉄次は家に入り、リビングへ向かった。そこには、身体中にアザができた、遥が居た。
「遥!何だよそれ!」
「て、鉄次?帰ってきたんだ」
「遥!大丈夫か!?」
「えぇ、」
遥は立ち上がろうにも立ち上がれなく、倒れる。鉄次は遥を運び、布団に寝かせた。
「コレ飲んで」
鉄次はコーヒーを作り、遥に飲ませた。
「美味しい、、、」
「なんで大量にアザがついてんだ?」
「親に殴られたの」
「はぁ!?」
鉄次はキレた。
「どう言う事だよ?」
「あなたが行ってた時、親が家に無断で入って来て、『このアホ!家事もろくにできないのか!?呆れた奴だ!しつけが必要だな?!』って言って、殴ってきたよ。しかも私、今生理中なのよ」
遥は鉄次に全てを打ち明けた。鉄次は首を傾げて、こう言った。
「町内会行きだな」
と。その時、遥が腹を抑え、
「ちょっと、トイレに」
と言い、ダッシュでトイレに入って行った。
「大丈夫か?アイツ、、、」
鉄次はそれしか言えなかったのだ。その時、遥の叫び声が聞こえた。
「遥!」
「ゴホッ!ゴホッ!て、鉄次、」
遥は口から血が出ていた。
「遥、もしかして、、、特異体質か?」
「な、何それ?」
「子宮内膜が他の臓器に移って、生理が来ると、吐血するやつだよ」
鉄次は遥の口をティッシュで拭き、遥を布団に寝かせた。
「まぁ、ただの生理だから、気にすんな」
「そ、そう」
「とりあえず、寝ろ」
鉄次は遥を寝かせ、遥の親について、村長さんに連絡した。
「大咲家の親ってどんな感じですか?」
「父母ともに元ヤンキーだからのぉ。昔からDVの事件が多かったのじゃよ」
どうやら遥は、鉄次と同居する前までは、親からのDVを大量に受け、一度自殺しようとした事があったらしい。
「遥、、、」
「鉄次君、遥ちゃんに関する電話って事は、何かあったんだろうね?」
「はい、、、」
村長はいい人だった。
「明日、町内会に来なさい。それからじゃ」
「ありがとうございます」
鉄次は電話を切り、寝ている遥を見た。

「これで、いいんだ。これで、、、」

鉄次は寝た。


8月29日

町内会に遥の両親が居た。鉄次は両親を睨みながら座布団に座った。
「さてと、今日の議題はあなた方、大咲家の皆さんについてです。話し合いましょう」
更に、村長は続けて言った。
「あなた方は娘である遥さんに暴行したそうですね?遥さん本人が言っておりましたが?」
「フン!何のことやら」
両親共にしらばっくれる。
「そのアザも、自分で書いた物なんじゃないのかしら?遥、本当のことを話しなさい」
遥は、両親を睨みながら、言った。
「あなた達が殴ったからアザができてるんですけど?」
鉄次は苛立っていた。こんな親、生まれて初めて見たからだ。
(こんなタチの悪い親、、、。)
鉄次は立ち上がり、遥の父の胸ぐらを掴み、言った。
「テメェらがしょうもない事したから、遥はあんなのになってんだよ。少しは自覚したらどうだ?!」
鉄次は胸ぐらから手を離し、父を怯ませた。鉄次は戻り、座布団に座った。
「それで、どうかね?大咲さん?暴行の件は?」
「、、、認めます、、、」
親は諦めた。
「遥さん、君はどうしたいかね?」
「、、、金輪際あなた方とは会いません!この町から出て行ってください!」
遥はキッパリと言い、両親を睨んだ。それに怯えて両親は逃げて行った。
「、、、終わったのぅ」
「遥、、、」
鉄次は遥の背中を摩った。
「鉄次、頑張ったよ」
「あぁ、もう大丈夫だ。さぁ、家に帰ろう」
「うん!」
鉄次は遥を家まで運んだ。




「鉄次。一緒に風呂、入ろ?」
「う、うん」
2人は風呂に入った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...