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18最終話
しおりを挟むこの日を迎えるために…聖獣が出した条件は、キラ国とテイマス国の境界に聖獣を祀る城を構える事だった。
カイトはこの日を迎える前、国境の領土を1つ与えられた。キラ国の至宝を花嫁に迎え、キラ国の聖獣の加護と、共有の土地を得られる事からの褒美でもあった。
こうして、キラ国とテイマス国の絆を示した城ができた。
テイマス国の王都で行われた結婚式を終え、二人を乗せた馬車は国境の壁をぶち抜いてできたお城へと到着した。
「カイト様、すごいです。」
「ああ、まるで新たに国ができたみたいだ。俺はこの領地を与えられた…まさかキラ国の一部まで含まれることになるなんて…」
「ふふふ。キラ国の民も私たちの結婚を祝ってくれてよかったですね。」
「ああ、だが…」
馬車を降りた二人が見上げると、上空に羽ばたく黒い影が突如現れ、大きな鳥が地上へと舞い降りた。
「聖獣様。」
「ミア、カイト、おめでとう。私はこれからもミアに会えて嬉しく思う。この土地に祝福を。カイトよ…この地を命をかけて守りなさい。」
「は…はい。」
カイトは聖獣の押しの強さに引き気味になりながらも、聖獣の機嫌を損ねないよう、言葉少なめにして、深々と一礼した。
聖獣の華奢な足がペチンと地上を叩けば、ブォン、と音と共に白く輝く魔法陣を発動し、円陣は弾け地上に散らばり荒れた土地は緑豊かな地へと変わり…城の周りには無人の街が現れた。
「街の建物は私からのプレゼントだよ。人が来たくなるようになれば賑やかになり、栄えてくれる。」
カイトはびっくりしすぎて目を丸くした。
「キャッキャッ。聖獣様ありがとうございます。」
ミアは嬉しそうに聖獣の嘴を前にしてドレスの裾を持ちお辞儀をした。
「愛しいミア、おめでとう。城に祀る私の分身を頼むよ。」
「はい。」
聖獣は白く輝き弾けて消えた。
「ミア、俺はやって行けるのだろうか…」
「ふふふ。聖獣様は私に任せてくださいませ。カイト様は領主と騎士の御役目に専念してください。」
「ああ、そうだな。」
「ふふふ。」
カイトはミアを抱き上げるとアンナ筆頭に出迎えた侍女達と共に城へと足を踏み入れた。
二人の新生活は始まったばかり。
波乱で愉快な物語がきっと始まるだろう~。
完
…………………………………………………
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。二人の物語は、ここで締めくくりたいと思います。
yu-kie
応援ありがとうございます!
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おもしろい!
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スパークノークス様
登録ありがとうございます。物語はまだ始まったばかりですが、どうぞよろしくおねがいします。