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+ 第 4 章 + 婚約
no.16
しおりを挟む2週間の視察はあっと言う間に終わろうとしていた。
アクトスさんが王都に戻る最後の日の前日、自警団の任務を終えて、皆と別れて家に帰る私の後をアクトスさんが追ってきた。
「どうしたんですか?」
「ミヤ嬢…王都に戻る前にもう1度…君の気持ちを教えてほしい。私の番になることを考えてはくれないか?」
そうでした。彼は諦めないと言っていたことを今思いだした。
でも今の私はアクトスさんとはもう初対面じゃない。近くにいる時は尻尾を振って私についてきて…ピンチの時はいつも私を助けてくれた。
番って、お互いの匂いに惹かれる所から始まるらしい、彼がそばにいてなんとなくその意味がわかった気がするのです。
心が落ち着く。他の誰にも抱いた事のない…言葉では説明できないような安心感。潜入任務から救出してくれた時…その後の看病で、それとは別に離れたくない気持ちが…気のせいだと思っていたけど、違う。私は彼に恋し始めてた。
「アクトスさん…私で良ければ…」
「いいんだね?」
彼はちぎれんばかりに尻尾を振りながら、私のてを力強く握った。なんでだろう…物凄くアクトスさんが可愛くて愛しい。
「はい。でも番って恋人とは違うんですか?」
「君たち人間を例で言うなら、夫婦と変わらないよ。だが…家族に認められず婚姻を結べない番はお互いを恋人だと言うが…私は、君の家族にも認められたい。」
「そうですね…私もそう思います。」
「じゃあこれからミヤ譲のご両親に認めてもらいにゆこう。」
「えっ?」
「さあ行こう。」
「ひゃん。」
アクトスさんにされるがまま、私はお姫様抱っこをされ…その足で家に帰ることに…。
この日の夜…両親の承諾を経て慌しく私とアクトスさんの婚約が成立したのでした。
アクトスさんの家族は大丈夫なのか聞いてみたら、既に許しを経ているとの事。アクトスさんは、こうと決めたら行動が早いようです。
明日を過ぎたら、また暫くあえなくなります。夜宿舎に帰る彼の後ろ姿を見送りながら私は…なんだか急に寂しくなってしまった自分に驚いたのでした…。
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