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魔女を妻に迎えるまでの話
4 結婚
しおりを挟むグリアはジンの家に押しかけると、妹が眠る部屋に入った。少女に掛けられた毛布を取り除き、持ち出した虹色に光る石を少女の額、お腹、膝においた。
「これはなんだ?」
ジンはグリアの背後から顔をだしその光景に驚いた。
「この国の技術ではまだ無いものなの。私のいた魔女の国で作られた医療魔道具の1つ。ジンは見ていて。【サーチ】」
体内の異変を調べるため、サーチの魔法を使うことで、魔道具である虹色の石が発光し体に浮き出るようスクリーンが現れた。体内を写し出した白黒の映像を見たグリアは異変を発見、少女の体にてを添え体内の毒を吸い出すように、魔法を唱え始めた。
1時間後、寝たままの少女がゆっくりとまぶたを開け、何年かぶりにその視界に家族をとらえた。
ジンの年老いた両親とジンは少女の目覚めに歓喜した。
「まだ完全じゃないよ。免疫力も低下してる。まずはこれを毎日お湯にとかしてゆっくり飲ませて。」
グリアは持ってきたポーチから大きな袋を取り出し、ジンの両親に、袋の中にある、小分けされて入っている薬を見せた。
「「ありがとうございます。」」
「おい、治ったんじゃないのか?」
ジンはグリアに問い詰めるとグリアは苦笑いし、優しく話した。
「魔法で一気に治せば自然治癒力が低下して自力で体力を回復できなくなるの。まあ、半年私の用意した薬を飲み続けたら大丈夫だよ。」
「本当か!」
「ええ。」
「ありがとう!」
ジンは感激のあまりグリアをぎゅっと抱き締めた。
「あなたは息子のどういった…」
ジンは抱きついて男泣きするなか、グリアはなだめるように背中をさすりながら、ジンの両親に微笑んだ。
「私の命の恩人で、私の大切な方です。」
桃色の瞳を細めそう話せば、ジンの両親に誤解が生じた。
「聞いたか?ジンの伴侶か!」
「ええ。あなた。ジンにもようやく嫁が…」
「えっ?」
ジンはグリアから離れ訂正しようとするとグリアはジンに笑顔を向けた。
「家族っていいわね。私の国では幼いうちに親元を離れる。今はどこにいるかもわからないし、会うこともしない。それが当たり前なんだ…私の国は。」
「そうなのか。」
「ええ。私は魔女で、森に居るから人間との接触も少ないんだ。」
「恋人はいないのか?好きな奴とか?」
「好き?わからないな、私はジンに恩返しがしたくてずっとジンを探していたから…」
グリアとジンのやり取りに、両親はさらに話を盛り上げていった。
「ジン!あんたはどうなんだい!こんな可愛くて賢いお嬢さん、あんたをしたってるんじゃないか、あんたは嫁に欲しくないのか?」
「まあ…俺は人に恨まれてばかりだから、こんなによくしてくれる人は彼女くらい…だな。」
「そうじゃないよ!あんたは嫁に欲しくないのか?」
ジンは母親に言われ、思わずグリアに視線を向ければ、グリアはまんざらでもなさそうに微笑み、ジンは介抱された日、額にキスをされた時の事が頭をよぎり、心臓がどくんと強く高鳴った。
「欲しい。」
そうして、村は賑わいだし、即興の結婚式が執り行われたのだった。
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