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第1章兎暮し《初》

リーシャのお願い。

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 「離せ、馴れ合うつもりはない‼私を森へ帰して‼」

 頬擦りを止めたリャフスの、その手からすり抜けたリーシャは、近くのテーブルの上に着地した。

「この封印は未完成のようだから、帰してくれないなら力を発動してもいいのよ!」

 リャフスは表情を一変させ、嘲笑う。

「そうか…勝手にすればいい。だが…体は戻れないから力は半減されてるはずだ。」

「あの魔法使いは?あいつに!」

「無駄だ…やつの杖のぎょくはお前を封印して力をなくして砕けた。」

 そんなこと、私には関係ない‼

 私の体はプルプルと震え、瞳は朱色に光を増した。

「《衝撃波!》」
 
 リーシャはピョンと跳ね、着地した瞬間リーシャの周りに空気の波が突風となって辺りにひろがる。

 突風の勢いがリャフスの足元をぐらつかせたが踏みとどまる。

 だが、魔法による更なる攻撃はなかった。

「迷いの森に母様の存在が消える前に…行かせて。断ればまた暴れてやる、今以上に…」

リャフスは苦笑いして私にてを両手を伸ばし、私は両脇を捕まれ空に翳された。

「何よ、つれていってくれる気になったの?」

「遠征後は1日休みだ。帰還して城によって…今は昼か、一人お前の知ってる魔法使いに来てもらうか。少しまってろ。」

 そして私はふかふかのベットにボスンとおとされ沈んでいった。

 部屋に無造作に置いて行かれ…リャフスはしばらくして、小柄な青年をつれて戻ってきたのだった。

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