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しおりを挟む馬車が王都にはいる頃、馬車内ではアイスはみるみるうちに姿を変えた。
「アイス王子?に、人間になってます!」
ルイは涙目になりながら、あからさまにショックを受けた。
「兎さんが…」
ルイの向かいに座るアイスは白銀の髪を靡かせたつり目の美男子に変わっていた。
「ここから先は人間達の目に触れる。我々獣人は、他国の人目の集まる場所では怖がられる。騒ぎを未然に防ぐため人間の姿になるのです。外の獣人達もそろそろ姿を変える頃だ。」
「そうですか。」
アイスは上目使いのルイの髪を優しくなで、頬に触れた。
「本当の姿を気に入ってくれ、ありがとう。可愛い姫様。」
「ふへ。」
ルイは頬に触れるての感触と、その視線に顔を紅くしうつむいた。
「私、おかしいです!人間のアイス王子に見られたり触れられたり、ドキドキして…兎さんのアイス王子が良いのに、今のアイス王子も悪くないです。」
アイスは固い表情をふっと緩ませルイの頬からてをはなした。
「私がいることを忘れていないかい?」
バリージャ国王は二人のラブラブな空気に耐えきれずに思わず言葉を漏らせば、ルイは両手で顔を覆い、アイスはまた表情を固くしたがその顔はわずかに紅い。
*
こうして馬車は無事に城へと到着。宮殿の家族の部屋にアイスがルイの手をとったまま通され、王妃や、王子達は急な展開に驚いていた。
「どなた?」
王妃の言葉に、アイスは頭を下げ顔をあげ背筋を伸ばせば王妃を見る目は身長の関係から見下ろすかたちとなり、王妃は怯えるように後ずさりした。
「ディスカ国より参りました。第2王子アイス・ディスカと申します。この度はルイ王女と縁談話をいただき、ご家族にご挨拶と、王と王女を道中安全に送り届けるためこちらに参りました。」
「獣人ではないのです?」
アイスは王妃の問いに一瞬だけ、兎の獣人の姿になりすぐに人間の姿になると、王妃はふらふらと後ろに控えた王太子に倒れこんだ。
「王妃よ、彼らとの縁談は今後のバリージャ国のためにもよい話なのだよ。」
「ルイの『強い兎さんに会いたい』を許可するべきではありませんでしたね。」
王の言葉に王太子キトは反論するように言葉を発した。
「何を言うか、アイス王子の前で、控えなさい。」
「縁談ならユイフ国の王太子から話があったではないですか?なぜ保留にして、ディスカ国とは縁談話が進むのです?王!私たちの可愛い妹をなんだと思っているのですか?」
キトは道中のことを知らず、思わず出た言葉に、アイスはピクリと眉を寄せキトを睨むように見下ろした。
「王、お話になったほうがよいのでは?」
アイスの言葉に、バリージャ王は帰りの道中での出来事をこの場に集まる王妃と王子達に話せば、王妃は真っ青になり倒れ侍女に連れられ部屋をあとにし、王太子キトと第2王子バトは父王に詰め寄るように、今後ユイフ国との関係が崩れたその先の事を危惧して、どうすればよいか話し合いを始め、アイスは家族の話に割って入らないよう口を閉ざし、事の成り行きを見守っていた。
そしてルイは、テーブルにおかれたお菓子をアイスにすすめ、自身もお菓子をパクリと口にしながら、不思議そうに、家族会議を見守っていたのだった。
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