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第1章・贄の花嫁【序】
迎え・前
しおりを挟むライカは連れ去られ、誰かの屋敷のふかふかなベッドですやすやとお迎えの日まで眠り続けた。
‡
リュクス国の城で、宮殿は大騒ぎ。ライカを探しながらライカの嫁入りの準備も進められ…あっというまに、約束の日が訪れた。
「ここはやはり、王女様が嫁がれるのがすじかと。」
国の兵達を束ねる総団長は広間に集りライカ騒ぎの中で進言し…そこへ、バイラー国の王子の訪れを知らせる兵が駆け込んできた。
「バイラー国第2王子殿下がおこしです!」
後ろから続くマナを先頭に獣人の部隊に、広間に集まるリュクス国の側近や兵達が動揺した。
「ライカを迎えに来た。どこにいる?」
捜索の報告に来た近衛兵や、王達が口ごもるなか、総団長がマナに近寄り深々と礼をした。
「ライカ様は我国を守る近衛部隊…否、全部隊にとって欠かせないお方でした。ご挨拶に伺いましたら…。ご挨拶に伺わなければ良かったかもしれません、里心が出たのかも…わたくしの責任でございます!」
総団長は床に伏せるように座り頭を床にすりつけ謝罪した。
「ライカが失踪?里心…」
マナは首をかしげ考えている最中、総団長の前にたって居るだけのつもりで総団長を見下ろせば…2㍍と大きく、更に熊特有の体型から、人間たちは怯えるように見上げていた。
「フェル、ライカの匂いはわかるか?」
マナの後ろから現れたのは2㍍はある狼の獣人。半獣のため人の姿に獣の耳とふさふさと大きな銀色の尻尾を揺らし、鼻をくんくん。ライカの匂いを探した。
「マナ様、ゴニョゴニョ。」
フェルと呼ばれた狼の獣人はマナに耳打ちをしなにかを告げた。
「総団長、ライカを拐ったのか?」
目の前に床に頭をすり付け小さくなっていた総団長はゆっくりと頭をあげた。
「…国のためだけに贄になったわけではないだろ?本人は楽しんでいた。あのような肝の座った人間はそういないな…」
マナは少し離れた場所にいるリュクス国王や、心配で様子を見に来た王女の様子を見ながら呟いた。
「…」
総団長は体を震わせながら謝罪した。
「…申し訳ございません…」
「迎えに行く、案内してくれ。」
総団長はよろよろと立ちあがり、マナを先導し王達の前で再び謝罪し…広間をあとにした。
「リュクス国王、ライカを迎えに行かせてもらう。いいですよね?」
マナは口をにんまりとさせて笑って見せると、リュクス国王は言葉を無くし、口をパクパクさせて頷いて、広間を去る獣人達を見送ると…見えなくなると同時に腰を抜かして床にへたんとしゃがみこんだ。
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