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第1章・贄の花嫁【序】
迎え・中
しおりを挟む王都内にライカの眠る屋敷がある。部隊全体を取り締まる総団長の屋敷で、兵が屋敷のみはりを厳重にしていた。
‡
ライカは眠り続けていた。最初は料理に混ぜられた薬により眠り、そのあとは、この部屋に焚いている香により眠り続けていた。
ライカは昔の夢を見ていた。宰相の父の薦めで教養を身につけるために女学校へ入った。その時…なれない所作、裁縫、お嬢様がたとのお茶会。苦痛の連続で、ある日ライカは女子寮から抜け出した。
学園を抜け出せば、その先には国と国を挟んで川が流れていて…子犬が溺れているのを目にした。ライカは女学校へ上がる前は強くなりたくて父にたのみ戦闘力をあげるための訓練所へ入り、魔力をあげ、魔法と体幹を鍛えていた。だから救える確信があり、ライカは川に飛び込んだ。
魔力を練り、全身を強化させ、風をおこした。飛び込んだ川の水は風により波立ち、渦を巻いてライカを包み、渦を巻いた水から子犬が顔をだし、ライカは子犬を抱き締め、風にのり陸に着地した。
「ふあ~力を使いすぎたかも。」
ライカは地上に子犬を下ろし、その場に倒れ眠りだした。
目覚めると、ライカはふかふかの毛に覆われた白熊の獣人の膝で眠っていたよう。まだ若い獣人はライカよりひとまわり大きなぬいぐるみにも思えた。
「あんた人間か?俺はマナ。友達を助けてくれてありがとう。お礼にあんたの国に送ってやる。」
「え?」
ライカが驚いているうちに白熊少年の肩に担がれ…白熊少年は川を渡り、寮まで送り届けるとまた川を越えて帰っていった。
ライカはあれから獣人に興味を示し始めた。獰猛で危険だと教わった獣人は人間みたいで、可愛い生き物だと知り…ライカは大人になったら獣人の友達を作りたいと夢見るようになっていたのだった。
‡
香の火が消え…やがて煙も薄れ…ライカはユックリ目を覚ました。
「あれ?宮殿の部屋じゃないよね?」
ライカはベッドから半身を起き上がらせて辺りをキョロキョロ見渡した。
「あれ?私、どこに来たの?え?」
ライカは立ちあがり窓から身を乗り出せば、王都の街並が視界に入り、王都内にいることに安心した。
そして、屋敷にむかって走る馬車がぐらぐら揺れている様子にライカは興味津々になり、窓を開けて身を乗り出して見下ろしていた。
「はわあわあ~重たい人がのってルのかしら?」
ライカは馬車の接近をワクワクしながら待っていた。
「誰がきたのか、見届けなくちゃ!」
ライカはそんな言葉を呟いた。
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