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第2章・贄の花嫁【中】
素顔?
しおりを挟むこうしてライカはマナとともに出立した。花嫁の荷物はあとから続く荷馬車にのせて…。王女が嫁に行くなら、盛大に祝っただろう、しかしライカは宰相の娘で、一度はみずから贄を申しで城をでた身。ライカに恩をつくった国王と王女、ライカの兄と宰相である父と母に見送られ、ライカをのせた大きな馬車は日の暮れ始めた王都の街を抜けていき、物語の舞台はリュクス国からバイラー国へと変わって行く。獣人の国バイラー。忘れてはならないのは、リュクス国を支配した国であり、各国の王女達を嫁に迎え愛でる白熊の狂王が君臨する国…何が起きてもおかしくない。そんな国へとライカは足を運んだ。
‡
たどり着いたのは、バイラー国の王都の手前の領地。猫領主シャホ・ポイの治める…領地パクシャ。かつては小さな国で、今はバイラー国の領地として存続し、そこにマナが与えられた屋敷がある。白熊の狂王の命により監視のため…立派な屋敷を与えられたのだった。
マナは王様でも領主でもない。国を護る第1騎士団、第2部隊を束ねる騎士。それがマナ。彼は贄を嫁に与えられたと噂され…ライカがそれを見たがる者たちに曝されないよう、それから隠すように屋敷に迎える事になり、大きな馬車は邸の敷地内に入り止まると、ライカはマナに連れられ小さなお城のような屋敷の開かれた扉の中へと姿を消した。
扉が完全にしまる頃…マナの姿は人間へと変化していき、ライカが握るマナのふかふかの手は徐々に毛が縮んでゆき、ごつごつとした白い指が現れ、ライカはそれに驚き見上げればそこには白銀の短い髪の長身の大柄な凛々しい顔立ちの黒い瞳の青年がいた。
ライカは紅い瞳の目を見開かせ言葉を無くし、口をパクパクさせているとマナはクスクスと笑いライカの頭をグシャグシャと撫でた。
「獣人の多くは両方の姿を持っていて、王族は皆…強さの象徴である獣人の姿を鎧のようにして、周りに強さを見せつけている。」
「はわわぁ~、今はなんで…」
ライカの問いにマナはライカの手を引き屋敷の奥へと向かいながら雑談のように語った。
「邸内は俺の領域。他の目にさらされないし…体を休めれる唯一の場所だ。」
「もしかして、王様も?」
「勿論。どうしてそんなことを?」
「あの…お妃が多いと聞いてます…その…お子を作るにはお妃が死んでしまうのではないかと…思ってました。」
「アハハハ!面白いことを…もしかしてライカもそれを心配していたのか?」
「はあ…まあ、」
ライカは急に恥ずかしくなり目をそらした。
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