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1話・プロローグ
深い闇の広がる魔の森、そこにはロングスカートの、魔女を思わせる女性と毛皮の首巻きをしたオークが居た。
「リュイ、これ以上の抵抗はやめた方がよくないか?」
「ラプス!…近寄るな!魔王に使える仲間だと思っていたが違うようだな!」
「五月蝿い!素直に俺の女になれ!」
魔王に使えている二人は対峙し、魔女リュイはオークのラプスに魔力を無効化する静寂の剣の一振りを受けて負傷した。
「魔王の剣を持ち出すなんて、なんて卑怯な!」
負傷した魔女は白銀の長い髪を赤い血で染め魔力を奪われその場に倒れこんだ。
「愚かな女だ。口が過ぎたな、魚の餌にでもなるんだな。」
黒い毛皮の首巻きをしたオークは魔女を池へと投げ込み、魔女は池に沈んで行った。それを見届けたオークは嘲笑いながらその場を去った。
「魔王にはお前が剣を盗んだから私が剣を取り返した、そう報告してやろう!ハッハッハ!もう戻ってくるなよ?裏切り者は逃げたんだからな。」
オークはいつまでも笑いながらその場から姿を消した。
*
オークは魔の森をしばらく歩くと、灯りを持つ人間の集団と遭遇した。防具を身につけた兵士を思わせる者達。その先頭には、屈強な青年が剣を構え後ろに控える兵士達を指揮した。
「お前が指名手配の暴れオークだな?我々は国王の勅命を受けて街を脅かす者を排除している討伐隊だ!覚悟しろ!」
「我が名は魔王が配下ラプス!相手をしてやる。」
オークは複数の剣の達人の手により命を落とした。ラプスについていたオークの配下達も命を落とした者、逃げた者も複数いた。
討伐隊は魔王の配下の、オークと行動を共にしていた魔女を探した。
そんな中、オークが現れた方角の池へと向かった討伐隊隊長は、池の水中かプクプクと気泡の現れるのをみつめた。するとそこから、水中から小さな体に大きな傷を負った白い猫が浮かび上がった。
「なんて事だ!」
討伐隊隊長は慌てて猫を救い出すと、心臓マッサージをすれば、猫は水を吐き出した。ホッとした隊長は猫を腕の中へと包み込むように抱けば、安心したのか、白い猫は気を失った。
「可哀想に。」
隊長は身に付けていたポーチから常備する傷薬を取り出し猫の傷に塗り込み次に包帯を取り出し、猫の傷に包帯を巻いた。
猫を布にくるむと、隊長は猫を大事そうに抱きしめた。討伐隊は敵が居ないことを確かめると、森を去った。隊長の腕の中に居る猫の額には魔女と同じ四つ葉の模様があった。
彼らは、探している魔女が近くに、すぐ側にいることをまだ知らない。魔女は敵なのか、味方なのか…。動物に優しい隊長と魔女が扮した白猫の物語が始まる。
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